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⑧学園保護者会

子どもたちの週末の活動の様子はブログで見ることができるし、学校からのお便りなんかも毎月郵送されてくるけれど、一緒に生活しているわけではないので当然のことながら普段の様子はなかなか知ることができない。便りのないのは良い便り、とは言うもののハガキもこの1か月ほどは来ていなくて(今までのハガキも大した内容はなかったけど)何だかソワソワしてしまう。そんなタイミングに学園保護者会は開かれた。私達は名古屋の会場でセンターの人から普段の様子、学校での様子、夏休みについてなど、様々な話を聞いた。

まず驚いたのは、彼が意外といろいろな面で葛藤し、藻掻いていたこと。シャイな部分があるので以前から女子には自分からは話しかけられないけれど、地元では男子となら割と誰とでも仲良くできていると親目線では思っていたし、実際、3月の終業式前には盛大な送別パーティーを開いてもらっていた。それに特に仲が良かった友達とは今でもハガキで文通しているらしい(親には送らないのに)。人を引っ張るリーダー的なタイプではないものの、人に教えたり世話を焼いたりが好きで、今までは仕事を与えられると喜んで取り組んでいたし、仕事を与えられなくても自分からいろいろと首を突っ込んでいた。深く考える前にとにかく思ったことをそのまま行動に移し、自分で「正しい」と判断したらそれを曲げない頑固な所もあった。

それが、話を聞いていると私達親が知っている彼とは幾分か異なっていた。新しい環境に身を置いたことで、彼なりに自分の立ち位置や行動を俯瞰して考えるようになったのかもしれない。もともとべらべら学校のことを話すタイプではなかったけれど(ママ友から学校のことを初めて聞いて驚くというパターンも今までにしばしば…)ますます(大人には)寡黙になっているようだ。4月から5月にかけて鼻炎と咳の症状がひどくなり、みんなで花粉症が悪化したのかと心配していたが、今考えるとそれだけが原因ではなかったのではないか。今まで転校や転居を経験したことがなかったのが、急に新しい生活が始まり、その環境に適応しようと無意識に頑張った結果のストレスが体のもともと弱いところに影響を与えたとも今なら考えられる。村の広報的な印刷物に新しく入った山留生の顔写真と作文が載っていた。「体が弱いので、体を丈夫にしたい」などと書かれており、親が思っている以上に自分の弱さを自覚し、克服したいと思っていることが分かった。何となく心許なく、歯痒い思いもあるが、これは自分で乗り越えるしかないんだな、と心の中で彼にエール。そして彼自身の成長を信じよう、と帰りの車内で私達は話し合った。

あと3週間ほどで夏休み。もうすぐ成長したであろう彼に会える。

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