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脳画像でみる機能局在とその役割

こんにちは。ゆづまるらんどです。

脳画像でみる機能局在とその役割

本日は "脳画像でみる機能局在とその役割" について紹介していきます。

運動麻痺に関連する領域

脳画像を見る上で、運動麻痺が出現するのか否か、またその程度、予後はどうかを把握するための画像を確認する人が多いのではないでしょうか。上の画像ではよく見かけるスライスでの皮質脊髄路および網様体脊髄路の通り道を示しています。仮に皮質脊髄路および網様体脊髄路の損傷がないにも関わらず、運動麻痺の出現を認める場合には脳ヘルニアにより一時的に症状が出現している可能性もあります。これらどのような背景で運動麻痺が出現しているのかを把握することは治療プログラムを立案する上で非常です。
大脳皮質は前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分かれており、それぞれで役割は異なります。大まかに分けると前頭葉は運動や注意頭頂葉は感覚側頭葉は感覚性失語などの聴理解後頭葉では視野欠損など視覚に関連します。脳画像を見て大体どの範囲がどこかを把握しておくことで、脳画像の読影も少し容易になると思います。

モンロー孔レベル

モンロー孔レベルのスライスは脳卒中の好発部位であり、その画像を読み解くことは重要です。
オレンジ色で示す部分は補足運動野で、モンロー孔レベルの前方に位置し、運動の計画や二重課題、ワーキングメモリー、アパシーなど多様な機能を有する領域です。青色で示す部分がBroca(ブローカ)野です。外側溝の前方(下前頭回)に位置し、喋りたいことが喋れなくなってしまう運動性失語の責任病巣です。赤色で示す部分はWernicke野(ウェルニッケ)です。外側溝の後方に位置し、何を言われているのかわからなくなってしまい、会話が成立しないなど、感覚性失語の責任病巣となります。
緑色で示す部分は被殻は外側溝の内側に位置しています。筋骨格運動ループの一端を担っており、被殻が傷害されると筋緊張の調節に異常が生じます。またここは皮質脊髄路の通り道ではないですが、皮質脊髄路の近傍であるため、被殻の損傷によりほとんどの場合で運動麻痺が出現してしまいます。
真ん中の緑色の部分は脳梁で、側脳室前部に位置し、左右半球を繋ぐ役割があり、脳梁が損傷されることで脳梁失行が出現する可能性があります。尾状核は側脳室に包まれるような形で存在し、自発運動のコントロールだけではなく、脳の学習と記憶に関連するとされています。余談ですが、ヒトが恋に落ちるときにも活動性が高まるとも言われています。最後に紫色で示すのは視覚野で、後方内側に位置します。視覚情報が集まるためここが障害されると視野欠損などの症状が出現するため責任病巣の異なる半側空間無視との区別には注意してください。また視覚野の前方部は周辺視野、後方部は中心視野と関連しています。

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2023.03.08

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