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#54 「牡蠣」のガチ解説

今回は「牡蠣」についての解説です。

「牡蠣」美味しいですよね〜。ここ最近になって生牡蠣の美味しさに惹かれてます。笑

実は「牡蠣」は、非常に重要な栄養素をもつ食材です。

特に男性はよく聞いてほしい!

「牡蠣」を食べるの、おすすめです!ぜひ最後まで読んでみてください!

◯「牡蠣」の基礎知識

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「牡蠣」は、ご存知の通り海に生息する貝類です。通称“海のミルク“と呼ばれることもあります。

種類としては、ウグイスガイ目イタボガキ科とベッコウガキ科に属する二枚貝の総称、或いはカキ目もしくはカキ上科の属する種の総称です。

「牡蠣」という名前の由来は、海の岩に主に生息していて、それを『かきおとす』ことから「牡蠣」という名前がついたと言われています。

「牡蠣」は、古くから世界各地で、食用のほか、薬品や化粧品、建材などに使われています。

ちなみに、「牡蠣」を生で食べる文化は、日本が発祥ではなく、元々はフランスが発祥です。

生で海産物を食べる文化が少ない海外において、昔から伝統的に生食されていた数少ない貴重な海産物が「牡蠣」でした。

元々、海外は海産物を生で食べる文化はありません。

外国の人に人気なお寿司や日本人が魚を生で刺身として食べていた文化を、日本に来た外国の方が食べたことで、その魅力が広まり、今では海外でもお寿司や刺身が食べられるようになりましたが、基本的には火を通して食べることが多いです。

実は、海外の生牡蠣文化は、1970年ごろに消滅の危機に陥っていました。

なぜかというと、「牡蠣」の養殖産業が病原性微生物によって壊滅的なダメージを負い、「牡蠣」が育たないという状態になっていたからです。

しかし、この危機を救ったのが、日本「牡蠣」だったそうです。

日本に生息する「マガキ」は病原性微生物への抵抗力が強く、生存率が高い上、成長速度も速いという特徴があり、この「マガキ」が日本から海外へ運ばれたことで、海外の生牡蠣文化の危機を救ったという話です。

この時、「マガキ」の他にも、さまざまな「牡蠣」の種類を海外に持ち運んだそうですが、結果として生き残ったのが、生命力が強かった「マガキ」だったそうです。当時は船で持ち運んでいたので、かなりの生命力がなければ途中で死んでしまうため、「マガキ」の生命力の強さがよくわかりますね。

日本で、「牡蠣」養殖が始まったのは、1532年〜1555年ごろと言われていて、「天文年間安芸国において養殖の方を発明せり」という文献も残されているそうです。

つまり、今から約450年ほど前に広島で「牡蠣」の養殖が始まったとされています。なので、「牡蠣」はかなり昔から食べられていたということになります。

ちなみに、「牡蠣」が1日に飲み込む海水の量ってご存知ですか?

実は、なんと1日400ℓ以上の海水を飲み込み、出してくれています。

500mlのペットボトルだと800本分に相当します。

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◯「牡蠣」の栄養価

続いては、「牡蠣」に含まれている栄養価について解説します。

・亜鉛

まずは、「牡蠣」といえばなんといっても「亜鉛」の含有量が半端ないです。

全食品の中でも「牡蠣」に含まれている「亜鉛」の量は、ダントツで多いことがわかっています。

2番目に「亜鉛」の含有量が多いとされている食品が“豚レバー“ですが、その“豚レバー“の2倍以上の「亜鉛」を含んでいるのが「牡蠣」です。

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・ビタミン

「牡蠣」には、『ビタミンB1』、『ビタミンB2』、『ビタミンB6』、『ビタミンB12』、『ナイアシン』、『葉酸』、『パントテン酸』、『ビタミンC』『ビタミンE』と、非常に多くのビタミンを含んでいます。

・ミネラル

「牡蠣」に含まれるミネラル分には、『ナトリウム』、『カリウム』、『カルシウム』、『マグネシウム』、『リン』、『鉄』が含まれています。

やはり、あれだけ多くの海水を1日で循環するため、非常に多くのミネラル分が「牡蠣」の体内へ蓄積されていることがわかります。

・アミノ酸

実は「牡蠣」には、アミノ酸も豊富に含まれています。

必須アミノ酸である『フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、リジン、メチオニン』のほか、非必須アミノ酸である『チロシン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グリシン、グルタミン酸、プロリン、セリン』なども含まれていることから、アミノ酸の含有量も多いことがわかります。

◯「牡蠣」による効果

次に、「牡蠣」を食べることでどのような効果が得られるのか、みていきましょう。

・疲労回復効果

「牡蠣」には、エネルギー源となる『グリコーゲン』が含まれており、『グリコーゲン』をとることで、肝臓の機能を高めてくれる効果があり、疲労回復にを助けてくれる働きをしてくれます。

『グリコーゲン』は、肝臓だけでなく、筋肉や脳にも存在し、働きを高めてくれます。

・貧血予防

「牡蠣」には、先ほどミネラルである『鉄』が含まれているということを説明しました。

「牡蠣」に含まれる『鉄』は、いわゆる『ヘム鉄』と言われるもので、比較的吸収されやすい『鉄』になります。

さらに、『ビタミンC』も含まれているので、より吸収しやすい状態であることがわかります。

これを考えると、「牡蠣」を食べるときに『レモン』をかけて食べると、より吸収が良くなることがわかりますね。

ぜひ、「牡蠣」を食べるときは『レモン』をかけて召し上がってください♪

・味覚を正常に機能させる

「牡蠣」に含まれる『亜鉛』は、味覚を感じるための細胞である“味蕾細胞“の形成に必要な栄養素です。

現代の人は、『亜鉛』の摂取量が減り、味覚が正常に働いていない人、いわゆる味覚音痴と呼ばれる人が増えている現状があります。

普段の食事を美味しく楽しくするため、また、過度な塩分や甘味のとりすぎを防ぐためにも味覚は正常に働く方が絶対良いので、『亜鉛』をとるためにも「牡蠣」を食べると良いでしょう。

・男性生殖機能向上

これも「牡蠣」に含まれる『亜鉛』による効果です。

『亜鉛』は、精子の生成や精子の活性などに必要な栄養素です。

特に、現代の男性の精子の量が減ってきているという研究結果もあります。

それにより不妊などの問題も増えてきています。

・アンチエイジング

非必須アミノ酸である『セレン』は、過酸化物質を分解してくれる酵素を生成する成分で必要です。

過酸化物質は細胞の老化や動脈硬化などの要因になる物質の一つです。

これを分解することがアンンチエイジングに繋がるので、「牡蠣」は女性にもおすすめの食材です。


◯「牡蠣」の注意点

栄養価や効果を見ると非常に優れている「牡蠣」ですが、食べ過ぎると悪影響が出ることがあります。

・亜鉛のとりすぎ

『亜鉛』のとりすぎによる影響として、

めまいや頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が現れることがあります。

特に、疲労が溜まっているときや風邪などで体調が悪い時に症状が出やすいです。

また、『亜鉛過多』の状態になると、免疫力低下や下痢、善玉コレステロール低下などが起こる場合もあります。

一時的な食べすぎであれば、すぐに改善が見られますが、長期間にわたって継続的にとり続けると『亜鉛過多』の状態になってしまうので注意が必要です。

・プリン体

これも有名な話ですね。

『プリン体』は、言わずもがなですが“痛風“の原因となる物質です。

“痛風“とは、血中の尿酸値が高い状態が長く続くことで、関節に炎症が起き、痛みを生じる病気です。特に足の関節に症状が現れやすいとされています。

“風が吹いただけでも痛みが出る“ことから“痛風“と呼ばれ、文字通り、かなりの痛みが襲う病気で、完治までに時間がかかるのも特徴の一つです。

『プリン体』が体内に入ると、代謝されて尿酸に変わります。この尿酸の濃度が高まり、結晶化して関節などに溜まることで炎症を引き起こします。

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・食中毒の危険性

「牡蠣」の食中毒といえば、ウイルスや菌が付着し、それにより怒る“ノロウイルス“などが有名です。

これらの食中毒を予防するには、ウイルスや菌を体内に入れないことが重要です。

生で食べる場合は、『生食用』を必ず選び、『加熱用』を食べる場合は、しっかりと火を通した状態で食べることが重要です。

ちなみに、『生食用』と『加熱用』の「牡蠣」の違いは、種類や鮮度などの問題ではなく、育てられた場所、海域が関係しています。

『加熱用』の「牡蠣」は、沿岸に近い位置で育てられたもので、山や川から流れてきた栄養やプランクトンを多く取り込める代わりに、ウイルスなども取り込んでしまうため、加熱が必須になります。

一方、沿岸から離れた海域で育てられた「牡蠣」は、ウイルスなどが入っていない可能性が高いので、生のまま食べることができます。

一見、『加熱用』は栄養価が低いイメージがありますが、実際はそこまで変わりはないので、『生食用』を食べるか、『加熱用』を食べるかは、その人の好みで良いと思います。

◯摂取の目安は?

このような悪影響を出さないためにも摂取量を把握しておく必要があります。

特に『亜鉛』の摂取量は、厚生労働省でも定められています。

『亜鉛』の1日の摂取量の目安は、18歳以上の成人で行くと、男性で40〜45mg、女性で35mgとされています。

これを「牡蠣」で換算すると、男性は11〜14個程度、女性は9〜12個程度が目安です。

これを目安にとると良いと思います。

一時的に多くとる分には、そこまで影響はないと言っても良いので、継続してこの個数を超えないように気をつけましょう。


以上で、「牡蠣」の解説は以上です。

「牡蠣」は“海のミルク“‘と呼ばれる所以がわかりましたね。

非常に重要な栄養素を多く含んだ食材ですので、ぜひ、うまく活用してみてください。

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