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#浄土真宗
粟盛北光著 「小説 名娼明月」 自序
博多を中心としたる筑前一帯ほど、趣味多き歴史的伝説的物語の多いところはない。曰く箱崎文庫、曰く石童丸(いしどうまる)、曰く米一丸(よねいちまる)、曰く何、曰く何と、数え上げたらいくらでもある。
しかし、およそ女郎明月の物語くらい色彩に富み変化に裕(ゆた)かに、かつ優艶なる物語は、おそらく他にあるまい。
その備中の武家に生まれて博多柳町の女郎に終わるまでの波瀾曲折ある二十余年の生涯は、実に勇気
"Meigetsu The Geisha in Hakata" Prologue
There is no other place in Japan with as many historical and legendary interesting stories as the Chikuzen area (Mid-west of Fukuoka Prefecture) centering on Hakata District, Fukuoka City.
"Meigetsu The Geisha in Hakata" 英語版「小説 名娼明月」第2章(試作)
「小説 名娼明月」を英訳してみようと思い立った。
わたしごとき浅学が一人で取り組むには、誠に手に余る仕事なのだが、どうやら DeepLという翻訳サービスを活用することで、何やら、わたしでも出来そうな感触がある。
DeepL、ようするに機械翻訳サービスなのだが、ここの翻訳精度は、使ってみると、むむっ! これはあなどれない!
もちろん、訳された文章を、さすがにそのまんまは使えない。やっぱり手直
「小説 名娼明月」 第1話:不思議の蓮の花
むかし、博多柳町薩摩屋に、明月という女郎があった。
この女郎、一旦世を諸行無常と悟るや、萬行寺に足繁く詣で、時の住職正海師に就き、浄土真宗弥陀本願の尊き教えを聞き、歓喜感謝の念、小さき胸に湧き溢れ、師恩に報ずる微意として、自分がかねて最も秘蔵愛護し、夢寐の間も忘れ得ざりし仏縁深き錦の帯を正海師に送った。
そうして、廓(くるわ)の勤めの暇の朝な朝な萬行寺に参詣するのを唯一の慰めとし、もし未明の