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「日本赤ちゃん学会第24回学術大会 レポート第2弾」子どもの「音環境」のことを知っておくべし。育ちの中で大事な案件。

2024年8月24日(土)、25日(日)の日程で東京大学において「日本赤ちゃん学会第24回学術大会」が行われました。
前回のレポートでは、その2日間の概要をザクっとご紹介いたしました。第二弾、第三弾のレポートでは参加した「ワークショップ」「特別セッション」「シンポジウム」をまとめご紹介したいと思います。
資料が手元に残らなかった分もありますので、理解が行き届かないままご紹介したり、場合によっては逆の解釈をしてしまいご紹介してしまうかもしれませんが、お気づきの点があればご指摘ください。


時系列でレポートを書いていきますが、ボクとしては2日目の特別セッション「Bridging The Data Gap Between Children and AI」が刺激的で一番面白かったと思います。(レポート第三弾)
一日目では良かったのは「子どもの音環境」ですね。

会場はメインを「伊藤国際学術研究センター」で行い、サブを「情報学環・福武ホール」を使って開催されました。東京大学の伝統的な校舎の中を覗くことはできませんでしたが逆に最新の施設が整った東京大学の今の姿を知ることができました。

一日目はラウンドテーブル1の

「赤ちゃんが提案する音楽表現カリキュラムーモノと関わり人と関わって育つ『表現者としての私=I』

にまず参加しました。
「赤ちゃんと音楽」は赤ちゃん学会が当初の頃から携わってきた課題と認識しています。保育士なら誰もが関心があるテーマで赤ちゃん学会企画の特別講座も昔からあり、受講希望者が絶えません。そのため以前からこの手の内容については良く関心を持って様々な講義や研究発表を聞いているため、残念ながら今回のこのテーマで全く新しい概念や情報を得られたという印象はなかったです。
このテーマこそ小西先生の“基礎研究と現場を結ぶ”橋になって頂きたいと思いました。

「子どもの知覚する音環境」


一日目の二つ目に参加したのは「子どもの知覚する音環境」というワークショップです。ワークショップの事前登録をしてなかったので、ワークショップ自体には参加していません。
嶋田容子先生もこのテーマで長く活動されており、本園にも来て音環境を見ていただいたことがあります。

嶋田先生の音環境研究は、保育の現場に寄り添った実践的なアプローチが特徴的です。特に、保育園運営者の経済的負担を考慮し、低コストで音環境を改善する方法を提案している点が注目されます。
研究の中心には、音環境の改善が乳幼児の発達にもたらす好影響があります。
ただ単にいいよね~。
で終わるのではなく、科学的な根拠に基づいて論理的に説明しています。具体的には、厳密な実験検証を通じて得られた客観的なデータを用いて、音環境改善の効果を明確に示しています。改善前後の比較データを提示することで、その効果が一目瞭然となり、説得力のある結果となっています。
嶋田先生の研究は科学的な厳密さと実践的な有用性を兼ね備えており、感覚的な判断ではなく、確かな証拠に基づいた保育環境の質的向上に大きく貢献していると考えています。

学会提供スナップ写真

保育施設の音環境が聴覚の発達だけでなく、子どもの発達、学習能力に及ぼす影響を明らかにすることで、保育の質的向上に寄与する重要な知見を示しています。保育室の音の反響音が激しかったり、そもそも部屋が騒がしかったりすると、子どもの発達や学習能力の差にまで影響を与えてしまう、だから少しでも改善できるところはした方が子ども達のためになるので、改善しましょう、というもの。

ロンバート効果とは…
紹介いただいた中に[ロンバート効果]というものがあり、

周囲の音が増加すると、人は無意識のうちに自分の発声の音量や高さを上げて、聞き手に自分の声を聞きやすくしようとするという現象のことです。

Geminiに要約を依頼

部屋で子ども達が互いの声が聞こえないような状態になるのは、自分の声を相手の声より張り上げ、相手もさらに張り上げ、それがエスカレーションし、教室全体が制御できなくなるほど賑やかになってしまうような状態で、これでは子ども達の集中力や学習能力が育たないでしょう。
まずはそれを音環境を簡易な方法で改善することで対応する事で、音環境の改善ができて効果が上がることを示してくれました。

具体例の一つ。ネットより転載。

建築のグッドデザイン賞などという見た目だけでいいものだけじゃなく、

子どもが住んでみていいデザインであるかどうかを保護者は見極める情報が必要だという事。


反響音がして子供が集中できない
音の吸収される工夫がされていない
隣の部屋からの騒音を遮る工夫がされていない
など建築面でまずは子どもの音に対するケアがされているのかどうか。
ボクも保育に携わる者として情報発信の大切さを身にしみて感じました。

「子どもの知覚する音環境」はワークショップだったため、この後チームに分かれディスカッションが行われたようですが、事前登録していなかったボクは参加していません。
是非、小西先生の“基礎研究と現場を結ぶ”橋という遺志が伝わり少しでも現場に役立つものであってほしいと心から思いました。


学会提供スナップ写真

レポート第三弾は、主にAIと乳幼児の関わりについて書いていこうと思います。AIに関心がない方でも今後の世界では、子ども達が育つ未来では、否が応でも関わざるを得ません。
であれば、

本日のまとめ

今のうちにしっかりと保護者の方が子ども達の未来のために知識武装をしておくべきだとボクは思いました。

東京大学の学食。「なんとか冷麺」


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