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美術館メモ

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美術館や博物館の企画展の感想です
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記事一覧

展示会感想|ピカソのお皿、かわいい

展示会感想|ピカソのお皿、かわいい

表参道にあるヨックモックミュージアムでは、ピカソの陶芸作品が展示されています。絵画以外も制作していたピカソの幅広い表現方法を観ることができます。

概要

ピカソの陶芸作品の中でも、「いのち」をテーマにした展示がされています。「いのち」と言っても戦争の残酷さを訴える≪ゲルニカ≫とも異なり、動物たちの活き活きとした様子が描かれているものが多かったです。

感想

ピカソがセラミック(陶芸)作品も作っ

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【展覧会感想】遠距離現在

【展覧会感想】遠距離現在

国立新美術館の「遠距離現在 Universal / Remote」に行ってきた。
タイトルの通り、「距離」が展示の大きなテーマになっている。

家から参加できるオンライン授業はとっても楽だけど、退出ボタンを押した瞬間に終わってしまうのは素っ気なさを感じる。デジタルツールは物理的な距離を埋めてくれるけど、反対に心理的な距離を生む原因にもなるよね。

そして、監視カメラや生成AIといったテクノロジーも

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ファンタジーの世界へ|北欧の神秘 感想

ファンタジーの世界へ|北欧の神秘 感想

SOMPO美術館で開催されている「北欧の神秘」展。19-20世紀の北欧に焦点が当てられています。美術館のHPにも「本邦初、北欧の絵画にフォーカスした本格的な展覧会」と書いてあったけど、北欧の作品を見る機会はあまりなかったので楽しかったです。

概要

北欧と聞いてハマスホイを思い浮かべたけど、今回の展示は北欧の中でもノルウェー・スウェーデン・フィンランドを取り上げています。彼はデンマークの作家なの

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感想|印象派 モネからアメリカへ

感想|印象派 モネからアメリカへ

東京都立博物館「印象派 モネからアメリカへ」
いつも会期ギリギリに駆け込んでしまうので今回は早めに行ってきました。
開催したばかりなうえに東京藝大の卒展もあったからか、平日なのに結構混んでいました。

ウスター美術館はモネの≪睡蓮≫を初めてコレクションした美術館だそう。そういう意味でも「モネからアメリカへ」というタイトルなのかな。
展示全体を振り返ると、モネ以前の作品やアメリカ以外の作品もあって「

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光よ|テート美術館展

光よ|テート美術館展

いつの間にかお正月も過ぎてしまいました。大変なこともたくさんあって、ぼうっとしていたらまた一年が終わってしまいそう。
今年はみなさんみたいにきれいな文章を書きたいな。

東京展も大阪展も終わってしまったけど「テート美術館展 光」を見に行ったので、忘れないうちに振り返ろうと思う。特にお気に入りの作品をつらつらと書いていきます。

■ジェームズ・タレル《レイマー、ブルー》
一番印象に残った作品。展示室

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モネ、いろいろ|モネ連作展

モネ、いろいろ|モネ連作展

100%モネ!360°モネ!!
上野の森美術館「モネ 連作の情景」展に行ってきた。
「これもモネの作品!?」という驚きも多い最高の展示だった。

平日とは思えない混雑に驚いたけど、譲り合いながらゆっくり見る事ができた。入口にはいきなり「睡蓮を歩いてみよう」コーナーがあった。
蓮を見る事はあってもその上を歩くことはなかったので新鮮。床に映し出された蓮の葉を踏むと、沈み込む感覚がして楽しい……。

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キュビスムってすごい

キュビスムってすごい

先週キュビスム展に行ってきた。
キュビスムはピカソくらいしかしらない私は、ぐちゃぐちゃした構図の難しい絵という印象を持っていた。しかし「キュビスム入門」という感じで、時代や作風の変化が理解しやすい大満足の展示だった。

キュビスムは、ブラックの絵画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来し、後の芸術に大きな影響を与えたという。事前知識はこれだけで、何も知らない状態で乗り込む。

わくわくしなが

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妖怪たくさん|やまと絵展

妖怪たくさん|やまと絵展

東京国立博物館で開催されている特別展「やまと絵―受け継がれる王朝の美―」に行ってきました。12月3日に終了なので滑り込みです。同じような考えの方が多かったのか、平日なのにかなり混んでいました。
教科書に載っている作品が大集合していたのですが、書写された文字や煌びやかな料紙なども展示されています。自分があまり注目していない作品も見ることができ、見応えたっぷりでした。

実は今回、怪異や地獄を描いた作

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