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写真家に独自性は必要か? 徒然なるLINE 対談 Aya Watada x Sho Momma

Aya: 例の図録キタ。和裁の先生のとこで見せてもらった「戦国ふぁっしょん-武将の美学-(徳川美術館)」。

Sho: すごい迫力w かっこいい。やっぱアヤさんにも、横須賀功光みたいに、仏像とか甲冑みたいなのを現代風の写真として撮るプロジェクト是非やって欲しいですね。

Aya: 撮りたいっていう以前にただとにかく見てみたいよ…で、ただ見るってことが、次のアクションとして「これを見よ」というシャウトアウト=写真として提示するということにつながる。「これを見よ」って発する声のトーンや強度が様々だということか。撮り手の視点の独自性が様々、と。そうやって撮られることで、その対象自体に何が起こるんだろうね。価値の刷新?図録のようなニュートラルな撮られ方とはどう違う?

Sho: そもそも写真に限らず、アート全体そうですけど、その人の視点とか切り取り方が反映されるので、写真家である以上、実際ニュートラルに撮ることは難しいですよね。写真家の撮り方によって、(対象が)新たに息を吹き返すものもあれば、死んでいくものもあるでしょうね。横須賀さん(が撮影した)の仏像は、少なくとも僕には、シンプルに仏像がめちゃくちゃかっこよく映った。あ、仏像ってこんなかっこ良いんだなぁって思わせてくれるというか。写真もデザインも、今まで気づかなかった視点とか美的感覚を呼び起こさせてくれるんじゃないですかね。そういう意味では、価値の刷新っていうことかと。少なくとも、我々作り手はそこを意識して向かっていくべきなんだろうと。あとは受け手に委ねる。

Aya: 確かにニュートラルって難しい、というか、ニュートラルなんて無いね。「見せる」「作る」っていう意志がある限り。図録には図録制作側の意図があるわけだし、図録写真も1970年代に撮られたものって何か今と違う。

Sho: わざとニュートラルを意識して撮ることは可能でしょうけど、それもニュートラルではないですからね。テクノロジーも変わるし、昔、パシャパシャ撮ってた「うつるんです」が時代を超えてトレンディになってしまったり。

Aya: そうそう。私はずっと個性的な撮り方みたいなのがイヤでなるべく真正面から真っ直ぐ撮るとかやってきたつもりだけど、それで結果どこにたどり着いたのかよく分からない。今やもう受け手が何を感じるか受け取るかも何でもイイと思う。

Sho: 個人的にはいろんな面があって良いとは思います。というかアヤさんの場合は、他人はアヤさんが個性的な写真撮ると思ってるのでは?

Aya: そうらしい笑

Sho: コンセプトによって色々試すのもありだし。今回は、自由に、とか今回はわざと無個性風にとか、縛りを入れたりしながらやるのが楽しいっていう面もあると思いますよ。一つのスタイルで突き進むのも素晴らしいですけどね。

Aya: ほかの表現メディアもそうだけど、写真も人によって時によって全然ちがうアクションになるということだね。プロジェクトによって、とか。

Sho: そう思いますね。Glen Luchfordとか、キャンペーンとかブランドによって全然写真違くないですか?

Aya: 全然ちがう。でも彼だって分かる何かがある。

Sho: 元々、ライブでミュージシャンの写真とか撮ってたから、比較的エゴが少ないのかなぁとか思ったりしますよね。なんなんでしょうね?ユニークなのは間違いないけど。まぁこういうタイプの人もいれば、Steven Kleinみたいに己のスタイルで突き進むタイプもいますよね。

Aya: 何をもってして「快」か、ということかね。そーゆーのハッキリしてる人が売れる笑

Sho: 個人的な興味とか、癖とか、快とかはあるでしょうね。癖がはっきりしてる方が売れやすいのは間違いなさそう。Glenは同時に個性的なディレクターとかデザイナー達と仕事してて、器用にイメージを一緒に作り上げていく能力も高い気がしますね。なんとなく。

Aya: GlenはShow studioのインタヴューで長々と喋ってたから、色々持ってるでしょう笑 また観なおしてみよう。

Sho: あれいいですよね。勉強になる。

Aya: なる。シムズのも何回も観た。

Sho: シムズの写真は好きだなぁ。クセが強い。

Aya: リンドバーグもすごい観た。

Sho: リンドバーグは、ファッションが別にそこまで好きじゃないし、ファッションを撮ってるつもりない言ってますよね。だけど求められるからやってるって。「価値の刷新」を写真家(リンドバーグ)に託したっていうことでもありますね。日本でもファッション業界であれ、別のジャンルであれ写真家に求めることがそうであって欲しいと切に願いますね。

SHOWstudio: In Fashion
Glen Luchford 編
https://www.youtube.com/watch?v=ZmCXfsuuYL0

David Sims編
https://www.youtube.com/watch?v=QTX-PM3C6mA

Peter Lindbergh編
https://www.youtube.com/watch?v=Y2u2RnAAP9k


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