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第5回 川のある土地へ行きたいと思っていたのさ(大澤→丸山)
丸山さん、先日はこの往復書簡のタイトルのご紹介をいただきありがとうございました。ばっちり!丸山さんの前回の記事はこちらです↓
丸山さんのこのお言葉がもうすべてだなあと思って読んでおりました。
受動的になってしまうと物事は進んでいきません。能動的に動いていくことで、自分の選択した行動が現在からつながっていき、いつもその先の未来へと連れて行ってくれます。
自分を未来へ連れて行ってくれるのは今の自分。チャンスをチャンスだと認識できるのも、自分が歩みを進めているからなんですよね。
私たちのこの往復書簡、アウトプットの練習で始めたのですが、私たちをどこか遠くの未来へ連れて行ってくれる足掛かりになりますように。
今日はこんな日
今日はGWの間の平日ですが、私はお休みをいただきました。読まなくなった本を古本屋さんに持っていって、美味しい家系ラーメンを食べて、北大に行って桜を見てきました。
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北大の中にはいくつか桜の種類によって見どころスポットがあるんです。中央ローンのエゾヤマザクラ、情報基盤センターの枝垂れ桜、医学部や文学部前の八重桜…北大は観光地でもありますし、地域住民の憩いの場でもあります。ワンちゃんと散歩している老夫婦を眺めながら、セイコーマートで買ったコーヒーを飲む時間。最高に幸せです。
あの子を育てるのは社会
このゴールデンウィークから、娘がアルバイトを始めました。高校生になって、人生で初めてのアルバイト。ファーストフード店で奮闘しています。
帰宅してから、教えてもらったことや敬語の使い方をメモにまとめ直し、明朝の勤務に向け準備している姿を見ると、そのあまりの頼もしさに泣きそうになります。
娘に仕事を教えてくれるバイト先の先輩、娘に手を振ってくれた親子連れのお客様、新人バイトと見るや優しく注文してくれるサラリーマン…皆様すべてが、娘を育ててくれていると。本当にありがたい。
以前、丸山さんと食事した際に、娘の話を聞いてくださったお話を書きましたよね。
親として子供に接していて、もう子供がこんなに大きくなってしまうと、「ああ、だんだん私が何かしてあげられることは少なくなってくるなあ」と実感します。
社会で苦しんでも、側にいてあげることしかできない。社会で独り立ちして生きるということは、社会の中で誰かと手を結んだり、離したりしながら、自分で選択して生きていくことなんだと。思い知らされる日々です。
多分これも冒頭の、この往復書簡のタイトルにも繋がってくる話なんじゃないかなあと思います。
知らない人と話すのを物おじしないように
私は彼女と途中から家族になったので、母親というよりは、一人の人間として味方でいて、側にいてやることだけを考えて生きてきました。その中でも特に大事にしていたのが、「物おじせずに人と話せるように」「自分の意志で選択ができるように」という点、それだけだったように思います。
取材先や仕事先にも、ご担当者様のご理解をいただいて、ずいぶんと娘を同伴させていただきました。丸山さんとも出会えて、いろんな職種(職種に限らずですが)の人と話して、多様なバックグラウンドとは何かを体感できたらいいなと。
そして、自分で何かを選択するということは、それだけリサーチが必要だし、準備もいるし、「選んだからには頑張ろう」「ここまでだ、撤退しよう」という決断の矢面に立つことになります。でもどの局面でも、自分で選ぶ癖をつけることでしか、自分で自分を幸せにしてあげられないんじゃないかなと。
それくらいしかしてあげられることはないなと。今でも思っています。
これからもいろんなお客様や仲間と出会って、娘は成長させてもらうんだろうな。お店に行ったら怒られるだろうからまだ私は行かないですけど。折を見て足を運ぼうかなと思います。
それでは今日はこの辺で。タイトルはこちらから。もう5月ですが…!
明日も桜を見に行こうかな。
大澤夏美より
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大澤夏美(ミュージアムグッズ愛好家)
1987年生まれ。札幌市立大学でメディアデザインを学ぶ。在学中に博物館学に興味を持ち、卒業制作もミュージアムグッズがテーマ。北海道大学大学院文学研究科(当時)に進学し、博物館経営論の観点からミュージアムグッズを研究し修士課程を修了。会社員を経てミュージアムグッズ愛好家としての活動を始める。現在も「博物館体験」「博物館活動」の観点から、ミュージアムグッズの役割を広めている。
丸山晶崇(株式会社と)
東京都生まれ。デザイン事務所や制作会社勤務を経て2009年に独立。2010年4月より2012年6月まで「国立本店」の店長を担当。2011年、国立市谷保に建築家を中心とした市民協働プロジェクト『やぼろじ』を始める。また、2013年7月から2017年11月まで同施設にてギャラリー兼ブックショップ『circle [gallery & books]』を企画・運営。グラフィックデザインの仕事を中心として美術館のビジュアルディレクションや書籍のデザインの他、各種の企画からデザインまでを幅広く担当。
また2014年からmamoru(サウンドアーティスト)/下道基行(アーティスト)/芦部玲奈(アートマネージャー)と『旅するリサーチ・ラボラトリー』の活動も続けるなど、アーティストとの共同プロジェクトなどにも積極的に参加。「デザイナーとは職業ではなく生き方である」をモットーに、デザインを軸にしたその周りの仕事を進めている。長岡造形大学非常勤講師。
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