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実体験と科学根拠から生まれたメンタルが折れない技術1(専門家解説)

こんにちは、折れないメンタルを育てる心の専門家 ゆうと です。
あなたは、働く中でこんな経験をしたことがありませんか?
・「毎日残業続きで疲れが取れない。心が病まないかちょっと心配…」
・「エナジードリンクを飲んでも、頭がぼーっとして集中力が…」
・「仕事から帰っても、仕事のことが頭を離れない…ちょっと辛い」

『入社したら想定していないほどブラックな職場だった』
『希望していない大変な部署に異動してしまった』

思いもよらず長時間労働をせざる負えない環境にいる方、
あるいは経営者や管理職の方など、
やむを得ず長時間働くことが必要な方も少なくないと思います。

『そんなに仕事がキツイなら休むか転職した方がいい』
『上司に相談して業務を調整してもらったら?』
とありきたりなアドバイスをするのは簡単ですが、諸事情からそういうわけにもいかない方も少なくないことが現実です。(私もその1人でした)

そこで、私と同じように厳しい環境や長時間労働で働く方のために、
メンタル不調になる前に生き残るための
『必須のメンタル改善術』のエッセンスをステップ・バイ・ステップでお届けしたいと思います。

一人でも多くの方に、科学的なエビデンスに結びついたメンタルを強くする方法を知っていただき、折れない心を育んでもらうことが私の願いです。
この記事を読めば(あとほんの少し行動を変えれば)、あなたがメンタル不調に陥るリスクがグッと低くなり、仕事のパフォーマンスが向上する第一歩が踏み出せます。

折れない心を育てるトレーニングができた経緯

私はこれまで日米の大学院で臨床心理学を学び、メンタル不調の治療や予防法に関する研究を行い、10年以上にわたり医療機関や官公庁などで、メンタル不調の治療や予防のための心理学に基づいた「考え方」「行動習慣」「注意力」を変えるトレーニング(認知行動療法・マインドフルネス)を数千人に提供して参りました。

そんな中、私の頭の隅には、いつもモヤモヤした思いがありました。
『自分でメンタルの苦しみを乗り越えた経験がなければ、治療やトレーニングにも説得力がないんじゃないか?』
『医療機関や専門家を訪れる人は一握り。誰もが心を病む前に、もっと早く日常生活でメンタルを強化する予防法があるといいけど、実態がわからない』

そこで、専門家としての成長に行き詰まりを感じた私は、思い切って自分の心とカラダで、ある実験をしてみることにしました。
それは、メンタル不調者が頻発するブラックな職場に身をおき、必死にもがきながら心理学のリテラシーとスキルが本当に役立つのか試すこと

「もし苦難を克服し、心理学が本当に役立つことを身をもって体感できれば、自分のレジリエンス(回復力)が向上するだけでなく、クライエントの気持ちがもっと理解できるようになり説得力が生まれるはず」
と考え、ほぼ毎年メンタル不調者が出る職場に思い切って異動しました。

とはいえ、メンタル不調者が続出する過酷な職場は、甘いものではありませんでした。
常時長時間労働が続き、上司からも理解不能な理由で叱責を受けることが繰り返され、3か月くらい経つと自分もメンタルダウンしてしまい休日ベッドから起き上がれなくなりました。
「このままでは、心が折れてしまう。学んできた心理学のスキルを全力で活用しよう」
そう思いたち、必死で心理学・脳科学の知識とスキルをフル活用し、試行錯誤しながら実践を重ねました。
月100時間超の『過労死ライン』を超える長時間労働、想像を超えてくるモンスター上司によるパワーハラスメントなど、痺れるような経験を山ほど経験させて頂きました。

でも、気づいたら、そんなストレス満載の(いわゆるブラックな)職場で無事に5年以上過ごしていました。
心理学や脳科学のリテラシーと技術を必死でフル活用し、なんとかメンタル不調になる前にストレスを克服し、乗り越えることができました。

「心理学で救われる」ということを、実証研究に基づくエビデンスだけでなく、自分自身の人生で体験し、実践的なノウハウを蓄積したことで、よりクライエントの立場に寄り添い、確固とした自信をもってメンタル改善のトレーニングや心理療法が提供できるようになったと実感しています。

この経験を上司に話したところ「ぜひ組織でも広めてほしい」と依頼を受け、Googleなど先進的な企業が行っているマインドフルネスや認知行動療法をもとにエビデンスに基づくメンタル改善プログラムを開発し、自分の実体験を踏まえ、日常生活で誰もが使いやすいカタチに整えて3年以上にわたり実施してきました。
すると嬉しいことに、ほぼ毎年出ていたメンタル不調による休職者も全く出なくなりました。
しかも、「仕事に集中できるようになった」「夜ぐっすり眠れるようになった」など、パフォーマンスと健康の改善についても嬉しい声も頂けました。

私自身の心理学の専門性と、ブラックな職場で試行錯誤した経験が、心の病からの回復だけでなく、メンタル不調予防や仕事のパフォーマンス向上に生かされたことは言葉にならないほど嬉しいことでした。
自分への人体実験から始まり、ストレスフルな職場や心理カウンセリングで3年以上にわたり実施してきた折れないメンタルを育てるトレーニングは、実施のたびに改善を重ね、非常に洗練されました。
そろそろ、そのエッセンスを公開し、オープンソース化してよい時期では?と思い始めたところでした。

そんな中、とてもショックなことがありました。
他の部署の先輩が、同時に3人メンタル不調で休職してしまいました。
どの方も非常にお世話になった方だったので、自分にできることは何かなかったのかと悩みました。

私は「どんなに良いものでも、誰にも知られなければ意味がない」と思います。
そこで、今すぐにメンタルの不調で悩んでいる人に届けるために、
noteでそのノウハウを無償で公開することに決めました。

強いメンタル=土台が安定した、しなやかな心

最初に、一番大切なことをお伝えします。
✖「強いメンタル=鉄のように、頑丈な心」ではありません。
〇「強いメンタル=土台が安定した、しなやかな心」です。

まるで、壊れやすいメンタルは『大木』真に強いメンタルは『ヤシの木』みたいなものです。
大木は、一見強そうですが、案外もろいものです。
普段は風が吹いてもビクともしませんが、台風の時には気づいたら折れてしまうかもしれません。
「辛くても絶対負けない。私は弱くない」とストレスを無視して手を打たず、ひたすら根性で我慢し、無理を重ねます。
でも気づいたころには、心が『ポキッ』と折れて朝起き上がれなくなったり、お酒が手放せなくなり依存症に片足を踏み入れてしまったりすることもあります。(しかも、そのことに気づかない場合も少なくありません)
そういった方をたくさん見てきました。
体育会系のプロスポーツ選手といった、打たれ強くメンタルが強いと思われる方も、無理を重ねてご家族や上司の方に付き添われ、医療機関を受診することは珍しくありません。
「自分が壊れるまで(仕事を)やってやろうと思ったら、本当に壊れました」
私が忘れられない言葉です。

強いメンタルとは何ぞや?

じゃあ、本当に強いメンタルって何?
それは、『土台の安定』と『しなやかさ』のバランスが取れた、ヤシの木のようなメンタルです。

ヤシの木は、一見弱そうに見えますが、強風が吹く海沿いに植えられるほど強い木です。
土の中では根っこが横に広く張り巡らされていて土台がガッシリとしているので、台風でビュンビュン強風が吹いても、めったに倒れることはありません。
さらに、葉っぱや枝はしなやかで、風を受け流すようにできています。

木には地下に隠れた根っこと、地上に出ている枝葉があるように、強いメンタルには2つの面があるということです。一つの面は、目立ちませんが大切な木の根っこにあたる『安定した土台』です。
『生活習慣・環境・過去』の3要素によって、メンタルの土台は安定します。
1)1日の生活習慣次第で、どのくらいストレスに耐えられるかが左右されます。例えば、睡眠の質と量、日中の活動量、運動の質と量、朝夜の生活リズム、食習慣など。
2)木が健康に育つためには土や日当たりが大切ですよね。メンタルにとって『環境』も大切です。どんな場所で、誰と、どんな風に生活するか?どんな環境で働くか?
3)『過去』は、子どものころに生まれ育った体験や家族歴といった遺伝です。メンタルには部分的に影響があります。

「過去は変えられないんじゃない?」と残念に思った方。
落ちこむ必要は全くありません。
メンタルの土台の3要素のうち、生活習慣と環境の2つも改善できるだけでなく、これから解説する『しなやかな対処力』も変えることができます
しかも、今すぐに、あなた次第で変えられるのです

メンタルは、自分次第で変えられる

それでも、過去の影響が気になる方には、私の背景について少しご紹介します。
実は、私が子どものころに母がうつになってしまい、しかも薬がほとんど効かないタイプでした。家族共々、とても悩み苦労しました。
子どもながらに母の病状にいつも気遣いながら生活していたので、私の精神面に少なからず影響があったと思います。
私は母が受けられなかった最先端の心理学のメンタル治療・予防法(マインドフルネス・認知行動療法)を学ぶため、大学・大学院に進学し、メンタルヘルス研究の先進国である米国に留学しました。
勉強する中で少しショックだったのは、過去の体験や遺伝から私自身は決してストレスに強いタイプではなく、メンタル不調のリスクが高いということです。
そのため、私はストレスをむしろ避けて慎重に生きてきました。
そんな私だったので「自分にはキツイ仕事は無理じゃないか?」とけっこう不安になりましたが、最終的には『自分の専門性が現実で本当に役立つか?』という自己成長と興味が勝りました。

人生をかけた実験で分かったこと。
それはメンタルの土台となる生活習慣と環境をしっかりと整え、
心に向き合いストレス対処の技術を磨くこと。
これだけで、メンタルは着実に強くなるということです。
メンタルは、自分次第で変えられます。

実際、ここ50年以上にわたる多数の心理学・脳科学による実証研究によってストレスや症状(不安、抑うつなど)が改善し、集中力などのパフォーマンスが向上するというエビデンスが蓄積されています。
私が専門とするマインドフルネス・認知行動療法では、実際にうつ病や不安症などのメンタル不調が治るだけでなく、ストレス耐性が向上し再発を予防することが実証されています。
私もたくさんの方にこの方法を提供し、心がイキイキと元気になり人生が変わる場面に立ち会いました。

しなやかな対処力とは?

もう一つの面は、ヤシの木の枝葉にあたる『しなやかな対処力』です。
台風が襲ってきても、ふわりふわりとしなやかに木の枝葉がゆれることで、ビュンビュンと吹き荒れる強風の衝撃を受け流し、むしろ風の力を利用して回復力がアップするようなものです。
頭を抱えたくなるほどのストレスや、処理できないほど大量の業務、思いもよらないトラブルがふりかかる時は、誰にでもあります。
そんな時は、できる限り早く心身に現れるサインに気付き、科学的に実証されたメンタル改善術や休息、信頼できる人への相談などの対処を、心が折れる前に積極的に行うことが重要です。
「私は弱くない。こんなことで負けることは無い」とストレスや感情にフタをして、無理にがんばり続ける『我慢がんばり戦略』とは、方向性が180度違う戦略です。

どんなストレスにもノーダメージの最強メンタルが手に入れば『我慢と頑張り』だけで良いのですが、残念ながらそれを実証する科学的なエビデンスはありません。
ある日、我慢とがんばりが限界を突破し、ポキッと心が折れてしまうかもしれません。
しかし、50年以上にわたりメンタルの改善に向け、世界中で数多くの研究や実践が行われてきました。
日本ではあまり知られていませんが、非常に洗練されたメンタルの改善方法が存在しますし、私自身も余すことなく利用して厳しい環境をサバイブしてきました。
科学根拠に基づく『しなやかな対処』を繰り返し練習し、コンディションを観察してメンタルの疲労がたまり過ぎないうちに回復休養の時間を(半強制的に)取ること。
すると、しなやかな木が風を受け流すように、ストレスに柔軟に対処できるようになり、メンタルは強くなります。

まとめ

■ 強いメンタルは、根っこが安定し、枝葉がしなやかな
  『バランスの取れたヤシの木』
■ 『土台の安定』と『しなやかな対処力』の2つのポイントをおさえる
■ メンタルの土台は『生活習慣・環境・過去』の3要素が影響する

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以上、メンタルが折れない心理術のエッセンスとなる考え方を解説しました。
最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。少しでも、厳しい環境で働く皆様、メンタルを強化し防衛したい皆様のお役に立てば幸いです。
ニーズがありましたら、次回から具体的な心理術の実践法など連載していきますので、ご興味がある方は、いいねを頂けると励みになります。
次回は、メンタルの土台作りの最初の一歩、睡眠について解説します。

「ところで誰?なぜ無償で情報発信を始めたの?」といったご質問については、以下の自己紹介でお答えしています。

主に、投資初心者のためのメンタル・マネジメントについて連載し執筆しています。投資で不安や感情コントロールにお悩みの方、投資をギャンブルにせず損を減らすためのメンタル管理術にご興味がある方のお役に立てば幸いです(全て無料)。

※個人情報に配慮し、私個人の体験以外については、複数の事例を組み合わせた架空事例、多数の事例に共通した情報を記載しています。
※睡眠障害及び精神疾患が疑われる場合は、専門の医療機関を受診し、適切な診断及び治療を受けることを推奨します。既に医療機関やカウンセリングを利用中の方は、事前に主治医、担当心理士に相談の上ご利用ください。
※本記事は、病気の診断、治療や心理療法、予防を目的とするものではありません。メンタルヘルス不調の治療及び予防の効果を保証するものではありません。ご自身の責任において本記事をご利用ください。

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