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なぜ読書は最良のインプットの方法なのか


またすごい本に出逢ってしまいましたので紹介します。即座に実用的な本です。
菅付雅信氏の『インプット・ルーティン』です。


著者=菅付雅信氏について
菅付雅信(すがつけ まさのぶ)は、日本の評論家、編集者であり、東北芸術工科大学の教授。
1964年に宮崎県宮崎市で生まれ、法政大学経済学部を中退後、編集者としてのキャリアをスタート。

「宝島」「月刊カドカワ」「Cut」「エスクァイア日本版」などの編集部を経て、独立。
その後、「コンポジット」「インビテーション」「エココロ」の編集長を歴任し、現在は株式会社グーテンベルクオーケストラの代表取締役を務める。

著書には『編集天国』『はじめての編集』『中身化する社会』『物欲なき世界』『写真の新しい自由』『動物と機械から離れて』などがあり、編集や社会の変化についての洞察を提供しています。


さて、『インプット・ルーティン』のなかで著者は「桁外れのクリエイターたちは桁外れの読書家である」という説をもとに、この本を展開していきますが、この点について皆さんはどう思いますか?

やっぱりなにかをクリエイト(創出)するには「読書」という行為は不可欠なのでしょうか。
どうでしょうか?

「インプット=知識の拡充: 多様な知識や情報を摂取することが、新しいアイデアの基盤となり得る」という点でいえば、読書に限った話ではないような気はします。

現代であれば、XやInstagram、TikTokを見ることもインプットといえばインプットに当てはまるのかもしれません。

しかし、インプットしたからといって、かならずしも優れたアウトプットにつながるかといったらそうではないわけです。

重要なのは、インプットした内容をどのように自分の創作に活かすかという点です。

インプットを通じて得た知識やアイデアを独自の視点で再解釈し、新しい形で表現することが創作の本質であるといえます。

TikTokやInstagram等のSNSでの情報収集がクリエイティブな成果につながりづらいのはそのためです。

コンテンツはあふれかえっていて、波のように絶えず押し寄せてくるために、インプットを通じて得た知識やアイデアを独自の視点で再解釈するための時間までを確保することが難しい。
そのため、インプットした内容を自分の創作に活かしづらいのです。

このような近年の情報環境のありようは「アテンション・エコノミー」と呼ばれます。

アテンション・エコノミー

情報が溢れる現代社会において、私たちの注意力や集中力は最も貴重な資源であるといえます。

膨大なコンテンツが次々と生成され、私たちの視線や時間を奪いあうなか、どの情報に注目するかが決定的な価値を持つ、この環境では、企業やメディアは私たちの意識を引きつけるためにあらゆる手段を講じます。

その結果、絶え間ない情報の波にさらされることによって、私たちは深い思考や創造的な再解釈のための時間や静寂が奪われてしまいます。

SNSを通じてインプットされた知識やアイデアを独自の視点で再解釈し、新しい形で表現することが難しいのはそのためです。

アテンション・エコノミーの中で真にクリエイティブな成果を生み出すには、意識的に「絶え間ない情報の波」から自分を切り離して、自分だけのプライベートな時間と空間を確保しなくてはなりません。

静寂と内省の時間を大切にすることで、「注意力」を張りつめさせながらインプットをして、その内容を熟考し、独自の創作へと昇華させることができます。

それゆえにインプットの方法としては、多様な方法があるといえますが、とくに読書についていえば、注意力と集中力、そして思考力を高める効能があるのではないかと、ぼくは考えるのですが、どうでしょうか?

そのように考える理由は3つあります。

①読書は長時間にわたって、ひとつのテキストに集中することを必要とするからです。

②読書はただ情報を受け取るだけでなく、その内容を分析し、批判的に考える力を育むからです。これによって、独自の視点で物事を捉える能力が向上すると考えます。
ただし、この点については、例えば映画を観ていてもそれについて批判的に考察してみることは可能であるといえば可能であるはずなのです。
けれども、自分の批判的な思念を言葉にして表現するための能力っていうのはやっぱり読書によって養われるものだとは思うのです。

③読書は静かな環境で行われることが多く、マインドフルネス的な効果を実感できます。
また、物語を読み進める過程で想像力が刺激され、視覚的なイメージや感情的な共鳴を生むことによって、「映像的イメージ=映画やドラマなど」を観たときに考察するための力を養えます。


今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。