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光よ|テート美術館展

いつの間にかお正月も過ぎてしまいました。大変なこともたくさんあって、ぼうっとしていたらまた一年が終わってしまいそう。
今年はみなさんみたいにきれいな文章を書きたいな。

東京展も大阪展も終わってしまったけど「テート美術館展 光」を見に行ったので、忘れないうちに振り返ろうと思う。特にお気に入りの作品をつらつらと書いていきます。

■ジェームズ・タレル《レイマー、ブルー》
一番印象に残った作品。展示室とは別な部屋に入っていくと青白い光が。
美術のことは全然わからないけど、ただただ「すごい」と思った。

© 2023 James Turrell. Photograph by Florian Holzherr

「私の作品には対象もなく、イメージもなく、焦点もありません。対象もイメージも焦点もないのに、あなたは何を見ているのでしょうか。見ている自分自身を見ているのです」との解説。

部屋の奥から声が聞こえてきて吸い込まれてしまいそうな感覚がした。『塩の街』という小説に出てくる白い部屋を思い出したりもした。無機質だけどしっかりと覚えておきたい気持ちになって、じーっと光源を見ていた。

■リズ・ローズ ≪光の音楽≫

この作品も一つの部屋をまるごと使っていた。バババという音を立てながら強い光が絶え間なく炊かれていて、なんだか機関銃みたいだった。自分の影が壁に投影されているのが撃ち抜かれているみたいで、壁際で様子を見ていた。美術館の方に「影を楽しんでくださいね」と言われたのが驚きだった。見るだけじゃなくて観客が参加して完成する作品もあるんだ……。

■ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー ≪湖に沈む夕日≫

全体に光が広がっている神々しい絵だった。「夕日」という題名だけど朝日にも見えるような明るさで、白色の使い方が本当に上手。

■ジョセフ・ライト・オブ・ダービー≪トスカーナの海岸の灯台と月光≫

ターナーとは反対に昏い光が印象的な作品。
静かな雰囲気で波の音や虫の声が聞こえてきそう。カリブの海賊の入り江のBGMを思い出した。

■ジュリアン・オピー≪トラック、鳥、風≫

写真をデジタル処理した作品だそうで、ゲームみたいだなというのが第一印象だった。後から調べたら「1990年代後半のオーピーの作品の多くは、コンピューターゲームや子供の絵本の象徴的な風景をシミュレートしている」と出てきて、やっぱり!と嬉しくなった。
作品を見たとき頭に浮かんだのは「ファミレスを享受せよ」、色使いと優しい雰囲気が素敵なゲーム。

なあ君、ファミレスを享受せよ。

青みがかった夜空は現実にはないだろうけど、何かが起こりそうな、冒険が始まりそうなわくわくした気持ちになった。月が綺麗な日は本当に散歩したくなるから、月にはそういう引力があるのかも。


一つのテーマで絵画、写真、映像など沢山の作品が見れたのがとても楽しかった。現代美術の入門という意味でも行けてよかった。

美術展の振り返りをするとき、読みがいのある文章を書こうとして堅苦しくなってしまうけど、今年は思ったことをそのまま表現したいなあ。

今年もよろしくお願いします。

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