見出し画像

ポスティング ホワイトバイト?違法?住居侵入?

最近よくアルバイトでポスティングをする機会があり、その中で思うことがあったのでシェアしたいなと思います。

私のポスティングバイトの中身

ポスティングの求人に応募したわけではなく、働いているところで業務内容の一つにポスティングがあるといった感じです。

勿論両者ともに求人広告にそのような記載はなく、働き始めてしばらくしてから、ポスティング業務の存在をを知りました。現在、私はフリーターで、職場2箇所あり、どちらも会員獲得のためのポスティングです。

片方は勤務時間内に、もう片方はシフト外で何部で何円といった歩合制のような形態です。

時間や手に入った額、地形や気象条件を綿密に記録して、単価などを計算し、総合的に割に合うかを吟味するとおそらく嫌になる気がするので、わたし的、ポスティングバイトはお散歩の延長線ぐらいに捉えています。むしろ健康のために歩いて小銭稼ぎできてラッキーくらいの気持ちです。というかそういう風に思うことで、楽しくやっていけます。

加えて、どちらのアルバイト先も厳しく管理しようといった雇い主ではないので、極寒日や大雨日に行かせられることもなく、歩合制の方も今月中にお願いね~といった感じで、GPSを持たされることもなく、世の中のポスティングバイトの中ではかなり好条件だと思います。どちらも従業員への信頼と性善説で回してくれています。

そもそも、何を基準にどのようにして、チラシ配布一枚当たりの妥当な給与を算出すればいいのかわかりません。片方の職場の配布地域は、都市部かつ平野部なので、住宅が密集し高層マンションも多く、坂を上る必要もないので、時間当たりはたくさん配れます。一方、もう片方の職場の配布地域は、郊外で一軒家が9割で高層マンションなど存在せず、且つかなりアップダウンの多い地域です。そのため、同じ枚数を配ろうと思うとかかる時間が全く異なります。

とはいえ、雇用主が異なり、給与形態が異なるので、特にこの点もさほど気になりません。

ポスティングは迷惑?違法行為?

私がどうもひっかかる点は、ポスティングバイトの条件や労働環境ではなく、「ポスティング行為自体が世間でどう受け止められているのか」「そこに法律的な、あるいは人々の個人的な善悪は存在するのか」ということです。

情報源としてのチラシ

スマホが普及する以前は、朝刊夕刊共に契約している世帯数は半数を超えていました。電車に乗れば、スマホがないので新聞を開いている人もそれなりにいました。私は知らないのですが、電車の天井近くの物置棚に読み終わった新聞が置かれている光景はよくあることだった、という話も聞いたことがあります。話が脱線しますが、私が電車通学し始めたのは高校生からで、この頃には高校生の私もスマホを持っていたくらいで、スマートフォン普及前の電車内の様子がどのようなものだったのか、一度調べてみたいものです。

話を戻すと、一昔前は新聞をとっている家庭が多く、その中に折り込みチラシが入っていて、それを一つの情報源にしていました。スーパーのホームページを検索してデジタルチラシを見るなんて最近のことです。折込チラシは鬱陶しい迷惑のものではなく、当たり前のように入っているもので、テレビショッピングやCMなんかでも、詳細は「明日の折り込みチラシで」なんて言うフレーズも聞きなれていました。

新聞を契約している郊外の一軒家で育った私としては、「チラシが人々から嫌がられているもの」という感覚が皆無でした。むしろチラシを通して、新築のきれいなマンションを見たり、よくわからない健康食品や地域で有名な塾の存在を知ったりと、読み物にもなるものでした。食いしん坊少女ぽよは、クーポン付きのデリバリーピザや新しくオープンする飲食店のおいしそうな食べ物たちの写真に目をキラキラさせていました。

「チラシ投函お断り」のステッカーと監視カメラ

ところがどっこい。大人になってアルバイトでチラシ投函をする側に回ると、多くの住宅のポストには「チラシお断り」「許可なく広告等の投函や訪問販売を禁ずる」「監視カメラ作動中」「無断投函は警察に通報」「投函されたチラシは事業者に着払いで返送します」などと書かれた看板やステッカーが貼られています。ここで初めて私は、こんなにもチラシの投函を嫌がっている人がいるのかと知ることになりました。

加えて、投函禁止の札だけではなく、警察に通報しますというフレーズと共にある監視カメラがこっちを向いているのを見ると、自分がしようとしていることは悪なのだと再認識させられます。とはいえ、この監視カメラはポスティング業者を見張る専用というよりかは、郵便物の盗難防止用でしょう。

チラシ投函されやすい建物

都市部の大道路沿いの駅チカのきれいな新築マンションの場合、ポスティングが可能そうな建物の方が稀です。チラシ投函の業者も人間なので、歩合制であればなおより早く配り終わりたいに決まっています。上を向いたら視界に入る高いマンション目がけて、いれにいくのは当然だし、狭い路地の一軒家を回るよりも、マンションの多い国道沿いを練り歩くのも必然です。

都市部の高層マンションだと一棟で100戸超え、ポストもエントランス近くに全てまとめてきれいに整列しているので、100軒戸建てを回るのが馬鹿らしくなるのは当たり前です。現に、そういったマンションのエントランスには必ずチラシ専用のごみ箱を管理主が設置しているところからも、日々多数のチラシが投函され、それを不必要だと感じている住人が存在する事実が伺えます。

また、お金がありそうな大きな家と築年数がかなり経っていて老夫婦が住んでいそうな家、新築で大型のファミリー向けマンションと一人世帯向けの古びたアパートメントだと、双方前者の方が顧客になってもらえる可能性が高そうだと推察されるでしょう(もちろんチラシの中身によるが)。

こういったところからも、頻繁にチラシが投函される建物とそうでない建物があるのでしょう。都市部の大型マンション住みの人からすれば、毎日のように興味のないチラシが投函され、しまいには国からの重要郵便物がその中に紛れ込んでしまい、そのことに気付かず、エントランスの共同チラシ用ゴミ箱に入れてしまった暁には、チラシお断りのステッカーを貼りたくなるものでしょう。

住居侵入罪

私の調べたところによると、ポスティング自体は違法行為ではない(チラシの中身によるかも)が、ポストがその家主の敷地内にあるので住居侵入罪で訴えることは可能といった見方が一般的だそうです。

ポストに郵便物を入れるための立ち入りを法律ですべて禁止されてしまったら、もちろん郵便物は届けることは不可能で、何のためのポストなのかという帰結に陥る。なので、むやみやたらと住居侵入罪にあたるわけではないが、ポストの管理者による無断投函拒否の意思が明確に示されていれば、事態は異なるといったところでしょうか。

私のスタンス

色んな家を回っているとポストの位置も形状も様々で、公道に面しているポストもあれば、敷地奥の玄関扉の横にあるポスト、開閉式のポスト、蓋がなく隙間があいてるタイプのポスト、中身が見えないようにするための蛇腹がついているポスト、開閉扉が固すぎたり蛇腹が頑丈すぎてだれにも入れさせる気のないポスト。

ポストを日々目にしすぎて、ポスト図鑑なるものを作りたくなります(大嘘)。チラシ投函禁止と書かれていない高層マンションを見つけると、テンションが上がります。電車から大きな建物が見えると、あそこたくさん配れそうだなとふと思います。人の敷地内に入りたくないので、ポストはもっと道路沿いに設置してくれとも思います。「ポストが壊れるのでチラシは入れないで下さい」という張り紙を見た時は、何のためのポストだよっとツッコミをいれたくもなります。とはいえ、意図してることはわかるよ個人的にはとも勿論なります。

私は何を言われても、「禁止」と書かれている張り紙の前で、その禁止行為を行うことはできません。その禁止という個人の張り紙にどこまで法的拘束量があるのかわからなくとも。嫌がっている人が存在することを知りながら、続けないといけないのも嫌です。

雇い主のスタンス

片方の雇い主はステッカーのあるところは入れなくといいというスタンスで、もう片方の方は気にしなくて入れて大丈夫というスタンスです。何か言われたときは、個人名ではなく会社名を出せばいいし、投函業者も禁止されているところに入れているから問題ないという言い分だそうです。

いくら会社の名札を持っていたとしても、監視カメラに写り、最終的に手で入れるのは私個人です。監視カメラの映像を一部切り取り、印刷し、投函者個人の写真をポスト周りに貼ることで、投函をけん制している建物もあります。

最後に

チラシがどこまで広告としての費用対効果がよいのか、わたしにはわかりませんが、体験にいらしてくださった方のアンケートに、「当館を知ったきっかけ:チラシ」という回答が存在するのも事実です。

片方の職場は全国展開の大手チェーンの一店舗ですが、その会社が全国でチラシを広告として利用し続けているということは、チラシの広告効果が一定程度あるという世の中の結論なのでしょう。

入ってみたマンションで警察に通報しますという張り紙を見て、自分がやっていることをどう捉えばいいのかわからない。敷地内のポストまで入っていく間に住人と鉢合わせすればどのように思われるのだろうか。そんなことを考えることも少なくはないですが、時に生きるためには無神経さや図太さが必要なのだと思ったり、とはいえこれ以上は一個人として落ちたくないというラインは持つべきだよなと思ったり。

もしかするともしかすると、そんなことすべて気にしなくてもよかったり。

繊細さが大切なのか。図太さが生きるための力なのか。真面目さよりもおおざっぱさが功を奏すのか。

単なるバイトの一業務だけでいちいち考えるなともツッコまれそうですが、他のポスティング業務をしている方がどのように思っているのか、業者はどう仕事しているのかなど気になったので、この記事を書いてみました。

とはいえ、お散歩が好きで一人気ままに歩きながらバイトできてラッキー、お金を稼ぐことがメインではなく歩いてたら付属でお金もらえた、みたいな心持ちで行える方には、絶好のアルバイトかなと思います。

私なんぞにご支援いただける方がこの地球上におりましたら、もう控えめに言ってあげみざわエクスプローションします。