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飛び出して広がった世界


今回は、ワーキングホリデーのお話を。コロナでロックダウンも経験して色んな意味で思い出深いので、こちらも不定期に書き綴っていきたいなと。でもその前に、ワーキングホリデーに行くきっかけになったことから書き留めておこうと思う。


27歳の春、ニュージーランド南島へ旅行した。それが初めての海外旅行だった。きっかけは小学生から仲の良い友達がワーキングホリデーでニュージーランドに渡航していたこと。その友達が住んでいる間に遊びにいっちゃおうと早々に飛行機を予約してその友達を尋ねる計画を立てていた。

しかし、その友達はプランの変更があり、北島へ移った。更に、私が訪ねる頃にはアジア圏へ旅に出たいとのことだった。私は南島への飛行機をセール価格で抑えていた為キャンセルが出来ず、一人で行ってみようかなとひとり旅へ路線変更を考えていた。

けれど、一人暮らしもしたことのない娘の初めての海外ひとり旅を、超絶心配性な私の両親が認めるはずもなく、冷戦状態を続けていた。

そんなある日、ひとりの友達にそのことを話すと、私が一緒に行こうか?ニュージーランド楽しそうと一言。彼女のフットワークの軽さと思い切りの良さにとびきり感謝した。神様かと思った。

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(善き羊飼いの教会/ニュージーランド)


結果、私はこのニュージーランド旅行で人生が変わった。ある1組の親子が私に衝撃をくれた。

この旅行に行く直前、当時勤めていた会社に新しいアルバイトの男の子が入社した。聞くと、ニュージーランド南島で留学経験のある子だった。これは!と思い、すぐに話しかけて旅行の予定があることを話すと「現地の友達を紹介するから色々案内してもらってください!」と段取りをしてくれた。それが、ニュージーランド在住のある日本人親子との出会いだった。


空港に迎えにきてくれたお母さんは、私がこれまでに出会ったことのないオーラを持ったお母さんだった。揺るがない自信というものを持っていて、それが立ち姿や話し方にそのまま表れている。そんな感じだった。自分の人生を自分の力で歩んできたからこそ生まれるような自信。シンプルに言うと、カッコ良かった。

そして私より4歳年下の息子さんは、私の周りにいる同い年より、しっかりはっきりしていた。息子さんが友達を呼んで、ドライブに連れて行ってくれた。いくつか観光地へも案内してくれた。その道中、彼は私に尋ねた。


「夢は、何ですか?」

衝撃的だった。ここ数年間、夢について誰かと話したことがあったかな?私はいつから自分の夢について考えることをやめていたんだろう、と。

週末休みで残業も比較的少なく決して高くはないけれど毎月お給料がもらえて実家から近い地元企業に勤めて、仕事終わりには時々友達と会って美味しいご飯を食べる。会話の内容は大体が婚活か、過去学生時代の面白かったこと、大して仲良くもなかった同級生が現在どうしてるという話。

そういう日々を安定と呼ぶのなら、私の日々は安定していたかもしれない。楽しくなかった訳ではない。ただ、退屈だった。終わりの見えないそんな日々は、安定というより寧ろ不安だった。

そして、そんな日々を終わらせる勇気を出せない自分が、凄く嫌いだった。


20歳の頃、私には夢があった。ワーキングホリデーをして世界中に友達を作る!という夢。留学でもないワーキングホリデーなんて現実逃避だという周りの意見に強い意思で向かうことも出来ず、海外で暮らすことへの勇気が出ないまま時間は過ぎて、夢見ていたことすら忘れていた。そんな私への彼の質問は、衝撃でしかなかった。

後先を考えて安定した日々を生きていたって、後に何があるかなんて誰も分からない。それなら、今の自分の気持ちを大切にしよう。もう決めた!ワーホリする!その旅行中に、私は退職とワーホリを決意した。


きっかけは、いつだって周りが与えてくれる。

先にワーホリしていた友達がいなければ、ニュージーランド旅行の計画は立てなかっただろうし、一緒に行くと言ってくれた友達がいなければ、実際に行くことが出来ていなかったかもしれない。当時その会社で働いていなければ、素敵な親子に出会うこともなかった。

だから、きっかけを与えてくれた周りのみんなには、本当に感謝してる。ただ、そのきっかけをきっかけと捉えて行動するかどうかはいつだって自分次第。直感を信じて行動すれば、自分の生きる世界は自分で変えられる。



じっくり読んでいただけて、何か感じるものがあったのなら嬉しいです^^