#キャッシュレス決済のポイント還元制度について

 昨年10月の消費増税に合わせて実施された、キャッシュレス決済のポイント還元制度が終了した。
 消費の冷え込みを抑えるとともに、国内のキャッシュレス化を進めるのが狙いで、7700億円超の予算が投じられた。

 増税直後の昨年10~12月のGDPは7~9月に比べて、年率換算7.2%減と大幅に落ち込んだ。また、キャッシュレス決済の割合を2025年までに政府目標4割に設定していたが、遠く及ばない。還元策の消費刺激効果も乏しく、キャッシュレス化も思うように進まなかった。
 そもそも消費増税は、社会保障制度の安定化が目的であった。税率引き上げ幅の2%を上回る還元策を打ち出したことに批判すら出ている。

 ポイント還元制度終了後、キャッシュレス化が普及するのか。

 国は還元期間中、小売店が決済事業者に支払う手数料を一部負担していた。販売額の2%の負担が、通常の5~7%程度に戻れば、中小店舗は負担に耐えられないだろう。手数料の公表を義務付け、決済事業者間の競争を促すべきである。
 消費者にとっても、スマホ決済方法の乱立は使い勝手が悪い。決済事業者が協力してスマホ決済の共通コード導入の話はまとまっていない。
 コロナ禍により、キャッシュレス化のニーズは高まっている。現金を触れる必要もなく、現金管理の手間とコストも削減できる。また、訪日外国人もショッピングしやすくなるだろう。

 9月から、マイナンバーカードの普及とキャッシュレス決済の推進を狙ったマイナポイント制度が始まる。

 キャッシュレス化の普及に向けて、利便性向上や小売店が導入しやすい環境づくりなどが求められる。こうした課題に取り組み、ポストコロナの「新しい生活様式」、すなわち現金払い文化からの脱却を図る必要がある。

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