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#55 「亜鉛」のガチ解説
前回出した「牡蠣」のところで出てきた「亜鉛」について解説していきたいと思います。
まだ「#54 牡蠣」を読まれていない方は、ぜひそちらもご覧ください。
「亜鉛」は、非常に重要な栄養素の一つですので、しっかりと理解を深めましょう。
◯「亜鉛」とは?
「亜鉛」は、ミネラルの中に分類される栄養素で、不足しがちな栄養素の一つとして挙げられることが多いです。
「亜鉛」は、通称”セックスミネラル”と呼ばれるほど、生殖機能との関係があるとされています。
特に男性生殖器の向上には、必要不可欠な栄養素と言って良いです。
その他、「亜鉛」は、味覚細胞(味蕾細胞)の形成や酵素・免疫・神経などに使われる栄養素でもあります。
『味覚細胞(味蕾細胞)』は、文字通り”味覚”を感じるために必要な細胞のことで、この細胞がしっかりと形成されないと、”味覚”が機能しないため、いわゆる”バカ舌”と呼ばれるような状態になります。
体内に存在する「亜鉛」は、約2g。
そのうち、約60%は筋肉中、約30%は骨に存在すると言われていて、その他、前立腺や肝臓、腎臓などにも存在しています。
また、不足しがちになる原因の一つとしてあげられるのが、吸収率の悪さ。
食事から摂取した場合、腸内で吸収されますが、その吸収率は約30%程度。
かなり低いという特徴があります。
また、「亜鉛」は年齢を重ねていけばいくほど、徐々に少なくなっていきます。
10〜20代と比べて70〜80代になる頃には、600分の1ほどまで少なくなると言われています。
年々「亜鉛」の量が減ることは仕方のないことではありますが、なるべく減らさないようにすることが重要です。
食事で撮ることも大切ですが、吸収率が低いということもあるので、サプリメントなどもうまく活用できると良いと思います。
ちなみに、「亜鉛」の1日の推奨摂取量は、15〜30mg/日とされていますが、現在の日本人の平均摂取量は約8mg。
必要量の半分程度しか摂取ができていない状態です。
なので、もっと「亜鉛」を摂取する必要があるということになります。
ただし、ある研究によると、「亜鉛」の摂取量が増えると、『鉄』の摂取量が減るという研究結果があったりもします(逆もしかり)。
なので、「亜鉛」の食べ過ぎには注意が必要ではありますが、普通の生活をしている場合、「亜鉛」が過剰に摂取してしまうことはほとんどないと言われています。
後ほど説明しますが、「亜鉛」を多く含む『牡蠣』を毎日食べるような食生活をしない限りは、超えることはほとんどないので安心してください。
○「亜鉛」による効果
次に、「亜鉛」を取ることによって得られる効果について解説していきましょう。
・味覚
最初にも書きましたが、「亜鉛」は味覚を感じる”味蕾細胞”の形成に必要な栄養素です。
味覚が正常に働かないと、食を楽しむことができないことももちろんありますが、例えば、塩味や甘味などにも鈍くなるため、より多くの塩や砂糖などを入れて濃い味にしなければならず、その食事を続けていくと、いずれ健康へ悪影響が出る可能性が高いと思います。
少しの味付けでもしっかりと味を感じることができて、食材そのものの味を感じることができるような味覚を持つ方が良いと思います。
そのためにも「亜鉛」はしっかりと取ることが良いと思います。
・生殖器官の維持
これも最初にも書きましたが、男性の生殖機能において「亜鉛」は非常に大切です。
男性の生殖機能が低いと、精子の量や活動量が低い状態になるということになります。
ここ最近、不妊が増えていますが、この要因の一つに『男性機能低下』が挙げられています。
通常、精子は1ccあたり1億個ほどあるとされています。
これが2000万以下になると、不妊に繋がると言われています。
現代の男性は、精子の量が600〜2500万ほどの人がとても多いと言われています。つまり、大半の人が精子の量が足りていないということになります。
これは、50年ほど前と比べて半分ほどになっているという報告もあり、かなり減っていることがわかります。
この要因には、食生活や運動習慣などの違いや人工甘味料や人工添加物の摂取量が増えていることもありますが、「亜鉛」の摂取量が減ったことによって、生殖機能の低下が起きていることも関係していると思います。
・テストステロンの活性化
トレーニングをしている人はよく「亜鉛」を摂取することが多いですが、「亜鉛」はテストステロン(男性ホルモン)を活性化させる効果があります。
テストステロン値が高いとより筋肉がつきやすくなるので、筋肉をつけたい人は「亜鉛」を取ることはオススメです。
・前立腺の健康維持
前立腺は、抗菌剤としての役割を持っています。
この前立腺が、しっかりと機能していないと体内の菌を殺すことができなくなります。
「亜鉛」を取ることで、前立腺をしっかりと機能してくれます。
・体内酵素
「亜鉛」は、亜鉛タンパク質では3000種以上、酵素で言えば1000種以上に関与しています。
例を出すと、アルコールデヒドロゲナーゼやSOD酵素など。
アルコールデヒドロゲナーゼは、アルコールやビタミンA、アルデヒド(有害物質)の分解に必要になる酵素。
SODとは、”スーパーオキシドジムスターゼ”のことで、活性酸素の除去や免疫系に必要な酵素です。
このほかにも様々な酵素の生成などに関与しているので、「亜鉛」は欠かすことができない栄養素です。
・免疫系
「亜鉛」は、実は『白血球』の生成に必要になります。
これは『白血球』自体に必要というよりも、リンパ球やホルモンを生成、分泌するために必要な胸腺ホルモンを活性化するために「亜鉛」が必要になります。
この胸腺ホルモンを「亜鉛」により活性化することで、免疫機能に必要な『白血球』が生成されることになります。
・その他
上記にあげた効果以外にも、「亜鉛」をとることによって、
『糖尿病や肝炎、結核、気道感染症、下痢などの症状の緩和や改善に効果があると言われています。
「亜鉛」をとるだけで、これだけの効果が期待できるため、「亜鉛」は非常に重要な栄養ということがわかりますね。
○「亜鉛」を含む食材
最後に「亜鉛」を取るためにオススメの食材を紹介します。
まずは、なんと言っても『牡蠣』です。
『牡蠣』には、「亜鉛」が100gあたり14.5mgも含まれています。
あとは、『豚レバー』もオススメです。100gあたり6.9mg含まれています。
そのほかには、『うなぎの蒲焼』や『牛赤身肉(肩・もも)』、『豚ヒレ』なども「亜鉛」が含まれているのでオススメです。
ただ、圧倒的に「亜鉛」の含有量が多いのは『牡蠣』なので、「亜鉛」を取るとしたら『牡蠣』が良いかなと思います。
今回の記事は以上になります。
「亜鉛」の重要性を知ってもらえたでしょうか?
不足しがちな栄養素の一つですので、不足の状態にならないように食材、またはサプリメントなどでうまく補いながら摂取していきましょう。
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