劇場(2020)
夢と愛を追う若い男女が辿り着く
究極の〈愛の形〉とは?
原作はお笑い芸人にして、長編小説デビュー作で芥川賞作家となった異才、又吉直樹渾身の恋愛小説。独身の男性芸人たちで結成された「アローン会」に所属するなど、「恋愛がわからないからこそ、書きたかった」という又吉が突き詰めた、複雑で独特な〈愛の形〉が見事に映像化されました。
互いを求めるように、永田と沙希は同棲を始めますが、穏やかな日々は続きません。理想と現実の間で不安と葛藤を抱える永田にとって、沙希の優しさは諸刃の剣となります。永田は沙希の想いに応えられない苛立ちを沙希にぶつけ、沙希は好きだからこそ、永田の理不尽な甘えを笑って受け止めます。
純粋で未熟な2人のぶつかり合いは子どもじみて、正直、共感が湧きづらいのですが、「恋愛がわからない」と話す又吉だからこそ生まれた、壮大な恋愛劇へと発展します。
〈愛している〉だけではうまくいかない男女の関係を丹念に紡ぎ出すのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督。映画ならではのドラマチックなラストシーンまで、緻密に計算された演出力が冴えます。
永田と沙希との2人芝居のような物語を演じ切った山﨑賢人と松岡茉優の熱演は見応えたっぷりです。『白日』で、一躍注目を浴びた人気ロックバンド「King Gnu」のボーカル・井口理が映画初出演を果たしました。
******************
【山﨑賢人の最新主演作が2024年1月19日より公開】
大人気コミックス『ゴールデンカムイ』が実写で映画化
******************
【ピュアなラブストーリー映画なら、こちら💁♀️もどうぞ】
坂元裕二脚本のほろ苦い愛
ロマンチックな冬の恋
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?