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ぽんこついんず奮闘記

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今の会社が合っていない気がする?何がしたいか分からない?アパレルの販売員からの、異業種転職、脱サラまでの経験を小説風に連載しています。自由な生き方のヒントに!!!
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#小説

ぽんこついんず奮闘記 VOl.1 姉の苦悩

ぽんこついんず奮闘記 VOl.1 姉の苦悩

「ほらっ、突っ立てないで、前面に出ていらっしゃいませ。」

私は、震えた声で、「いらっしゃいませ」と言ったが、多分自分にしか聞こえず、百貨店内の雑多な声に、かき消された。

2008年4月、私たち双子は新卒で同じ会社に入社し、希望を胸に社会人の仲間入りをしていた。

双子で同じ企業に入りたかった訳ではなく、お互い志望の第10希望くらいまでは別のセレクトがあったが、軒並みで希望は打ち砕け、たまたま一

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ぽんこついんず奮闘記  Vol.5妹の決心

ぽんこついんず奮闘記  Vol.5妹の決心

「昔の営業はホントに大変でな。血吐くぐらい頑張った」

また、お決まりのフレーズ。
今日も、私とほぼ同期のダメンズは、夜な夜な先輩に連れ出されていた。威勢よくビールを飲み干すと求人広告営業30年以上のベテランのおっさんは、おっぱいやら尻やらコンプラ度外視の話題で笑わせようとした。今なら、セクハラで訴えられても仕方がない飲み方をするおっさんとそれに付き合う私。

でもこれが、「営業女子が生きる道」そ

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ぽんこついんず奮闘記 VOL.6妹の進化

ぽんこついんず奮闘記 VOL.6妹の進化

「いやー販売スタッフ欲しいよ…。でも、今の時代店舗売上が厳しいからさ。求人かけたくても、決裁下りないんだよね…。」

アメリカントラッドの代表的なブランドの担当者が、ボソッと漏らした。

私は、江東区のエリア担当から異動し、千代田区のエリア担当を任されていた。そこで担当したのがこのブランド。後任挨拶で、近況を伺うとそう返ってきた。だから、だいぶ取引きがなかったのか…。

時代は有効求人倍率が1.3

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