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1日1冊オススメ本レビュー

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ブックコーディネーターが毎日1冊、サクッと読めるオススメ本ブックレビューを公開していきます。
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2020年7月の記事一覧

西の魔女が死んだ

"そして、そのとき、まいは確かに聞いたのだった。まいが今こそ心の底から聞きたいと願うその…

十角館の殺人

"僕にとって推理小説とは、あくまで知的な遊びの一つなんだ。小説という形式を使った読者対名…

古都

"そのうちに、京都じゅうが、料理旅館になってしまいそうな、いきおいやな、高台寺みたいに…"…

時計じかけのオレンジ

"もし善だけしか、あるいは悪だけしか為せないのであれば、その人は時計じかけのオレンジでし…

ほしのこえ

"一度では内容がうまく理解できなかった。うつろな気分で流れる文面を眺め、表示を先頭に戻し…

スカイ・クロラ

"ヘッドライトをつけると、ボンネットの先に蛾が飛んでいた。二匹。車は、二人を駐車場から連…

黒蜥蜴

"美しい女の左の腕に、一匹のまっ黒に見えるトカゲが這っていた。それが彼女の腕のゆらぎにつれて、吸盤のある足をヨタヨタ動かして、這い出したように見えるのだ。"1939年発刊の本書は戯曲にドラマと数々の女優が演じた魅力的な女賊黒蜥蜴と明智小五郎が対決するスピーディな探偵小説。 個人的には7月28日が著者の文学忌、石榴忌である事から、また黒蜥蜴の名前こそ三島由紀夫の戯曲で知ってはいたが、原作は未読であった気がして手にとりました。  さて、そんな本書は帝都東京の暗黒街の女王

かもめ

"今ならわかる、わかったのよ、コースチャ、舞台で演技をしようと、小説を書こうと、わたした…

すべてがFになる

"『ほら、7だけが孤独でしょう?』真賀田女史が言った。『私の人格の中で、両親を殺す動機を持…

四畳半王国見聞録

‪"今この桜の下で君たちに出逢えたことを、阿呆神に感謝する。皆さんコンニチワ、世界よコン…

ダロウェイ夫人

"でもなんてへんな晩だろう!なぜかわたしはそのひとにとっても似てるような気がするんだもの…

色弱の子どもがわかる本 増補改訂版

"我々の見ている世界には色があふれています。(中略)でももし、自分だけ色の見え方が他の人た…

原因と結果の法則

"これは解説書と言うよりも、ひとつの提案と言った方がいいでしょう。その目的は皆さんに次の…

処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな

"藤田はなにかを言いよどんで、結局あきらめたように、石を蹴った。『処女のまま死んでいくやつはいない。世の中にやられちまうからな』カート・コバーンが、僕たちになにをしてくれるっていうんだ。"2020年発刊の本書は著者初の書き下ろし小説にして、死別から再生までを切ないリズムで奏でる青春小説。 個人的には、若い方に猛烈にすすめられて。タイトルがミュージシャンの言葉とも知らず手にとらせていただいたのですが。先に言うと、とても良かった。  さて、そんな本書は病気で彼女を失った