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本棚の物語

『ぬるい眠り』についたなら、『それは秘密の』物語。

『坂の途中の家』から飛び出して、向かった先は『東京タワー』。

僕らは『宇宙のみなしご』で、『死にぞこないの青』を身に纏う。あの『少女』も、きっと、同じ。

『アーモンド入りチョコレートのワルツ』が流れ始めた。『サーカスの夜に』ふさわしいメロディー。

これが僕の『ファーストラヴ』。
勇気を出して彼女に『告白』。

『ぼくは勉強ができない』けれ

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好きなものを好きだと言う

好きなものを好きだと言う

「トマト、チョッキンチョッキン、したー」

これは私が生まれてから初めて口にした文章です。めちゃくちゃに可愛いですね。子どもの頃、皆さんのお家にもありませんでしたか? マジックテープでくっつく、おもちゃの野菜と包丁。おままごとで使うヤツです。

トマトを包丁で切ったよ、それが私の「初文章」です。

母はその言葉を聞いて、天才だと思ったそうです。今まで単語しか口にしなかった我が子が、こんなに幼い我が

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人間なのにえらいね

人間なのにえらいね

社会人になって、昼食用のお弁当を自分で作るようになった。

初めは簡単なものばかりだったけど、最近は少し手の込んだものも作れるようになって嬉しい。
昨日の「照り焼きチキンと鶏そぼろ弁当」は、自分でもなかなかの出来だったんじゃないかなと思う。

自分が料理をするようになったら、人の料理にも興味を持つようになった。

インスタグラムでお弁当の写真をアップする主婦や、「#おべんたぐらむ」という少し笑って

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故意に恋する

故意に恋する

「恋に恋する女」は滑稽か。

私は俄然、可愛いと思うし、恋に恋していた昔の自分も可愛かったと思う。

「朝目が覚めて、真っ先に思い浮かぶ君のこと」
「思い切って前髪を切ってみたの。『どうしたの?』って言われたくて」

これは私が好きな歌、メルトの歌詞。
自分の行動全てに彼を結びつけてしまうような、世界の中心を彼にしてしまうような女は、浮世離れで頭が悪くてちょっと痛くて、それでもやっぱり、可愛くて愛

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自己紹介は終わらない

自己紹介は終わらない

去年の冬、氷川きよしさんは「きよし君にはさよなら。きーちゃんとして、私らしくという感じです」と自らの今後について語った。

"きよし君"とは、これまで築いてきた演歌の貴公子の姿。違う顔の自身を"きーちゃん"と表現した。

この報道を受けた当時、私は動揺することも心を動かされることもなかった。「ふーん。そうなんだ」と思ったくらい。本当にそれ以外、何も感じなかったのだ。

まだまだ数は少ないにしろ、昨

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さっちゃん、最強でいてよ

さっちゃん、最強でいてよ

「恋」から「性欲」をマイナスすると「信仰」が残る。

思い返せば私の初恋相手は、女の子だった。

同性に対する憧れや執着が、異性に抱く恋心より勝ることって、誰でも一度はあるんじゃないだろうか。特に思春期を迎える前までは。

少なくとも私はそうだった。

小学生の頃の私は、同い年の男の子たちをガキっぽいと感じていて、ある一人の女の子を全知全能の神様みたいに信仰していた。

私の初恋の相手は、「さっち

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話さない彼女と聞かない私

話さない彼女と聞かない私

ある女友達を、私はすごく好きだった。

どんな所にいても、いつの間にか場の中心に立っているような子だった。彼女はよく笑い、素直で、賑やかで、おしゃべりの話題も豊富だった。

自分の思いをストレートすぎるくらいに伝える子だったから、彼女を苦手に思う人も少なからず居たかもしれない。
だけど、私は彼女のことが大好きだった。

一度、彼女に向日葵の花を贈ったことがある。
色鮮やかで真っ直ぐ伸びる、太陽に似

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見た目が全てじゃないけれど

見た目が全てじゃないけれど

見た目が全てじゃないこの世界を、憎いと感じることがある。

もちろん私は、突き抜けて優れた容姿を持っているわけではないんだけど。至って平凡な見た目なんだけど。

「見た目」は、人間を構成する全ての中で努力や補正が可能な部分だと思う。

自分の素の顔が気に入らないなら、化粧で誤魔化せばいい。それでも駄目なら整形すればいい。体型も髪型もファッションも同じで。
そしてこれらは、比較的簡単な努力と短期的な

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未来、愛しかない

未来、愛しかない

今日の集団面接で「皆さん既にお気づきだと思うんですけど、私は男です」と言った子がいた。

私には充分なLGBTへの知識がないから正しい言い方なのか分からないけど、トランスジェンダー?って言うのかな。
身体は男性で、心は女性の子だったんだと思う。
集団面接の前にグループディスカッションがあったから、その時に何度か話もしてたんだけど、私は自分のアピールに必死で気付いてなかった。だから、凄くびっくりした

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