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ポップインサイト創業記

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会社創業の悪戦苦闘について、経験・学びの言語化もかねて創業記として振り返っていきます。起業を考えている人に参考になるよう、できる限り具体的な内容を伝えていきます。
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#起業

ポップインサイト創業記(76)〜メンバーズグループに入る

約8ヶ月に渡ってお届けしてきた「ポップインサイト創業記」ですが、いよいよ第一部のエンディングを迎えました。今回は、最後のハードルと言えるような状況を何とかクリアして1つ目の目標地点へと到達した、というエピソードをお伝えしたいと思います。 「事業計画」と「直近の業績」メンバーズ社からM&Aの打診を受けていたポップインサイトですが、M&Aをする為には、「投資するだけの価値がある会社である」という評価を受けなければいけません。そして、評価してもらう為には多岐にわたる資料を提出する

ポップインサイト創業記(75)〜M&A交渉と繁忙期が重なる

メンバーズ社からのM&Aの打診を受け、手続きを進める為にデューデリジェンス(投資価値調査)の為の膨大な資料準備を行っていった訳ですが、その作業は丁度、本来の業務においても1年で最も忙しい、年度末の時期とタイミングが重なってしまっていたのでした。 今回はそんな超業務過多の中、工夫しながらM&Aの為の資料準備と本業の両方をやり切って行った際のエピソードを紹介させて頂きます。 膨大な資料準備に携われるのは自分ひとりだった前回の記事((74)〜M&Aの打診を受ける)でも紹介した様

ポップインサイト創業記(73)〜オフィスレスなのに採用増加

この当時のポップインサイトは、ドラスティックなコストカット戦略の一環でオフィスを無くしていた訳ですが、そんな中でも以前紹介させて頂いた様に、予期せぬ所からリモートワーク前提での応募者がどんどん来ていました。 その中から社員になった人には優秀な人材が多く、その大半が今も事業を支えるメンバーとして活躍しています。今回は、そんなオフィスが無い状況下でどの様に採用をしていたかを紹介させて頂きます。 その大半が今も事業を支えてくれている存在になっている当時のポップインサイトは、オフ

ポップインサイト創業記(72)〜4人目の取締役 森川君が合流

今回は、起業時にインターン生で来ていた凄く優秀な大学の後輩を、改めて取締役としてスカウトした際のエピソードを紹介したいと思います。 喜多君に替わる優秀なエンジニアが必要だった懸命な努力を積み重ねて危機的状況を脱し、新たな体制を整えつつ再スタートしたポップインサイトでしたが、以前の記事で紹介した様に、このタイミングで共同創業者だった喜多君が、外部から協力してもらう様な形にシフトしていました。(参照:(71)〜リスタートの為の新体制を整える) 喜多君は大変優れたエンジニアだっ

ポップインサイト創業記(71)〜リスタートの為の新体制を整える

今回は、大幅な縮小を完了した上での新たなるチャンレンジに向けて、新体制を整えていったというエピソードを紹介させて頂きます。 S君は新事業へシフトすることに以前の記事で紹介した様に、ポップインサイトが危機的状況を迎えた際に、それを乗り越えるための方法として、ビジネス能力が高い4人のメンバーが各々役員報酬や給与を大幅に減らして半ば副業の様な形にしつつ外部で稼いでくるという体制を採っていました。(参考:(63)~大規模縮小の決断)今回は、その後この4人の副業体制のメンバーの内、私

ポップインサイト創業記(70)〜立て直しに向け体制強化

大幅なコストカットとビジネスモデルのストック型への移行が上手く行き、次は再びの安定した黒字化へ向けてチャレンジしていくという段階に入りました。今回は、そんな新たなフェーズに入るに当たって強力な人材をスカウトしたというエピソードを紹介したいと思います。 黒字化への再チャレンジへ黒字化への再チャレンジのフェーズに入る訳ですが、そもそも一時的に危機的状況を招いた原因は明白でした。元々とにかく手堅く堅調にやってきた所、成長の遅さからの焦りがあって間違えて規模を拡大していただけなので

ポップインサイト創業記(69)〜メンバーズへのツール導入

今回は、後にM&Aにてグループ入りする事になる“株式会社メンバーズ”にユーザテストのツールを導入してもらったエピソードを紹介したいと思います。 ストック型ビジネスへの移行以前の記事で、ポップインサイトのビジネスモデルを単発発注のスポット型から長期継続受注のストック型へ移行する取り組みを始めたというエピソードを紹介しました。(参照:(64)〜スポット型からストック型へビジネスモデルの転換) その時のストーリーはどういったものだったかと言うと、前職の同期で当時自身で立ち上げた

ポップインサイト創業記(68)〜意図せずリモートワーク応募が急増

今回は、全く予期しない所からリモートワークを前提とする求職の応募が突然増えた、というエピソードをお伝えしたいと思います。 なぜか急に採用の応募が増えてきたここまで紹介してきた様に、私達ポップインサイトは2015年の終わり頃から体制を“フルリモートワーク”へと移行していました。しかし、これは自分達から求めて得た状況ではありません。ドラスティックなコストカットの一環でオフィスをクローズした事でリモートワーク化せざるを得なくなった、というのが率直な実情でした。 そんな状況の中、

ポップインサイト創業記(67)〜動画マニュアルを導入

私がリモートでのグループワークを行う上で活用している手法の1つに、“動画マニュアル”があります。今回は、私がこの動画マニュアルの手法を本格的に導入する契機となったエピソードを紹介します。 退職時の引き継ぎマニュアル作りは難しい前号にて紹介しました様に、ポップインサイトをリモートワーク化へ体制移行させていくプロセスの中で、残念ながら社員が退職してしまうという出来事がありました。(参照:(66)〜テレワーク化のデメリットに直面する) 社員が辞めるということは、その人がやってく

ポップインサイト創業記(64)〜スポット型からストック型へビジネスモデルの転換

ビジネスを継続する為には、ビジネスモデルを単発の発注を受ける”スポット型”から、毎月継続の形で契約する“ストック型”へと変えていく必要があります。今回は、私がポップインサイトをスポット型からストック型へ方向転換させていった際のエピソードを紹介します。 目前の事に必死で“スポット型”になっていた前回までの記事で紹介した様に、創業3年目のポップインサイトは、それまでの堅調な成長からは信じられない突然の危機的状況を迎え、それを乗り越える為に一気に無駄な物を排除するという状況にあり

ポップインサイト創業記(62)〜2件の大きな失注が決め手となり体制を大きく変える事を決意

3年目の春から夏にかけて創業後初めての危機的状況を迎えた頃、一発逆転を狙って大型案件の提案をしました。今回はその際のエピソードを紹介します。 規模感を維持する為に大型案件を提案危機的状況が続いていた8月、大きいコンサルタント案件を2件提案しました。 綺麗で大きいオフィスへ移転し、インターン生を急激に大量採用し、外部顧問サービスをスタートするなど、規模感を上げてしまったものの、当時のスポット受注メインのビジネスモデルだと到底、膨れ上がってしまっていた現在のコストを賄うのはか

ポップインサイト創業記(61)〜「一人ワースト会議」で最悪の事態を想定する

前号まで紹介して来た様に、私達ポップインサイトは調子にのってしまったことで好調から一転ピンチを迎えた訳ですが、そんな状況を打開する為に私が試みていた「一人ワースト会議」という取り組みを紹介します。 毎月1回最悪を想定する一人会議を開催当時私は、毎月1回ワーストケースを考える一人会議の場を作っていました。第3土曜日に予定を入れて、もっとも悪い状況になったらどうなるかを想定しておくようにしていたのです。最悪を想定して心算と準備ができていれば大半の事には対処できます。そこで、「1

ポップインサイト創業記(60)〜顧問サービスを導入

今回は創業3年目の4月にあった、突然売上が落ちたものの、まだその頃は楽観視していたので、さらなる事業拡大を見据えて外部のプロ人材を顧問に採用したというエピソードを紹介します。 焦りを解消する為に顧問サービスを使うことを検討当時の私には、「起業して3年も経ってるのに、規模感も全然出ていない」という課題感がありました。実際は堅実に成長できていたのに、周りの華やかなベンチャーを見て、必要以上に焦っていたのです。 会社もそうですが、自分自身にも物足りなさを感じていました。実直に仕

ポップインサイト創業記(59)〜スタートダッシュで1ヶ月間に1000件の登録に成功

前回紹介した新サービス「Usertest Express」は、リリース後わずか1ヶ月で1000件を超える登録を達成しました。1ヶ月で登録数1000件は、かなりのハイスピードな成果だったと言えます。今回は、当時どのようなアプローチを行うことで、この様な成果を上げることができたのかを紹介したいと思います。 認知度が低いなら泥臭いアプローチで行こう!前回紹介した新ツール“Usertest Express”のサービス(参照:(58)〜新ツール「Usertest Express」を開