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読書録

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柳流水の読書録です。
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#井筒俊彦

【読書録】それでは実際のスーフィーの言葉をお聞きください

 先日から話題にしている、井筒俊彦の『イスラーム哲学の原像』、これに影響され、現代のではあるが、スーフィーと呼ばれる、密教的修行を行っている教団の導師の、インタビューを乗せた本をネットで取り寄せて読んでいる。
 シャイフ・ハーレド・ベントゥネスの、『スーフィズム イスラムの心』である。

 こうして、今まで解説でしか触れなかった宗教の、導師の言葉を実際に目にすると、遠く近く、今まで抱いていたイメー

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【読書録】井筒俊彦『イスラーム哲学の原像』2

 これから、いくつかこの本から得たことを、引用しながら紹介したいと思う。
 余談だが、珍しく、この本は電子書籍の形で読んだ。スマートフォンに表示させたり、パソコンに表示させたりした。器用な読み方をしたものだ。しかし、興味をもって、腑分けするように、足を踏みしめながら読むように読み進めれば、読む媒体というのは関係ないのだ、という洞察を得た。
 もちろん好みとしての読み方というのもあるが、たとえば電子

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【読書録】井筒俊彦全集(2)

 2とナンバリングしながら、実際に読んでいるのはいまだに井筒俊彦全集の一巻の最初の方である。書き方が難しい。
 しかも、今回は一発ネタではないけど、ほんとにふと思ったことで、大したことがない。でも今日は、それしか思わなかったから、それを書くことにする。
 全集中の、「ザマフシャリーの倫理観(一)」の最後の方で、こんな部分がある。

 今、久しぶりにこの引用機能を使って、今まで手作業で入力していた、

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【読書録】井筒俊彦全集

 井筒俊彦の『イスラーム哲学の原像』という本を読んでいるという話はした気がする。それは新書だった。いわば、東洋の哲学、宗教をすべて網羅しているかに見える井筒俊彦の、一番入門に近い本である。
 前には、そのどの辺に当たるのかわからないが、大乗起信論という本について書いたものや、『イスラーム文化』などを読んだことはある。しかしそれらも、それほどコアなものではなかった気もする。
 予想するに、特にコアな

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【読書録】井筒俊彦『イスラーム哲学の原像』

 宣言通り、読書録を久しぶりに更新しようと思う。
 だが、読書録って、こういう系の記事を書いたことのある人はわかるだろうが、その場で読んでその場で書くという感じより、だいたいひと月前までの以前の蓄積から、引っ張り出して再生するという感じの方が近い、その場でいっぺんに読むというのは、自分が相手にしているような本だと難しい。今急に書こうと思っても、その以前の蓄積というのがなければ、急には立ち上げられな

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