「会話」を可視化すると面白い
突然ですが、ハークネス・メソッド(harkness method)という単語を耳にしたことありますか?
この言葉、「海外のトップスクールではぁ〜」というマウント攻撃に使われる枕詞として界隈では有名だったりします。
実際、普及率がどれぐらいなのかは不明なのですが、有名どこのガッコウではこの教え方をウリにしているところが多いです。
こんな感じです。
泣く子も黙る、東海岸の名門フィリップス・エクセター・アカデミー
西海岸の名門、ケイトスクール
What is the Harkness Method?
これらの写真を見ると、なんか楕円のテーブルを囲んで座っていますよね。そう、これこそがハークネスト・メソッドのキモなんです。
この教え方は詰め込み型教育ではなく、ディスカッションを通じた批判的思考力やディベート術、究極的にはリーダーシップ育成を主眼としています。
まとめると、ハークネス・メソッドは
楕円形の机に先生と生徒が座り、議論する
それだけです。
実際、ここに深みがありまして、自由だからこそ、難しいんですね。
つまり、全てが先生にまかされており、先生の力量がモロでる教え方なのです。
だから名門
では、なぜそれが「名門校」では上手く行くのでしょうか?それは
1 教員のレベルが、教え方・知識の面で抜群に高い
2 そもそも基礎力があり、やる気のある生徒がいる
このかなりレアな2つの条件があるため、ハークネス・メソッドは機能するんですね。
ところが、近年、このハークネス・メソッドを「海外名門校ではー」と日本の教育現場に落とし込もうとして、撃墜されている人が続出しています。
それは、上記の2つの条件がそろうことが本当に極端に少ないからです。
そもそも大学受験合格というゴール設定をしている段階で、ディスカッションやディベートというのは「知識獲得」という面において非常に不利だったりします。
が、しかし。
最新の学習指導要領では「主体的・対話的・深い学び」を全面的に応援してくれているので、このハークネス・メソッドが輝く下地が用意されているのです。
ただ、問題は教員のファシリテーションスキルというか、議論をコントロールする力だったりします。こればかりは今日明日で身につくものではありません。
そこで、そこでですよ、奥さん。
ICTの力を活用すればハークネス・メッソッドを上手く回すことができるのです。
「会話」を可視化する
ICTの出来ること、それは「議論を可視化」するという作業です。今回は2つのサービスを紹介します!
1 誰が話しているのか関係図を可視化する
ちょっと先生が手動で生徒同士紐付ける必要がありますが、
誰が誰に対して発言し、聞いてもらったのか
を可視化することが出来ます。これを元に生徒の人間関係や思考の流れを分析することが出来ますね。
【参考】
2 発言の量を可視化する
[https://www.hylable.com/]
こちらは、卵型の集音マイクを机の上に置くだけのシンプルなものです。
マイクが生徒の会話を分析し、誰がどれぐらい話し、どのタイミングで切り込んできたのかという「会話量」を分析してくれます。
ですが、発言内容の分析までは出来ませんので、ここは先生がしっかりとメモする必要があります。
ICTを使った現代版円卓会議
ハークネス・メソッドとは、実はアーサー王の円卓と同じで、
楕円の机が先生も生徒も同じ目線で深い対話をするトリガーとなる
のがポイントです。
ですから、重要なのは「海外のー名門がぁー」というパワーワードではなく、
生徒の対話を引き出すには「何が」必要なのか
をそれぞれの先生が考えなければなりません。
その意味で楕円の机ではなく、テクノロジーを使うで生徒の対話の関係性や会話量を可視化しながら、生徒の対話を引き出す切っ掛けを自分なりに研究することが大切になると思いますよ。
ぜひ試してみてください!
感想待っています!
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この記事はドルトン学園の英語の授業と先生方との対話から書きました。
ご興味のある方は、ぜひ学校説明会や見学に行ってみてください!
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