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ぷらぷらり日記 2023.7.3 石川県小松市

先週は、健康診断がありました。

ここ数ヶ月くらいはプリン体ゼロの角ハイボールばかり呑んでいるので、去年まで引っ掛かっていた肝臓のγ-GTP値とやらもマシになっているだろう……そうであってほしい……いやそうであれ、と祈りを込めつつ、健康管理センターの白衣の人たちに、言われるがまま、なすがまま。

身長やら体重やら血圧やらを測られ、なんか動くベッドに乗せられたり、注射を打たれたりと、我がデリケートなボディにあんなことやこんなことをされました。ハアハア。

終わった頃にはもうフラフラのヘトヘト。這々の体でいったん帰宅して、ボーッと横たわっていたところ、いきなり思いついた。

よし、旅に出よう。

実のところ、健康診断から向こう4日は、有給消化のためのお休みをいただいていたのです。

何をして過ごすか特に考えていなかったのですが、せっかく連続した休日があるのだから、活用しなければもったいない。

ていうか去年もこの時期に有給消化のお休みがあったはずだ。その時は松山の道後温泉に行ったな。

今回は、どこに行こうか。

人があんまりいなさそうで、それなりに発展しているところがいい。

2020年から騒がれていた例のアレがだいぶ落ち着いてきて、街に賑わいが戻ってきた。

例のアレの蔓延が世の中にもたらした唯一の良いことは、駅のホームで吐瀉物を見かけなくなったことなのですが、それを見ることが最近また増えてきた。

人間は愚かだ。そんな愚かな人間が少ない場所に行きたい。  

そして、わたしもまた愚かな人間であり、ベッドタウン育ちの軟弱者なので、ガチな山奥とかはイヤだ。ひとりで行くのこわい。遭難こわい。

あと、人見知りだから、田舎の貸し別荘にお世話になるのとかもこわい。というか、たぶんだけど、そういうところはおばちゃんにめっちゃ話しかけられたりとかしそう。

それはそれで味があるのだろうけど、今の自分はそういうモードじゃないのです。チェーン店のホテルか、快適性は劣るがネットカフェ泊まりがいい。

で、なんとなく思いついたのが北陸地方。石川県と福井県。

金沢でも良かったのですが、観光地として有名な金沢は人が多そう。その手前の小松駅に行ってみよう。

小松に何があるのかはほとんど知らない。でもまあ、それなりに大きな市のようだし、ホテルもネカフェもあるみたいだから、なんとかなるでしょうよ。

特急サンダーバードに乗り、健康診断の終わりにもらった水を飲みながら3時間。

昼間の特急なんて、景色を楽しみながら角ハイボールを一発キメたいところだが、さっき飲んだバリウムが体内から放出されるまでは、アルコールを含んではいかんのである。

しかし、アルコールがなくとも、滋賀県の湖西こせい線ぞいの景色はなかなかに乙なものだ。むかし営業で毎日のようにウロウロしていた地域なので、特に堅田かたたから和邇わににかけては、車窓ごしでもなんとなく地理がわかる。

和邇はなぜか学生のひとり暮らしがやたらと多かった。堅田みたいに拓けていないし、大津市内の各大学からもそこそこ遠いのに、なんでだろう。

しかし、琵琶湖が本当に目の前にあるので、夜中にふと思いついて湖を見に行く、なんてオシャレなことができるのは魅力的。

自分もよく、営業の合間に思いついて湖を見に行っていた。つまりサボっていた。

奥の看板にいるのは、小松市のゆるキャラ「カブッキー」。小松市は古くから歌舞伎が盛んな街なのだそうだ。

そんなことをぼんやりと思いながら、うっすら寝たりうっすら起きたりしているうちに、JR小松駅に到着。

2024年の北陸新幹線開業に向けて、駅舎の一部を工事中。現時点では東京駅から金沢駅までが結ばれている北陸新幹線ですが、それが大阪駅まで延伸されるとのこと。

その関係で、同じ移動経路を辿っている特急サンダーバードは消えるのでは?という噂もあるらしい(3日めに福井で聞いた)。

フロントの看板は定期的に入れ替わるらしく、今は時期に合わせて「七夕」となっている模様。

小松駅から歩いてしばらくの場所には、土居原どいはらボンネット広場という公園があります。

正式名称は土居原1号公園ですが、かつてボンネットの愛称で親しまれたクハ489-501特急電車が展示されているので、通称は土居原ボンネット広場なのだそうです。

ボンネットが長い。昔のアメリカの車みたいに長い。視認性はどのくらいのものなのだろうか。ちなみに、土日の日中は車体の内部に無料で入れるそうですが、運転席のみ有料(300円)。

銭湯そのものがいつからあるかはわからんが、この形態になったのは2001年らしい。

そこから大きな通りの方へと出ると、かつて存在した小松城の城下町の風情を残した街並みが現れる。その城下町の入り口に鎮座するのがここ、さくら湯。

ビル型の銭湯で、駐車場が広い。余裕で15台くらい泊められそう。1階にはガチャガチャがたくさんある。銭湯があるのは2階。3階もあるが、ここは誰かが住んでいる家らしい。

広い駐車場とビルからは、関西によくある湯あそびひろば系列店みたいなプチスーパー銭湯っぽいのを想像してしまうが、中はかなりシンプルで、内湯の浴槽がふたつと、半露天のジャグジー風呂のみ。水風呂およびサウナはなし。

ロビーはクリニックの待合室のような雰囲気。漫画もけっこう置いてある。小さいお子さま連れでも楽しめます。というか、全体的にファミリー向けに作られているみたい。広々としていい感じだけど、下足箱に鍵がないのはちょっと嫌だな……。

後から気づいたのですが、どうやらここは温泉らしい。銭湯としてはかなり小ぶりで、正直ちょっと物足りなさもあったのですが、温泉か。温泉ならまあ仕方がない。いやいや、むしろ、テキトーに入った街の銭湯が温泉というのは幸先がいい。

さらに、バリウムについては小松駅のトイレにてしっかり放出したので、もう気に病むことは何もない。俺は自由だ。

最近はやりのクラフト系。

というわけで、北陸BEERアンバーエールをいただく。駅中限定らしい。角ハイボールと違って、ビールなのでプリン体もしっかり入っているわけだが、まあいいでしょう。

わくわく手作りファーム川北なる農業法人の醸造による作品。なんだかさっぱりしている。あんまりガツンと来る感じではなく、喉にふわーっと入ってくる。

20代の頃なら物足りなかっただろうが、今はこれくらいの味わいがいいかな。いや、14歳なんですけど。酒が呑める14歳なんですけども。

全国にあるらしい。

おまけ1。ジブラルタ生命。ジブラルタル生命ではない。たぶんこれを命名した人は、滑舌が悪くてジブラルタル海峡がうまく発音できかったのだろう。自分もうまく発音できない。ジブラルタですらあやしい。

当時としては画期的な遊技場だったのだろう。たぶん。

おまけ2。百万石リゾートレーン。めちゃくちゃ昭和を感じさせてくれる建造物だが、1973年に営業を開始したボウリング場らしい。

もしかしてその時から看板が変わっていない……?仮にそうだとすると、半世紀ずっと生き続けている建造物ということになる。できる限りこの外観を保ち続けてほしい。将来の重要文化財。空き地に沿った踏切の向こうにあるのもなんかエモい。

夕陽を静かに受けるコマツのパワーショベル。

おまけ3。今回はじめて知ったことですが、建機メーカー日本シェアNo.1のコマツは石川県に本部があり、小松市はその企業城下町であるそうだ。

小松駅の裏にはたくさんのブルドーザーやパワーショベルがいて、はたらくくるま好きのお子さまにとっては天国。反対側には先述のクハ489-501もあり、さらに今後は新幹線も来るので、小松の子供たちの多くは乗り物好きになるだろう。

そして、乗り物好きがある程度おおきくなって行けば、必ずや感銘を受ける博物館が小松にはある。次回はそこにいく。

今晩は酒を呑んで寝る。そもそも健康診断のために6時半に起きているので、いいかげん眠いのよ。あ、満月……(さくら湯の写真を参照のこと)。

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