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ポップインサイト創業記(76)〜メンバーズグループに入る

約8ヶ月に渡ってお届けしてきた「ポップインサイト創業記」ですが、いよいよ第一部のエンディングを迎えました。今回は、最後のハードルと言えるような状況を何とかクリアして1つ目の目標地点へと到達した、というエピソードをお伝えしたいと思います。

「事業計画」と「直近の業績」

メンバーズ社からM&Aの打診を受けていたポップインサイトですが、M&Aをする為には、「投資するだけの価値がある会社である」という評価を受けなければいけません。そして、評価してもらう為には多岐にわたる資料を提出する訳ですが、資料の中でも特に重要な要素に「事業計画」と「直近の業績」の2つがあります。

まず1つ目の「事業計画」ですが、将来的にM&Aを前提としている会社であったり、既に外部の投資を受けている企業は、自社をアピールする為に「事業計画書」を既に作成しているので持っています。しかし、ポップインサイトの場合は、元々M&Aをする予定だった訳ではないし、外部の投資が入っている訳でもなく、事業計画書がありません。そこで、改めて現状を踏まえて作成する必要がありました。

事業計画は、予測が高過ぎても低過ぎても良くありません。手堅いつもりで低い計画を立てては「投資に評価が見合わない」ということで受け入れられず、実現不可能な高すぎる計画も「事実と異なる」と受け入れてもらえません(受け入れらたとしても後々自分の首を締めることに)。つまり、現実味があり、且つ、一定程度攻めていくプランニングが必要で、手堅いケースと攻めたケースの中間の言わば“ミドルケース”の様なプランが求められる訳です。当時のポップインサイトは古参メンバーがほぼいない状況になっていた事から、私一人で事業計画の策定から事業計画書の作成まで行わなければいけませんでした。

もう1つ大切な要素は「直近の業績」です。評価を受けるに当たって、直近の業績は当然最も重視される要素です。因みに、M&Aを行う際には、直近の業績を提示する為に、毎月月の収支を締めたらすぐに先方へその情報を共有して行く形をとります。

新たな体制下で実績を出さなければならない

しかし、私達ポップインサイトの場合は、1年半程前には一回危機的状況になっていて、その状況だった当時の評価は間違いなく低評価だった訳です。それを乗り越える為に、役員体制を替え、ビジネスモデルをストック型に変えるように努めたり、オフィスを止めてリモートワーク化してきたものの、勿論すぐに好業績化できていた訳ではありません。

そんな状況だったにも関わらず、丁度その頃にさらに大変な出来事が起こってしまいました。役員以外で残っていたベテラン社員2人の内の1人から、「新しいチャレンジをしたいんです」と、退職希望が出されてしまったのです。さらになんと、翌月には、残る最後の1人からも「別な事に挑戦したいので」と退職希望が・・・。

そもそも少なくなっていたベテラン社員が、ゼロになってしまった訳です。正直、「おっと、このタイミングで来るか」といった気持ちでした。

この様にこの時期は、一方では輝ける未来にに向けたM&Aの為の前向きな事業計画の策定や直近の業績を上げる為の努力をガンガン進めていたにも関わらず、もう一方では、ベテラン社員がゼロになってしまうという事態が起こっていたのです。正直、「果たして、やっていけるのかな」と不安な気持ちも過りました。

新たなメンバー達と繁忙期を乗り切る

さらに、この2月3月という月は、私達の様なBtoBの業態にとって一番の繁忙期で、クライアントからの発注が増える時期でした。その為、幸いな事に受注は非常にたくさん来ていました。

ベテラン社員がいなくなったとは言え、その少し前に加入してくれていた心強いCOOの武久君や、新役員の森川君、古参の役員木島さん、新たにリモートで加入してくれていた新社員の人達などのメンバーが大活躍してくれました。

勿論、新体制のチームが無我夢中で取り組んだ感じだったので、決してスマートとかエレガントといった感じには行きませんでした。相当わちゃわちゃした感じではありましたが、退職したメンバーが残してくれていた動画マニュアル等を駆使しながら皆で精一杯取り組んだ結果、事業計画で設定していた以上の業績を上げる事に成功しました。さらに、全てのM&A用の資料の方も完成させて提示を完了。無事にM&Aの合意に辿り着く事ができたのです。

なんとか1つ目の目標地点への到達に成功する

振り返って思うのは、現実が伴わない過度な目標設定や事業計画を掲げるのは良くないと思いますし意味がありませんが、難しい局面に弱気になってしまったり現実だけを見て過度に手堅くやり過ぎても、上げられる成果には限界があると思います。それよりも、冷静に現実を見ながらも目線は常に高く持ち、その上げた目線の方向に現実を近づけていく努力をする事が大切だと思うのです。

私の場合はその様に努力した事で、良い成果を残す事ができました。かなりバタバタで大変ではありましたが、乗り越える事に成功して1つ目の目標地点への到達に成功できたのです。大変だった事も、今となっては全てが良い思い出と経験になっています。

実はこの後、ポップインサイトにはまだまだ様々なドラマが起こります。体制はアルバイトも含めて全体で50人を超え、完全フルリモート化し、売上や会社規模も数倍に成長して行きます。

ですが、ここで一旦「ポップインサイト創業期」は第一部を終了して、少し休憩し、続きはまた改めて別の機会にお伝えさせて頂きたいと思います。
ここまでお読み頂けた方皆様には、心から御礼申し上げます。
皆様、どうもありがとうございました!

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