選ばなかったから失うのだと
日記78日目。
昨日、アドラー心理学の全体論と自己決定性についての記事を書いた。
ここで簡単に説明すると、「やりたいけどできない」というのは嘘で本当は単にやりたくないだけということと、人間は全て自分で選択することができるという話。
つまり、「やりたいけど…」や「やらされている」というのは単なる言い訳で、全ては自分で選択した結果だということ。
これを知って思い出したことがあるので記事にしてみた。
私は、昔から「選択」をテーマにした作品に惹かれる。
昨日の記事を書きながら思い出していたのは、大学生の頃によく聴いていた松任谷由実の「青いエアメイル」という曲。
ユーミンの曲の中で一番好きな曲だ。
海外に行ってしまった恋人もしくは想いを寄せる人と遠距離恋愛している女性の感情を歌った純愛ソングだ。
その中で私が最も好きな歌詞が
「選ばなかったから失うのだと」
というフレーズ。
私はこのフレーズの中に、恋愛だけではなく人生の全てが詰まっているようなロマンを感じて大好きなのだ。
そして、アドラー心理学の自己決定性を知って、ふと思い出したので久しぶりに聞いてみた。
この曲の1番は、主人公の女性が海外から届くエアメイルを雨の中ポストに取りに行き、待ちきれず傘をさしたまま読んでしまうというとても幸せなかわいらしい描写で始まるのだが、2番になると少し様子が変わる。
別れてしまった後なのか悲しい未来を想像してなのか分からないが、彼女の不安な感情が描写される。その2番の中に先程のフレーズが存在する。
選ばなかったから失うのだと
悲しい想いが胸をつらぬく
けれどあなたがずっと好きだわ
時の流れに負けないの
おそらく彼女は何らかの理由で、大好きな人と一緒にいることを諦めたのだ。
あのフレーズは、好きなのに選ばないという決断をした彼女が自分自身を納得させるように言った言葉のように感じる。
その切なさがあのひとつのフレーズに上手く詰め込まれていると思う。
恋愛でなくとも、人生の中で好きでも選ばない選択をすることがある。
私は、就活生の頃、電車で何気なくユーミンのアルバムを聴いていて、急にこのフレーズだけが浮き上がって聴こえた。今まで何度も聴いてきた曲にも関わらず、その歌詞だけがしっかり意味を持って脳内に流れたのだ。当時、いろんなことに悩んでいた私はこの歌詞を聴いて、なんだかすごくスッキリした気持ちになったのを覚えている。そして、泣いてしまった。
その時は、失ったことに対してというよりは、今自分がしていることに対して、「そうか、自分で選んできたのか」と逆説的に思った気がする。そして、今まで選んできた道を手放すべきかどうかをすごく考えさせられた。
「人生は選択の連続である」というあまりにも有名なシェイクスピアの言葉があるが、まさに選択の積み重ねで人生ができていると日々感じる。
そんな人生をあまりにもシンプルに、でも選択しなければならない切なさもしっかりのせて歌っているところにリアルさを感じ、この曲に惹かれたのだと思う。
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