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短編小説

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#喜び

猫に小判

猫に小判

こんにちは。

読んでいただきありがとうございます。

「猫」というリクエストをいただきました。

突然ですが「猫に小判」という諺を知っていますか?価値のわからない者に高価な物を与えても無駄だという意味の諺です。

今回はそんな諺を題材に書いてみました。

猫に小判

昔、町の外れの小さな家に佐助は住んでいました。家族はおらず、1人で物書きをして暮らしていました。けれど彼の作品は鳴かず飛ばずで、生

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いつもそこに

いつもそこに

本当に大切な人というものは、なかなかその大切さに気づけない。

だからこそ大切な人達に感謝や愛を伝えられる人になりたい。

私は生まれた時から彼と一緒だった。

彼は、よく泣く子供だった。

お腹が空いては泣き、おむつをかえて欲しいと泣き、眠たいと泣いた。

それから彼はランドセルをかった。

自転車の練習をした。

好きな女の子ができた。

受験をした。

スポーツに打ち込んだ。

一人暮らしを

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ここはどこ?わたしはだれ?

ここはどこ?わたしはだれ?

こんなにも人がいるのに私は1人ぼっちだ。誰も私の存在に気づかない。いや、気づいていても全く関心を示さない。それがこんなにも寂しいことだとは知らなかった。誰か私を見つけてくれ。

思えば私はいつも求められてきた。その度に私は「助けてあげる」という気持ちでいた。いつしか自分が誰かの役に立てる喜びを忘れていたのだ。

だからこんなことになっているのかもしれない。誰も私に関心がない。私は役立たずなのか。い

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ついつい言っちゃう

ついつい言っちゃう

みなさんの周りには人の言ったことを何でも肯定する肯定人間がいませんか?

僕もその肯定人間かもしれません。いやもしかするとそれ以上に厄介な人間かもしれません。

なぜなら僕は人と同じことを言ってしまうのです。誰かが僕に向かって話してくれたことをそっくりそのまましゃべってしまうんです。意識しても直せなくて困り果てているところです。

そんな自分が恥ずかしくて恥ずかしくて嫌になってしまいました。こんな

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