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【1本満足4000字】SaaS型ビジネスに転職する上で、必ず押さえておくべき点

"生々しいリアルなビジネス情報を覗く”メディア,ぷりべん!編集部です。
今回のテーマは、「SaaS型ビジネスに転職する上で、必ず押さえておくべき点」です。

・SaaSって最近よく耳にするけど、今一つよくわからない
・IT業界への転職を考えているが自分はSaaS型ビジネスに向いているのか分からない?
・SaaS型ビジネスはポジションが多くて、自分はどこに適性があるか検討がつかない

上のようなお悩みをお持ちで、SaaSについて、自分自身について今より理解を深めたい方は是非最後までお読み頂けると嬉しいです!

1. そもそもSaaSとは

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SaaSとは英語の "Software As A Service" の略語で、「サービスとしてのソフトウェア」を指します。あらかじめクラウドサーバーソフトウェアをインストールしておき、その状態でユーザーに提供します。クラウド上から引き出せばよいので、ユーザー側には契約後からすぐにソフトウェアを使えるというメリットがあります。

代表的なものには「クラウド×サブスクリプション」のビジネスモデルをとったITサービスがあります。チャットツールのSlack、Web会議ツールのZoomなどはその最たる例でしょう。

SaaSサービスにも二種類あり、業界特化でサービスを展開する「バーティカルSaaS」と、他業界に横串で展開可能な「ホリゾンタルSaaS」が存在します。

例えば前者は、医療業界に特化したSaaSを展開するUbieなどが該当し、後者は業界を問わず労務管理SaaSを展開するSmartHRなどが該当します。

また、対義語に「オンプレミス」という言葉があります。こちらは顧客に対して最適化されたITシステムを0からつくる形態です。0から作るのでコストが高いですが、顧客に対してのカスタマイズがされている点で、オンプレミス型がメジャーな業界などもあります。

2. SaaSが注目される理由

では次に、SaaSが注目されている理由を説明します。SaaSが注目される理由は、大きく分けると下の3つの観点から見ることができます。

①ITソフト全般の市場拡大
顧客目線での理由
③企業目線の経営的な理由

それぞれ詳細に見ていきましょう。

①ITソフト全般の市場拡大

デジタル化の追い風により、現状SaaS市場は年平均成長率約13%の勢いで急成長しています。他の成長産業であるネット証券(10%前後)やweb広告(9%前後)と比べても、とても高い成長率であることが分かります。2024年には市場規模として約1兆1,200億円へと拡大すると言われています。

↓BOXILから出されている資料がとても参考になります。

日本のIT市場においてSaaS市場は0.4%しかなく、IT先進国に比べるとこれからの成長ポテンシャルが非常に高いです。そのため、新たなビジネスチャンスが生まれやすいSaaSビジネスが注目を集めています。

顧客目線での理由

顧客目線の使いやすさを具体的に分解すると、大きく分けて下の3つに分けられます。順に見ていきましょう。

導入費用の安さ
利便性の高さ
・持続的かつ負担ゼロでアップデート可能

まずはなんと言っても、導入費用の安さが挙げられます。機能によっては無料で使えるSaaSもあり、「会計クラウドサービス」や「人事クラウドサービス」のように、業務を効率化してくれるサービスが低単価で利用できることは、クライアント目線では非常に嬉しいでしょう。

近年加熱する注目は、「便利なサービス」と「低価格な導入費用」が両立していることに関係性がありそうです。

次に、利便性の高さがあります。ハードウェアであるパソコンやスマートフォンのように、SaaSプロダクトも既存のサービスであるため、マニュアルが確立されています。そのためユーザーは自ら問題を解消でき、安定した利用を続けることができます。

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また、SaaS企業はカスタマーサクセスという職種を置いていることが多く、顧客が最大限SaaSプロダクトを活用できるためのサポート体制を敷いています。こういった体制があることも、顧客目線での利便性が上がっている理由になります。

最後に、持続的かつ負担ゼロでアップデート可能な点があります。システム改善やトラブル修正など、ソフトウェアのアップデートは日々行われますが、クライアントはアップデートに対して課金する必要がありません。クライアント目線では、サービスを導入しさえすれば自動的に使いやすくなっていく形になります。

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上記を踏まえ、業務の効率が改善されるのであれば、SaaSがクライアントから注目される理由も頷けます。

③企業目線の経営的な理由

企業目線の理由に関して、一言でまとめると「売上が安定する」ストック型事業であることが挙げられます。
 
SaaSはビジネスモデル上、低単価での提供の場合が多いため、顧客が増えれば売上が積み上げ的に上がっていくモデルです。また、サービスの特性上、顧客データの集積が進み、そのデータをプロダクトの改善に反映しやすくなっています。

SaaSのビジネスモデルはクライアント目線だと導入ハードルが低いと上述しましたが、企業目線でみると売上が安定しやすくなるため、まだSaaSを提供していない企業としてもSaaSビジネスへの進出に注目が集まっています。

3. SaaS業界で働くメリット・デメリット

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SaaS業界で働くメリットは、何といってもその伸びしろでしょう。成長を続けるSaaS市場においては、まだまだ先駆者となれる可能性が広がっています。

たとえばアメリカでは、SaaS領域への投資額はGDP比において日本の10倍です。このアメリカのGDP比投資額から考えたときに、あと10倍は市場が拡大するという推測もあります。その理由は、資金調達のラウンドが上がるごとに、年収も増大するとされているからです。一般に、資金調達のラウンドが1上がるごとに、社員の年収は30万円増加すると言われています。

また上述の通り、SaaSビジネスはストック型事業であり、安定性が事業の中でも高いです。

この安定性を下支えしているのが「最終的な売上を増加させるためには、離脱者を少なくして継続率を上げることが何よりも大切だ」という考え方です。この「LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)」を重要視する志向性は、ストック型事業であるSaaSビジネスの特徴とも言えそうです。

一方で企業によりますが、SaaS業界で働くことにデメリットもあります。
例えば「身につくスキルが他業態だと再現性が低い場合がある」ことが挙げられます。

この点が指摘される背景は、SaaS企業の業務形態にあります。SaaS業界では、「The Model」型の営業プロセスに乗っ取り、仕事が高度に細分化されています。「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」とすみわけされていることから、その分業体制が垣間見えるでしょう。

ただしこの点は、必ずしもデメリットとなるわけではなさそうです。このように完全に分業して専門職を極めるモデルは、特定の業務のプロフェッショナルになりたい人にとっては魅力的に映ることと思われます。自分が将来的に、どういったキャリアを実現していきたいのかによってもこの評価は変わりそうです。

この点、分業体制でできるかどうかが1つのポイントになりそうです。
事業、市場としては非常に魅力的なSaaSですが、働くなら誰しもがSaaSが良いわけではないです。スペシャルなスキルが身につく反面、幅広くスキルを身に着けたいジェネラリストタイプには向いていない可能性もあります。

4 .SaaS業界に転職。 選考におけるポジション別留意点

「SaaS業界に転職したい。」
その意思決定の際に、押さえておくべき留意点をご紹介します。
なおこの情報は、人材業界において経営者としてやってきた方からのヒアリングをもとに記載しています。

【選考を受けるうえでの前提】

①ITへの興味に加え、新しい市場を開拓していくことに興味があること。また、The model程度の最低限の知識が備わっていること

②上記に加え、ポジションごとの仕事で求められるスキルについて「この人だったらいきなり”明日”から隣で働いていてもおかしくない」と先方に思わせるほどの力を有していること。

②について、「明日」である理由は「半年勉強してもらえば(=待ってあげれば)戦力になるかも」という態度を先方に期待しても、日々加速するビジネス環境に向き合っている企業側との時間間隔が合わなくなり、ポテンシャルそのものも低下する恐れがあるためです。

【ポジション別選考留意点】

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■マーケティング
・展示会やホワイトペーパー、メディアなどtoB特有のチャネルでの経験や素養が求められます。
(「マスチャネル×リテラシーにばらつき有」と定義できるtoCマーケティングとは求められるスキルが全く異なるので注意が必要)

■インサイドセールス
行動量7:質3程度の志向性が合うイメージです。テレアポ(電話営業)にエネルギーを注げない人は厳しい可能性もあります。
・ただ行動するだけでなく、PDCAサイクルを回す力も一定程度は必要です。理由はリードの文脈から、マーケティング施策を考えることがあるため。

■フィールドセールス
顧客属性と、サービスの単価によってスタイルが全く異なることに注意。

低単価なサービスだと行動量人間関係の構築力が重要になるが、一方で高単価なサービスだと思考力や顧客の抱える潜在課題にも焦点を当てて提案するコンサルティング能力が重要になります。

選考の際には、SaaSのWebサイトに掲載されている導入事例は必ず読み込み、提案のイメージをつけていくことは必須になります。

■カスタマーサクセス
・担当顧客によって、サービスの内容が異なることに注意。
(例:ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの分類)
・必要な能力はフィールドセールスと同様、問題解決力が基本的に最重要です。そのため、「自分がもしその立場にいたならば、顧客に対しどのような課題を見つけどのような提案を行うか、といったイメージをいくつかもって面接に向かうのが望ましいです。

上記のように、SaaS業界とは言ってもポジションによって求められることはかなり変わってきます。業界で一括りにせず、サービスがどこに売られているのかはきちんと見ておくべきです。

また、自分のスキルや志向性、キャリアプランと業界がマッチしているかの確認もマストで必要になってきます。

さいごに

いかがだったでしょうか。本記事が、SaaS業界や自分自身に対して理解が進む後押しとなれば幸いです。

最後に、弊社では転職前にベンチャー適性診断ができる「PreVenture」を運営しています。SaaS企業を含め、あなたがどんなベンチャー企業に適性があるかの指標に使用いただけると嬉しいです。

本稿を書くにあたって、参考にした記事を下記に載せておきます。
さらに調べたい方や、理解を深めたい方はぜひご覧になってください。

あなたのキャリアがよりよいものになることを願っています。


【参考記事】


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