見出し画像

色弱の子どもがわかる本 増補改訂版

"我々の見ている世界には色があふれています。(中略)でももし、自分だけ色の見え方が他の人たちと違っていたら、自分の見ている色に色名がなかったら、どんなに困るか考えたことはあるでしょうか?"2020年発刊の本書は、色弱の子どもと家族達がどう工夫すべきかに具体的に答えた一冊。

個人的にはNPOや社会起業家の方々とも関わっていることから勉強のために手にとりました。

そんな本書は増補改訂版として8頁を追加して、カラーユニバーサルデザイン(CUD)がまだまだ普及していない現代社会で成長する色弱の子どもたち、そしてそれをサポートする家族や学校の教師が【何を工夫し、配慮すべきか】を幼児、保育園・幼稚園、小学生、中学・高校生と段階に分けて、Q&A形式で具体的に説明しているわけですが。

現在のところは『治す』治療法はないとしても、また一部の職業選択には制限があったとしても、本人が積極的なコミュニケーションをとることを意識することで、他の人と能力が劣っているわけでは決してなく【違う見え方が出来る】メリットをむしろギフトとして活かすことが出来る。という事に、はっと気づかされる新鮮さでした。

また、とはいえ色の見え方が少数派である事から、まだまだ多数派に合わせた色分け情報やデザインの犠牲となって【情報弱者になるおそれがある】との指摘には、例えば、強い色として使いがちな赤色は、色弱の方にはまったく見えないことなど、まだまだ周りが配慮すべき部分が沢山ある事を知り、自分自身も無意識であってはいけないと思いました。

色弱の家族や友人がいる方へ。またデザインに関わっている人にもオススメです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?