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海外生活振り返り日記-ニュージーランド前編-#24

2度目のベイ・オブ・アイランズ-全編-

 学校の中に入っている旅行会社のチラシにベイ・オブ・アイランズのツアーがあった。既に友達と行ったので興味がなかったが、いつも連んでいた韓国人のクラスメイトの1人が、どうしても行きたいから一緒に行こうと何度も誘ってきた。値段もそこそこしていて手持ちのお金も無くなってきてるから難しいと言い続けるも、もうそろそろ学校生活も終わるんだから思い出作りに行こうと言われ、それもそうだなと、最後は押しに負けてツアーに申し込んだ。
 そうなのだ、もうニュージーランド生活の前半も終盤になっているのだ。この頃は、心残りの無いよう北島を楽しもうと、毎週のように学校の日帰りツアーに申し込んだり、クラスメイトとレンタカーを借りてオークランド周辺の観光地を回ったりしていた。
 このベイ・オブ・アイランズツアーは3泊4日 NZ$330で色々なアクテビティが組まれているものだったので、1回目に友達と行った時とは違う場所にも行けるようなので、まぁ良いかと頭を切り替えた。ちなみにアクティブティは現地で各々やりたいものを申し込むので別途でお金がかかる。チラシに何ができるかなど色々書いてあったが、当時の私には難し過ぎて読めなかったので当日まで何をするのか分からなかった。


一日目

 金曜日の放課後3時、大型バスに乗って出発。途中でトイレ休憩をとり、夜の7時にベイ・オブ・アイランズのパイヒアに到着。パイヒアは12月に日本から来た友達と来たところであるが、来るメンバーが違うだけでその土地の雰囲気も違く見えて別の場所に来た気がした。
 夕食は宿泊施設のロッジでバーベキュー。ソーセージやトウモロコシ、食パンを好きなだけ食べる。
 食べている間、紙付きのボードが回ってきた。そこにはオプションのアクティビティが書かれていて、参加したいものがあればそこに日付と自分の名前を書くように言われた。安いものから高いものまで。
 クルーズ、釣り、イルカウォッチング、シュノーケル、ラッセル散策、スピードボートアドベンチャー(これは何だかわからない。バナナボートみたいなやつか?)、カヤック、スカイダイビング、バンジージャンプ、マウンテンバイク、パラセイリング、ジェットスキー……などなど。
 ずらっと並んだ文字が頭に入ってこないのと、節約旅行にしたかったのであまり興味を持たなかった。でもこのオプションのアクテビティを選ばないとただパイヒアをうろうろ散歩するしかなさそうだ。それはちょっともったいないと思い、クラスメイトと一緒にそんなに値段が高くないカヤックに申し込んだ。これは二日目のオプションなので一つ楽しみができた。

 しばらく外でゆっくりしてから部屋に戻り、シャワーを浴びてベッドに入ってしばらくすると、なぜかアクテビティの事が頭をよぎる。
 こんなに節約だとか言っていたのだが、突然スカイダイビングの文字が頭をチラつき胸が躍りだしていた。スカイダイビングは二日目と最終日の四日目に設定されている。どちらの日を選んでもいいのだ。
 子供の頃から、いつかハンググライダーに乗ってみたいと思っていたが、スカイダイビングなんて今までやりたいと思ったことがなかったし、私の人生でそんな選択をする事すら無いと思っていた。しかもこのアクティビティの中で一番値段が高いかもしれない。
 しかし一度目の前に選択枠が現れてしまったら考えてしまうのである。この夜、申し込みはしなかったが、スカイダイビングを想像してドキドキしはじめていた。


二日目

 この日は朝食後、一日中自由行動で、各々申し込んだアクテビティに向けて出発。しかしあいにくの雨。雨でもできるものもあったが、雨の中カヤックするのもな…と思いしばらくロッジで待機した。
 それにしてもつまらない。雨ではやることがない。トランプも何も持ってきていないのでクラスメイトと話すしかない。昼食何を食べたのかも覚えていないが、午後になって雨が少し弱まってきた。このまま待っても晴れることはなさそうなので、水着に着替え、カヤックに乗ることにした。
 雨が降っていてもパイヒアの海は波があまり無く、穏やかなので初めてのカヤックでも余裕で乗りこなせた。晴れていれば海も青く見えてきれいだったのだろうけと、この日は雨で全て灰色。漕いでも漕いでも同じ様な景色だ。
 目の前に小さな島があったのでとりあえずそれを目指して漕ぎ、その後は1時間くらいぐるぐる回っていると腕も疲れてきたので終わりにした。
 こんな文句のような事を言っているが、何だかんだでカヤック体験は楽しかった。

 夜はまたロッジで夕食。みんなで協力しながら何かを作った。何を作ったか忘れたが多分肉だろう。ニュージーランドで肉が出なかった日はない気がする。おかげで肌は荒れ放題で常にニキビができていた。

 夕食後、テーブルで話していると、バスの運転手兼ガイドのバンから声をかけられた。韓国人の女の子が一緒に連れられて何やら相談があるという。
 昨夜この子はヨーロッパ人の女子グループの部屋に入れられたらしいのだが、そこを追い出されたのだという。そこで、他に空いている部屋がないので私達の部屋に入れてほしいとのこと。
 なんだそれは、追い出されるほど何かトラブルがあった様な人と同じ部屋になるのは怖いなと、少し身構えたが、見た感じ優しそうだし全然問題なさそうだったので、どうぞどうぞと受け入れた。
 早速部屋に戻り、何があったのか詳しく聞くと、どうやらシャワーの使い方でトラブルになったらしい。
 話によると、シャワーを浴びた時にシャワーカーテンを使ってなかったらしく床が水浸しになっていたと怒られたらしい。しかしその子はちゃんとシャワーカーテンを使ったし水浸しにしていないと言う。意見が食い違っている。
 まあ、それが本当でも嘘でも、そんなことなら別にいいやと思い、改めて、ようこそと迎え入れた。
 ちなみにその晩その子が使った後のバスルームは水浸しになっていなかったし何の問題もなかった。それに、この子が来てくれたおかげでこの旅はもっと楽しくなったのだった。


2度目のベイ・オブ・アイランズ -後編- へとつづく

※初日と二日目だけで長くなってしまったので、続きの三日目と四日目はまた次回書きます。

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