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「自然の声の大切さを感じて」

風が強く吹く音が、通風口から漏れ聞こえてくる。

雨は止んだみたいだが、風が心なしか強いようだ。

自然の声のようなものは、常に何かを訴え掛けてくる。

気をつけなさい、浮かれていると足元を掬われるよ。

何かしらメッセージを残そうとして、耳元を掠めていく。

そうか、たった今聞くべきだったのだろうかと、

後から聞き直すことが出来ない、囁き声のようなか細さ。

人差し指で、ちょこんと押すと倒れるようなか細いもの。

耳を澄ませて、声を潜めて、じっくりと聞くことも大切。


そんな中、轟音を鳴らして車が走り去った。

車高が低い白いメルセデス、マフラーを、改造していた。


雑踏に紛れて声が聞こえなくなり、轟音を鳴らして、

聞こえないふりをして、ノアの箱舟に乗り損ねかねない。

そんな風にも思えた今日この頃。


遠く海の方で、パチンっと何かが跳ねる音を聞き、

また、カツオのたたきが美味しく食べられるかなぁって

思ってしまった。



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