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歌詞集

31
ここでは詩のなかでも歌詞っぽいものをまとめています。
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#創作大賞2023

衝動夢

退屈が苦痛だった、
ギラギラした目で語りまわる
オレはきっと
ただの獣より劣る生き物だ

満たされない衝動が
心を貪っていく
欲求不満で頭はいっぱい
誰も彼もが異形の顔つき

欲しているものも
分からないまま、あぁ、オレは行く
蓮池の奥、モラトリアムの入り口で
あの子が眩しい光を放つ

救い出してくれ
終わりのない螺旋階段から
叫べば叫ぶほど
虚しくて喉が渇く 

ぶつ切りの感情で
空なんか飛べる

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残像思念

自販機一つないホーム
ベンチに座り、うわの空
頼りにならない街灯が
チカチカ、時折り
熱風が通り抜ける

各駅停車のアナウンス
流れる、冷や汗がじわり
真夏の夜が見せた
残像思念

問いかけた答えは
今もまだ返ってこない
相も変わらず僕は
この風景に住み着いたまま

電車から降りてすぐに
階段を駆け降りる
振り払え、憂鬱を
考えられなくなるまで
走れ、光のように

ひたすら帰り道も
わからなくなる

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Milky way

待っていてよ、夜空の星
追いかけていくから
今なら流れ星より
自由に早く飛べる

大昔だったなら、
気球に乗って、果てしなく続く
大気圏を見上げていたんだろう?

奇跡がぶつかり合って
未来で答え合わせして
そうして常識が増えていく

僕らの生きてる時代も
さらに遠い未来なら
宇宙にだってターミナルが
あるのが当たり前だろう?

Milky way行きのチケットを
握りしめて、僕たちは
胸に空いた

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ストークキング

ストークキング

苗字しか知らないの
許せないボクのプライド
秘密のプロファイルを
君で埋め尽くしたい

夕方、小田原行きの電車を待つ
最寄り駅でジムの着替えを
背負っているね、
アメリカ製のリュック

ボクの名はストークキング
誰にも怪しまれずに
ボクの名はストークキング
知らない事を知りたいだけ

ボヤけて曖昧な
レンズを買い替えて
鮮明な視界で
君をメモリの中に閉じ込める

朝方、新宿行きの通勤快速
灰色の枝

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ガラスの心

だれにも言えない
きっと分かり合えない
あの日、おやすみを言った
夜からキミは眠り続けたまま

無言が胸を突き刺す
時に人はナイフより
残酷になる
ボクは本当は知っていた
キミの表情の違いを

見ないふりをしてた
キミの心の扉は
どんな言葉も
傷つけると わかってたから

白い部屋の真ん中で
今、静かな夢を見てる
息を吸うことさえ
躊躇うくらいに
優しい横顔で

机の引き出しに
隠されていた日記帳

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屋根裏の部屋

埃かぶった屋根裏は
僕の大事な秘密基地
息が詰まるといつもこうして
頭隠して泣くんだ

今日も一人でお留守番
扉が閉まる、昼下がり
父と母と姉の三人を
僕は窓の外から覗き込む

いつまで僕は一人きり
朝も昼も夜も
時々、不意に殴る拳が
痛い、痛いよ、ごめんなさい
いい子にするね

買い物から戻る車が
灰色の空を作る
また今日が終わる前に
僕は声を殺して泣くんだ

いつまで僕は一人きり
朝も昼も夜も

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私の好きな人

私の好きな人
とても穏やかでお喋りが好き
ピアノを弾く手が優しいの

私の好きな人
白いシャツを第二まで開けて
気まぐれな歌を気ままに歌う

どうして手の届かないほど
遠くへ逃げてしまったの?
追いかけすぎた胸の内は
誰にも分からない

私の好きな人
誰にも言えない日々の
境目に立っていた
早すぎた恋の人

焦りを感じてしまうほど
裸の心でいたのね
傷だらけでは価値がないと
思い込んでいたの

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暗がりのワルツ

暗がりのワルツ

真夜中の月が照らす道
2人だけの静かなステージ
心を奥にしまいこんで
横顔をのぞいた

胸の鼓動が一人歩きしてる
あなたを見つめたいずっと

優しい光を浴びながら
あなたの唄を歌うの
初めて好きになった日も
たしかこんな夜でした

夏の終わりの切なさに
涙が溢れてくる
風が少し冷たいから?
ふわりスカートが揺れる

瞳の中のあなたに捧ぐ
いつまでも変わらない想い

森の中迷い込んだ私に
手を引いて

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ジェリーフィッシュ

君はただ浮かぶ月
とても繊細な仕草が
僕は好きだよ
ねぇ、もっとそばで
眺めていたいな

どうして?そんな風に
誰が笑うというのだろう
だから恥ずかしがらないで

さぁ宙に舞うよ、僕らは
腕時計しか動かせないけど
それでも一度だって
不幸だなんて思わなかった

さぁ宙に舞うよ、僕らは
躊躇う時間が長くても
大丈夫、いつまでも
涙ばかりじゃないから

荒波にさらわれても
ずっと泳いでいたいな
そんな

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鎮魂歌

おもちゃのお城
止まらない物語の手
君はいくつもの鍵の中で
息を潜めていたんだね

あどけない光
春風が笑ってる
いつかは終わる夢の中で
君はまた眠ってしまうんだね

止まらない物語の手
嘘つきの記憶
君はいくつもの鍵の中で
答えに迷っているんだね

春風が笑ってる
いつか忘れる夢の中で
君の神様に願いをかけるよ
君のもとに幸せが訪れますように

銀河葬

銀河葬

青い夜に光る満点の星
君の瞳に映るもの
それは小さな幻から出てきた
透き通るビー玉のよう

君が残した土星型の
食べかけのチョコレートは
きっともうすぐ壊れてしまうような
深い悲しみを見た

長い長い時を越えて
僕らは疲れ果てたなぁ
「少し休んでもいいかな」
それが最後のわがままだったね

青い夜に光る満点の星
銀河旅行の終着点
それは小さな子供が夢見た
淡い三日月の船

君がもし、起き上がったら

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キミを忘れない

キミを忘れない

キミは僕を見てるね
遠くても感じてるよ
ここにはいないどこかで
元気に駆け回ってさ

立ち直れないって思ってるの?
いつもの垂れ目で覗き込んで
心配そうに鳴いているね
遠くても感じてるよ

今を生きているキミは
とても輝いていたね
一度も諦めなかった
キミの目は透き通る
星のように綺麗だった

最後は一人でいるより
みんなでいる事を求めたね
キミのメッセージ
ちゃんと届いてるよ
「好きだよ、大好き

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