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ブランディングと宣伝の関係は?

Voicy No.266 2022年1月18日放送
この放送を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!


ブランディングと宣伝は異なる概念です。ブランドとしての価値を守りながら、ファンになってくださる方たちにアプローチする方法を考えていきます。

質問にお答えします

今日のテーマは「ブランディングと宣伝の関係」です。

Voicyのリスナーさんからコメント頂くことがあります。
いい質問だったので、こちらでお答えしていきますね。

コテツさん、いつもありがとうございます。難しい質問ですみません。ブランディングにおける宣伝について質問させてください。例えば、私はコテツさんの放送を初めてスタンドFMで聞いた途端にとても惹きつけられましたが、おそらく当時の私は他のビジネスコンサルの方を見つけるのと同じように、コテツさんの放送を見つけたと思います。ブランディングにおいて、宣伝をする場合、潜在的なファンがいる場所をどのように考えていくのが良いのでしょうか? 発想が独りよがりにならないように気を付ける点などお伺いできましたら幸いです。

ヤックさん、いつもありがとうございます。

大きめの企業でも、ブランディングと宣伝の関係がごちゃついていることはよくあり、ブランディングとマーケティングとPRとCMは告知活動で、大きなくくりとして同じでしょうとすることがほとんどです。

ビジネスを提供する側に回らなければ、それで全然構わないと思います。

ヤックさんの仕事を自分は細かくつかめていませんが、ビジネスや商品サービスを世の中に送り出す側になっていかれるなら、ブランディング、マーケティング、PR、宣伝が違うことを整理した上で、取り組んだほうがいいと思います。

本当はこれだけで10分しゃべったほうがいい内容ですが、「売りたいものがあります。売るためにブランディングしたいんです」というのは、もうブランドではなくなってしまいます。

ブランドというのは、売れようが売れなかろうが、われわれには大切にしているものがあること。

これがブランドの哲学であり、スタイル、センスであって、ブランドとして大切にしたい動かしがたいものが中心にあって、そこで初めてブランドになり得るのです。

ドラッグストアの整髪料はブランドか


コマーシャルブランドというか、日本だと特定の企業のことを言っているように誤解されると困ってしまうんですが、日本全国のドラッグストアに並んでいるような資生堂とかカネボウ、マンダムが出している整髪料には、商品としての寿命があります。

例えばギャッツビーといった類いの整髪料は、商品カテゴリー名で、ブランドではありません。

ブランドというのは「それじゃなきゃダメ」というファンの方がいて、その人が選んでくれること。コマーシャルによって商品カテゴリーや商品名を広く認知させて、宣伝のみによって薄利多売で多数の人に買ってもらうことは、厳密に言うとブランドである必要はないのです。

それがたまたま定着して、誰もが知っているものとして残っていったとしても、大手化粧品会社が出している整髪料は、売れなくなったらその製品カテゴリーはやめようと思ってやっています。

これは宣伝によって売ろうと決めているからで、それはそれで1つのビジネスのやり方なのです。


ブランディングとマーケティングの違い


中小企業、個人事業主、個人、タレント、議員さんがブランドを確立しようとしたとき、言いたいこと、やりたいこと、大事にしていることも何もないけれど、今ウケそうなことを露出とビジュアライズで表現することがあります。

自分の考えていることと全然違うけれど、みんながサウナで写真を撮るのでサウナに行って写真を撮る。みんながアフタヌーンティーに行って写真を撮るので、みんなが行くアフタヌーンティーで写真を撮る。

それでバズって知られればいいという時点で、既にブランドを確立するところからは、いちばん遠くなります。

ブランドはファンがいることです。これじゃなきゃダメ、このスタイル・哲学・主張に基づいているブランドに着いていきたいと思っているファンの方がいてくれる状態のファンとの関係をブランドといい、それを宣伝していくときに2つの柱があります。

「ブランディング」と「マーケティング」です。

ブランドを愛してもらうために、知ってもらわなければいけないこと――自分たちの独自のことやスタイルを粘り強く繰り返し伝えていって、ファン化を推し進めてファン度を熱くする活動です。

もう一つは、マーケティング宣伝の領域で、興味を持ってもらうことです。

多分ヤックさんは、ブランディングにおいて新しい人に興味を持ってもらうにはどうしたいいか、潜在的なファンがいるところにどうやって入ったらいいか、と言っているのではないでしょうか。


ブランドの価値観


商売の話では、どうやって興味を持たれるか、どうやって集客するか、バズるかという話が皆さん大好きです。

ただ、自分のブランドを愛してくれるファンの方と全く違う人たちに興味を持ってもらおうとしている時点で、ファンに対する大いなる裏切り行為です。真逆の方に興味を持ってもらおうとしたら、ファンの方が支持してくれなくなります。

宣伝や興味付けでブランドの中心にある大事にしていることが薄められている分にはいいですが、真逆のアプローチとか表現で興味を持ってもらおうというのは、全く意味がありません。

短期的には売り上げが上がるけれども、長い目で見たらブランドの価値が下がってしまうのです。

例えばフェラーリは3000万とか5000万、1億の車を、1車種数百人に売っています。

もっと多くの人に知ってもらいたいからといって、フェラーリが「小型車が流行っているので軽自動車を出そう」とはならないわけ。

もしフェラーリが軽自動車を35万円で出したら、世界中に何万人も買う人がいるでしょう。けれども、その分フェラーリを芸術品だと思って買っている数百人、数千人のコアなファンからは嫌われるわけです。

ですから、ブランディングと宣伝の関係でいうと、最終的にそのブランドを愛してくれそうな人のところに行くことになります。

いちばんは自分のブランドファンの方の周辺にいる、同じ価値観を持っている人たちのところにアプローチすることです。コテツのVoicyを興味のある知り合いに勧めてくれと言っているのは、そういうことなのです。

不特定多数のところにばんと宣伝を打ったら入ってくるのではないかというのは幻想です。多くの人に知ってもらおうとしても、自分のブランドに興味付けができる内容を出していくことが大事だったりします。

ヤックさん、もしうまく答えられていなかったら追加で質問してください。

以上、コテツでした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
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久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
Instagram https://instagram.com/q.kotetsu/?hl=ja
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