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2022年9月の記事一覧
【10秒で読める小説】迫り来る奴
ドアには鍵がかかっていた。
私は激しく叩いた。
「早く開けて!奴がもうそこまで来てる」
「悪いが開けることはできない」
中からは無慈悲な声。
「そんな!私を見捨てるのか」
「こちらにも事情があるんでね」
ジーザス!私は右手で頭を抱えて、左手で尻を押さえた。
奴はもう、肛門に迫っていた。
【10秒で読める小説】神の掃除機
神である私は、雨と風で、地上の汚れを吹き飛ばす掃除マシンを持っている。
今回は[強]設定で使ったから、みんなさぞかし大変だっただろうな。
「キツめだったけど、まだ余裕by南九州民」
「全然大したことなかったby中国地方民」
「いつ来たのかわからなかったby関東民」
神「思ってた反応と違う…」
【10秒で読める小説】哀しきむし
僕が教室に入ると、皆が潮が引くように遠ざかった。
「うわ!」って廊下に出た奴や、「無視、無視」って言ってる奴までいる。
僕が陰キャだからってあまりに酷い…。
「僕がなんかしたってのかよ!」
たまらず叫んだ。すると無視、と言ってたやつが僕を指した。
「虫!胸元にスズメ蜂がとまってる!」
【10秒で読める小説】母は毎日悩んでます
中学校で配布されたプリントを母に手渡すと、難しい顔で目を通している。
そういえば、「非行についての相談案内」と書かれたプリントがあったな。
私は最近、母に反抗してばかりだから、先生に相談するつもりなのかもしれない。
恐る恐る母の手元をのぞき込むと、給食の献立表だった。
今夜の献立を考えていただけか。
【10秒で読める小説】XYZ
道を歩いている時、米国の顧客から着信があった。英語で会話していると、近くにいた少年がじっと俺を見つめてくる。
尊敬のまなざしってやつだろう。
「あの…」
電話を終えた俺に、少年が意を決したように話しかけてきた。
「何だい?」
俺はニッコリ微笑んだ。
「ズボンのチャックが全開です」
※ 英語だとチャックが開いていることを、
Hey, XYZ と言うらしいです🤓
【10秒で読める小説】大人なら食べても大丈夫と思って…
ミステリで、犯人の用意した毒が手違いで実子や孫に行きそうになり、パッと手で皿を払うやつ。
まさか、アレ目が前で起こるとはね。
実母が私に出してくれたキウイ。
4歳息子が「ちょうだい」と言うのであげようとしたら、実母が鬼の形相で皿を払った。
「それは傷んでるから食べたらいかん!」
鼻を近づけたら本当に変な臭い…。
どうやら私、実母に狙われてるようです。