や〜っと来た 金沢 ①
2年前、GOTOトラベルを利用しての金沢旅行が、直前になって、コロナ再悪化でキャンセルに。あちこち周って来た私が、なぜか日本海側に1度も行った事がなく、
「私は日本海の土地に縁がないのかしら…」
ガッカリしていましたので、想いの募る恋人に再会する気分?エンジンのかかり具合は上々、下調べも楽しかったです。
親友のような、ダメな後輩のような、気のいい弟のような、いつもの夫を連れて、出発です。
★ 北陸新幹線「かがやき」
全席指定の新幹線。
ファーストクラスのような軽食とドリンク飲み放題の「グランクラス」プレミアムシートがあると聞き、好きなのに列車にあまり詳しくない私は「一生に一度、話のネタにそんなのにも、乗ってみたい」とトライしかけたんですが
「え、は? 往復4万円プラス?2人で8万円プラス?それに加えて普通料金もかかるぅ?え〜?…やめます!」
ムリ。高すぎますJR。
◎ 金沢駅
★ 鼓門
テレビや雑誌で散々見たけれど、やっぱり実物は違いますね。胸が高鳴る。
能楽の鼓をイメージして、到着したお客様に傘を差し出す「おもてなし」が、金沢駅のコンセプトだそう。あら嬉しい。
☆ 噴水時計
巨大な駅舎に気を取られて見過ごしがちの駅前の噴水。が文字盤になっていて、小さな噴水が文字盤になって形作る時計や「WELCOME」などメッセージになる。なんか地味に健気で好き。
◎ にし茶屋街
金沢は昔から、お茶屋文化があり、歌や踊り、芸事で成り立っていた。芸者が行き交っていた時代の、その色っぽい佇まいを、大切に遺していていて、ほの灯りに三味線の音が聴こえて来そう。日本海の風吹く都の栄華を今も感じられるのが、金沢人気なのですね。
★ 落雁 諸江屋
江戸時代末期から170年も続いている店。
どれも丁寧な仕事。
だが、私にはこの落雁の高尚な味が今ひとつわからない。
「こちらも(試食)ございます。あ、こちらもどうぞ」
甘党の夫が勧められるままに、じゃんじゃん食べて
「さすがに腹いっぱいだよ」
迷ってました。
たらふく食べた夫が、決めました。落雁の間にあんこがサンドした「万葉の花」
パティシエの次女も(土産に)大喜びしてました。
★ 甘納豆 かわむら
こちらも人気抜群の老舗、朝から観光客がやって来ます。
2階の喫茶「ノマノマ」で、念願のブレイク。
○ 私は、三種の豆茶セット
で、飲み終わった後、急須の蓋を開けてビックリ!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
大量の蒸豆が。謎だった小皿の粗塩は、これをつけて食す。これこそ豆、素の豆の味。ホカホカな豆はかなりな量、でも美味しい。
1階の売場の奥の中庭イートイン席。水の中に椅子って、リノベーション時の斬新な試み?うっかり色々濡らしちゃいそう。豆、コロコロポッチャンって転がりそうなのに。
★ 谷口吉郎・吉生記念「金沢建築館」
金沢が生んだ有名な父子、二代建築家のミュージアム。数年前に出来たばかり。父子でありながら、違いも美意識も感心しながら見てまわる。
○ 父・吉郎は、日本を代表するモダニズム建築の大家。ホテルオークラのロビーや東宮御所、国立劇場など名建築は数々。
谷口吉郎は、金沢の由緒ある九谷焼窯元の家に生まれた。
でも、窯元は言わば頑固な職人気質なはずだが、吉郎の父は、あの時代に家族も商売も放り出して、長い船旅でヨーロッパに視察に2度も行っている
「おいおい九谷焼に託けて〜〜」
今にして思えば、父からの新しものへの並外れた好奇心は脈々と子から孫へと受け継がれて行く事になる。
私が谷口吉郎に驚いたのは、1930年代に彼は自宅に床暖房をつけている。「実験だった」と記してあるが、1930年にそんな発想があったなんて。この人は画期的に前のめりだったのだと思う。
○ 息子・吉生はハーバード大を出て、打ちっぱなしコンクリートと水盤と緑を使う。スタイリッシュと自然を融合する建築で一世を風靡。NYの近代美術館新館や葛西臨海水族館、金沢にも数多くの建築があり、この自身と父の「金沢建築館」の設計建築も、もちろん吉生本人のもの。嬉しかったに違いない。
展示は撮影出来ませんでしたが、かなり専門的なものも多く、建築を目指す人のための設計図や資料なども大量にありました。
○ カフェ
コロナ対策のテーブルガードも、中央のほのかな灯りで素敵に。小さなグッドデザインが全体をサポート。
★ 柳宗理記念デザイン研究所
(金沢美術工芸大学)
美しいデザインの鍋やキッチングッズでおなじみ、柳宗理のデザインの数々が展示。無料です。(売ってはいませんでした)
優しいデザインの数々は、今の時代にも新しく感じられ支持されている。意外にも彼は、東京の原宿生まれでしたが、金沢で教鞭を取り、96才で亡くなるまでデザインに携わっていたと言う。センス際立つ根っからのデザイナーだ。
★ 主計街茶屋街
柳宗理研究所も、この辺りの寺町にあります。この裏手に文学的とも言いましょうか、人目を避けた抜け道のようなコチャコチャした路地が多くある。泉鏡花記念館から「暗がり坂」「灯り坂」を通って浅野川にかかる橋まで。忍んで歩く妙な艶かしさは創作意欲を掻き立てるのだろう。
◎ 浅野川にかかる橋
◼️ 中の橋
★ 鈴木大拙館
先ほど出てきた谷口吉生の建築。素晴らしい出来映えだ。外国での評価も高く有名で、ひとめ見ようと外国人客も沢山訪れていた。
仏教学者で禅文化を英語で世界に広めた。96才逝去。
彼の妻は、8才年下のアメリカ人・ベアトリス。ニュージャージー州の出身で禅の研究を同じくしていて日本で出会った。実子と養子、2人のハーフの息子を持ったが、61才で大拙らを遺して早逝。話にはあまり出て来ないが、禅文化の英語訳、多分かなり彼女がサポートしたはず。
◎ 鈴木大拙館の庭園
「わぁ!」
綺麗に苔むした黄緑色のこんもりした世界に思わず声を上げる。誰もいない静寂の中で生命が確かに息をし、まさに草燃ゆだ。黄緑色が彩度のバリエーション豊かに輝いている様は万国共通。
「ああ」
言葉など必要ない。
★ 甘味処 つぼみ
ミシュラン2つ星の日本料亭「杉の井」の姉妹店。大人気店なので、週末はかなり並ぶそう。平日だった私達は、すんなり入れましたが、全席が女子、全員が葛切り食べてました。人気店あるあるなのかしら、作り方が少し雑な感じ。葛切りは確かに美味しいけど、器がダサい。盛り付けにセンスが足りない。これ見たら京都人は、ちいと、笑うな。東京人の私も笑た。良い所も勿論あるのだから、ほんと勿体ない。まず初心に戻るべき店、ガンバレ。ちょっと宣伝が過ぎるのだ。
金沢の建築やカルチャーを、足早にギュギュッと詰め込みました。人の欲望って、やだ恐ろしっ。キャッ私の事だ。
そう、まだあるんです。次は能登半島、知らない道を「行っくぞ〜〜♫」バンバン走って来ました。早めに忘れないうちに次をアップ、頑張ります。
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