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おすすめの詩

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今週の詩、おすすめの詩のまとめです。
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#詩人

詩集紹介|弱さは、すべてを受け入れる谷間。田中重人さん詩集『トトとコト』『ヴァルネラブル』

詩集紹介|弱さは、すべてを受け入れる谷間。田中重人さん詩集『トトとコト』『ヴァルネラブル』

小さく祈る夜が来て、朝はまぶしさでいっぱいで。
きらきら光る露を、ほそい糸で通したような詩集に出会った。

徳島・神山町在住の詩人、田中重人さんの第一詩集『トトとコト』第二詩集『ヴァルネラブル』。たまたまインタビュー記事を読んだことがきっかけとなった。

田中さんの言葉に、ひとつひとつうなずき、微発光しているような詩の優しいあかるみに心打たれた。そして気づけば泣いていた。

この詩集をすぐに読みた

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今週の詩(白露)|露(北原白秋)

今週の詩(白露)|露(北原白秋)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週のはじまりは、「草露白し」。露は朝晩の気温が下がる日によく見られ、秋の季語です。

このあいだの朝、畑でミントをつんで座っていたら、朝露がキラキラとたまっているのを見ました。しみじみ見ていると、露がまるい形でとどまっているのがふしぎで、ちょっと指ではじいてみたり。じっと見ていられる姿でした。

そういえば、子どものときも車の窓の雨粒とか、永遠に眺めていられたな

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今週の詩(処暑)│此處で人間は大きくなるのだ(山村暮鳥)

今週の詩(処暑)│此處で人間は大きくなるのだ(山村暮鳥)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週のはじまりは、禾乃登(こくもの すなわちみのる)。
このあいだ、近くをぐるっとドライブをしたときに、稲穂の波を目にしました。黄金色の稲がびっしりと埋め尽くす田んぼの姿は、ほんとうに美しい…
惚れ惚れとしてしまいます。
海や山とは異なる美しさです。

今週の詩は、実りの秋の訪れにちなんでこちら。明治・大正期の詩人 山村暮鳥(やまむら・ぼちょう 1884-1924

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