マガジンのカバー画像

山村留学体験記

17
親目線の山村留学体験記です。
運営しているクリエイター

記事一覧

⑰修園のつどい2021

⑰修園のつどい2021

とうとうこの日が来てしまった。長かったようで短かった1年だった。
体験の日も、面接の日も、文化祭の日にも食べた思い出深い道の駅のラーメン屋さんは閉店してしまったし、村も1年で変わっている。
予報通り天気はあいにくの雨。前日に荷物をたくさん積んでおいてよかった。

修園のつどいは自分たちで作ったスライド上映に始まり、スピーチ、保護者挨拶、「修園賞」授与、太鼓、茶話会と、盛りだくさんのプログラムだった

もっとみる

⑯卒業式2021

卒業式当日は穏やかな晴天だった。寒さを覚悟していただけに、ありがたい。中学校の卒業式の後、講堂に入場し、小学校の卒業式が始まった。全校児童、村長さん、ケーブルテレビ、いろんな人が参加する卒業式(例年はもっと多くの人が参加していたのだろう)は私たち夫婦にとっても初めての経験だ。

厳かだけど温かい、卒業式だった。卒業生がたった5人の卒業式。子どもたちのこれまでの成長を思い、周りで支えてくださった人を

もっとみる
⑮保護者会、帰省で来年度について家族で話し合う―山村留学継続か修園か

⑮保護者会、帰省で来年度について家族で話し合う―山村留学継続か修園か

<2021年度の回想録>
12月上旬に第2回保護者会が前回と同じ会場で行われた。面談のたびに、息子の知らない一面を知ることになる。一緒に過ごしているだけでは気づかない息子がたしかにそこにはいるんだなぁと思う。子どもたちが全員のいい所、良くない所をそれぞれ挙げて本人に伝えるという、ちょっと私からするとぎょっとするようなこともやったそうだ。他人から見た自分はどんな人か知るという具合だろうか。

そして

もっとみる
⑭収穫祭2021(2)

⑭収穫祭2021(2)

収穫祭2021① のつづき 

収穫祭二日目は朝、センターに集合し、みんなでわいわい食事作り。
外で火を焚いて、野菜を大量に切って、子どもたちが作った味噌(3年物)で味噌汁を作り、子どもたちが作ったもち米で餅つき大会。研究発表で子どもたちが作った様々な保存食の振る舞いもあった。私としては初めて食べたシカ肉の天ぷらがとても美味しかった。前日に続いて穏やかで、快適な陽気だった。

順番に保護者達が指導

もっとみる
⑬収穫祭2021(1)

⑬収穫祭2021(1)

収穫祭は山村留学においてとても重要な行事として位置づけられている。
実りの秋、みんなで半年かけて育ててきた米をはじめ、農産物の収穫に感謝し、さらに子どもたちの今までの留学生活の「収穫」を披露する場でもある。例年は11月半ばの金曜日の夜から日曜日にかけて、親きょうだいもセンターに宿泊し、子どもたちの発表の後は卒園生や村の人を招いてバザーをしたりして大々的に行われていたようだが、昨今のコロナ禍により、

もっとみる
⑫文化祭2021

⑫文化祭2021

私の記憶では、小学校では文化祭という行事はなかったと思う。中学校では文化部の発表や展示、それから合唱コンクールはあったような。

村では10月頭に小中学校合同の文化祭が開かれた。幸い緊急事態宣言が明けたため、我々保護者も参観できることになった。久しぶりに息子に会える!

1週間前から体温の記録をつけ、抗原検査で陰性を確認し、いざ、村へ。
前年は雨で10月でも寒かったと聞いていたけど、当日は快晴で日

もっとみる

⑪小学校最後の運動会はオンラインで

息子はワクチン翌日に小学生生活最後の短い夏休みを終え、たくさんの宿題や荷物とともに慌ただしく村へと帰って行った。どんより曇った天気同様、私たち親の気分は重い。時折ぱらつく雨が寂しさをかきたてるようだった。本人はこれから始まる2学期にワクワクしているのだろうけど、帰り道の車内はみんな終始無言だった。

そして、緊急事態宣言が発令され、私たち県外に住んでいる親は9月の運動会に参加しないことになった。規

もっとみる
⑩私の心は夏模様

⑩私の心は夏模様

たった3週間の夏休みが終わってしまった。せっかくの夏休みだが、このご時世、ウイルスを村に持ち込ませるわけにはいかないので、ほとんど「箱入り息子」状態で過ごしていた。幸い、退屈しないようにか(?)地元では自由参加だったポスター制作がこちらでは宿題として出されており、また、自由研究用の模造紙も配られていたので「そんなちっちゃい字では読めんわ」「んなことないゎ」とかヤイヤイ言い合いながら何とか片付けてい

もっとみる
⑨夏休み!夏休み!夏休み!!

⑨夏休み!夏休み!夏休み!!

3か月半ぶりの彼は私より身長が高くなっていて、声変わりも始まっていた。髪が伸びきってボッサボサになってたことよりも、日焼けして黒くなっていたことよりも、活動量が増えて痩せていたことよりも、私たちは驚いた。たった3か月半会わなかっただけなのに、こんなに成長してるとは!

ついに息子が帰ってきた!この日をどれほど待ちわびていたことか。

コロナの影響で今年もいろいろ行事が縮小され、今まで直接会って話す

もっとみる
⑧学園保護者会

⑧学園保護者会

子どもたちの週末の活動の様子はブログで見ることができるし、学校からのお便りなんかも毎月郵送されてくるけれど、一緒に生活しているわけではないので当然のことながら普段の様子はなかなか知ることができない。便りのないのは良い便り、とは言うもののハガキもこの1か月ほどは来ていなくて(今までのハガキも大した内容はなかったけど)何だかソワソワしてしまう。そんなタイミングに学園保護者会は開かれた。私達は名古屋の会

もっとみる
⑦約2か月ぶりの親子の会話と農家さんとのオンライン交流会

⑦約2か月ぶりの親子の会話と農家さんとのオンライン交流会

滞っていたホームページの更新も少しずつ再開されるようになり、子どもたちの様子もわかるようになってきた。我が家に届いたハガキも3枚目になり、相変わらず汚い字だが、ようやく余裕が出てきたようだ。自分の近況とこちらの様子を尋ねる文面が出てきた。週末はだいたい農業に忙しいようだが(機械を使わず人力で代掻きをしたり、耕したりしている)それを楽しんでいるようだ。それ以外にも自分で使う箸や茶碗を作ったり、山菜や

もっとみる
⑥農家さんとの対面と4月のお便り

⑥農家さんとの対面と4月のお便り

農家さんとの対面会は今年度もリモートで。発表の瞬間まで親たちはもちろん、子どもたちも農家さんたちも、お互いどんな組み合わせになるのか知らない。みんなの緊張が画面越しに伝わってくる。

久しぶりに見る我が子は毎日長距離を歩くためか、少し締まって見えた。「花粉症の薬を送ってくれ」だの「キャッチボールで眼鏡が壊れたので送ってくれ」だの届いたはがきには汚い字でそんなことしか書かれていなかったので、元気そう

もっとみる
⑤図書館で見つけた本

⑤図書館で見つけた本

「山村留学 生まれ変わる子ども・親・村」偶然にも図書館で山村留学に関する本を見つけた。家に帰って読んでみると「育てる会」創設者の本だった。元教師だった筆者が山村と都会の学校で教えた経験から自然体験活動の重要性に気づき、山村留学を始めたこと。育てる会のことや山村留学のこれまでの変遷。様々な葛藤があり、反対意見や危機もあったが、30年以上にわたる調査や経験から見えてきたことがわかりやすく綴られていた。

もっとみる
④山村留学をする理由

④山村留学をする理由

本人が山村留学する理由と、親が山村留学させる理由は当然ながら少し違う。説明会のときに、センター長から「なぜ山村留学しようと思ったのですか」と聞かれた。あ、もう選考が始まっているのかな。と私は一瞬思った。

ホームページを熟読し、やる気満々モードになっていた息子は「自分を高めたいからです」と答えた。

自分を高める??何だかかっこいいこと言うじゃないか。笑

もう少し詰めると、地元ではできないこと、

もっとみる