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道草小噺①ハコベ

そろそろ野原が美味しいものに溢れ返る季節がやってきますよ。

そう、野草。

年中野草はあるのだけど、やっぱり私にとっては春の3月中旬〜4月いっぱいくらいがピーク。

野草ハンター歴ついに10年目に突入し、これまでに摘んで食べてきた野草は30種類を超えました。

春の野草たちは、端境期の強い味方。ショップマドレ時代から素材のひとつとして幾度となく登場し、年々レシピが増えてきました。

春の端境期の強い味方のひとつがハコベ。

実はハコベを食べるようになったのは野草ハンター4年目になってから。

それまで全然関心を寄せていなかったのだ。たぶん生えてるのをチラッと味見して美味しいと思わなかったんだと思う。
でも、ショップマドレのA子のハコベに対する関心が妙に高く(鳥好きA子にとっては、ハコベは鳥の餌でよくあげてたらしい)、それにつられる形でハコベに手を出したのが2013年。

しかも、後で気づいたけれど、私がハコベと”出会った”のは、2009年のオーストラリアのタスマニアで電気ガス水道なしの暮らしをしていた頃だった。
畑に生えていたChickweed、これがサラダとして食べられる、ということで、あれ?そういえばこの時にサラダとして食べていた。
でもこの時はまだChickweed=ハコベとは認識していなくて、”Chickweedという名の食べられる雑草”、として認識していた。


オーストラリア、NSWのRock ValleyでHelex滞在していたおうちの畑に生えていたハコベ。異国の地で野草を発見するとなぜかとても嬉しい気持ちになるのだ。あ、同じだなと。


このハコベ、摘むのも楽しいし、下処理も楽だし、アクもないし、味も美味しいし、使いやすくてすっかりハマってしまった。

これまでハコベで作ったレシピは様々。
定番はおひたし。

ハコベのおひたし。自家栽培の金胡麻とともに。


他にも、キッシュにしたりカレーにしたり、ハコベは例えるならば”アクのないほうれん草”。とにかくものすごく使い易いやつなのだ。
ほうれん草でおいしい料理はほぼほぼハコベでいける、と思ったらよい。

ハコベにも種類があるみたいで、紫色の茎のものもある。
好みは緑の茎の方。
これはいつかの小林ファームさんの畑。
ハコベが生えているところはよく肥えている畑と言われている、確か。


2006年にヴィーガンになって、そこから料理にハマったので私は卵焼きが焼けないし、目玉焼きも怪しいし、ゆで卵もググったり調べないとなん分くらいでいいくらいに半熟ゆで卵ができるかも分からない。
でも、無性にオムレツが食べたくなることがあって、プランターに生えているハコベとノビルとセージでオムレツを作ってみた。

オムレツとしては68点くらいの出来だけど、やっぱりノビルとセージとハコと卵の組み合わせは最高(トマトソースももちろん自家製)。

この組み合わせは本気でおすすめです。

他にも、味噌汁の具にしたり、キッシュにしたり、カレーにしたり、とにかく使えるハコベ。ぜひ道草食ってみてください。
ちなみに、ハコベは乳腺炎や歯槽膿漏に使えるやつらしい。
(ハコベの塩歯磨きの作り方を発見してしまった(この記事)。作らなあかんやつまた増えたよ・・・(歯磨きにはナスの黒焼きもむっちゃおすすめです))


そんなわけでレシピと呼ぶには申し訳ないけれど、一番作るハコベのおひたしのレシピです。


<ハコベのおひたし>

材料
ハコベ
醤油(美味しいやつ)
金胡麻

作り方
①ハコベを摘みに行く。
犬の散歩コースでなさそうなところで、除草剤などがまかれていなさそうなところを探す。(除草剤撒かれていたらたぶんハコベは生えないと思うけどね。余談だけど、ツクシやスギナは強いので除草剤撒かれてもガンガン生えてくるので注意が必要なのだ。)
摘み方のコツは綺麗な部分を選って摘むこと。
上の方はぷりぷり美味しそうだけど、下に行くに従って茶色い葉っぱ(枯れている)が増えて行く。下の方までまとめて摘むと楽だけど後の処理がかなり面倒になるので、上の綺麗な部分だけプチプチ摘んでいく。

②ボウルに水を溜めて、その中でハコベを振り洗いする。
サッとで良い。

③鍋に湯を沸かし、塩をひとつまみ入れる。

④ハコベを入れて、再び沸騰するくらいまで茹でて、ボウルにあける。何秒くらいだろう?20秒〜30秒くらい?ハコベは生でも食べられるので茹でたりなくても問題ないし、意外としっかり食感が残ってくれるので多少茹で過ぎても問題ない。
(ざっくりしすぎの説明ですね)

⑤茹でたハコベを1cmくらいに刻んでボウルに戻す。

⑥金胡麻を煎る。そして擂り鉢で擂る。
もちろん市販のすりごまでもいいけれど、胡麻は圧倒的に生胡麻を煎って摺る方が美味しいのでおすすめ(この美味しさのためだけに金胡麻だけは2011年から毎年育てている)。
種が欲しい人は言ってくれたら多少分けることできるのでぜひ。(5月初旬くらいが蒔き時。畑にはかなわないけれど、一応プランターでも育つ。)

⑦ ⑤のハコベに醤油をたらして混ぜ、上からたっぷり金胡麻をかける。
お好みで胡麻油も少し混ぜても美味しい。


話が激しくそれるけど、胡麻を自分で煎って擂る、
この擂った瞬間の香りを楽しむためだけに金胡麻を育てる
というのもいいんじゃないかと思っている。
それくらい至福の香りが広がるのだ。
もう、毎回、毎回、ばかじゃないのかな、ていうくらいに
”うぉぉ”てなるのだ、この香りに。
なので、種欲しい人いたらぜひ。


最後はまさかの金胡麻話となりましたが、はこべ、本当においしくて使えるのでぜひ。


<おまけ>

ちょっと雑なチョイスだけど、野草は土さえあれば都会でも生えていると思うけどやっぱり田舎の方が圧倒的に出会う率高いよね。
ということで、Kitty Daisy & LewisのGoing Up The Country.
カバー曲なんだけど、Kitty Daisy & Lewis(イギリス出身の3兄弟)は当時まだ全員10代だったはず。去年知って、ちょうど来日ライブがあったので行ったけど、Kittyのハープ本当にかっこいいし、Daisyのドラムも最高だし、全員がいろんな楽器を弾けるしボーカルもできるのでこの人たちほんとすごいな、となった。
しかも、両親と共にステージに立っていて、両親がこれまたかっこよくて(お母さんが有名なThe Raincoatsというバンドのメンバーだったとか)。
こういう音が少ない音楽大好き。
ハコベ関係ないね。

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