マガジンのカバー画像

エッセイはとつぜんに

212
つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
運営しているクリエイター

2019年6月の記事一覧

旅人になった日と、それから。

旅人になった日と、それから。

初めてパンパンに荷物が詰まったバックパックを背負ったとき、「ああ、旅に出るんだな」と思った。

リュックは手に持った状態からパッと担ぐもの、というイメージで生きてきた自分にとって、座った状態で背負ってからよいしょ、と慎重に立ち上がらなければいけないそれは、特別感を高めるのに十分なものだった。胸と腰のベルトをカッチリ閉めることで、体全体に重さが分散して楽になる。リュックについている腰ベルトの機能性な

もっとみる
ふと思い出すFさんのこと。

ふと思い出すFさんのこと。

特別親しいと呼べるわけではない間柄のだれかについて、ふと思い出すことがある。ほんとうに何の前触れもなく、ふと。

ここ最近、よくFさんのことを思い出す。今朝も娘を保育園まで送ったあと、街を歩いていてふと、Fさんのことを思い出した。

* 

Fさんはわたしが新卒1年目のときに、途中から入ってきた派遣社員さんだった。基本的には週3回、9時から17時までの間、出社されていた。

当時わたしは右も左もわ

もっとみる

エッセイになる気持ち

おなじみ(?)プログラマの夫が、1週間ほど前から突然、エッセイめいたものを書きはじめた。

これはわたしにとって青天の霹靂である。

いや、だって。これまで彼が書くものといえば、技術の話とか、関わっている仕事やプロジェクトの、ものっすごい細かいポイントについて説明したいがための話とか、またはこういう言葉の使い方には違和感があるとか、とにかく「伝えたい主題や思いがはっきりしている文章」が多かったのだ

もっとみる