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必死で生きて必死で表現する人を馬鹿にするのが一種の娯楽なら、一生その娯楽は続くと思うよ。必死な人はいつの時代もいなくならないから。

昔やってたコンビニバイト、めちゃくちゃ楽しかったなああ…。
やることいっぱいで常に忙しいし、働いてる人も大体面白い人が多くてとても楽しかった、私はファミマの神(自称)でした。
あまりにも物を知らなすぎて反省した思い出があって、
中国人留学生のコウさんと二人でお客さんがいない時にレジの中でお話ししていたら、ボタン電池が落ちてたので私が拾って電子レンジの上に置いたら、
ものすごい勢いですっ飛んできて電池奪われて
「ばっっっっっっっかやろう!!!!!!!!!!!!」
と言われたのを覚えています。
ボタン電池は電子レンジに近づけてはいけないそうです。
あの日のコウさんはすごく怖かったけど今でも覚えているのでいい学びになりました。
ちなみにコウさんはありがとうございます、が長くて言いにくいとのことだったので、「はい、ありー」と言っていて店長に注意されてました。
私は笑いました。お客さんも笑ってました。

先日、めちゃくちゃ気になるバンドに出会いました。
名前忘れちゃったんですが、20半ばくらいのadidasのトラックジャケット着た頭ボサボサの男性が白目剥いたりマイク食べたりしながら一生懸命叫んでいました。
ツマミ全開で、聞いてるこっちは頭割れるかと思ったのですが、いつの間にか私マスクの下でめっちゃ笑ってる自分に気づいたんですよね。
(不審者)
そのライブの頭だったってこともあると思うのですが、彼ら目当てのお客さんって多分いなくて(私もライブを観るまで彼らのことは知りませんでした)かわいそうなくらいアウェー状態。
MCもなんか空回ってて、結構お客さんが冷めてる感じがしました。
でも、彼らはやり遂げたし、めっちゃ叫んでて、めっちゃ汗かいてて、めっちゃいいじゃんって思いました。
久々に見ていて気持ちがいい人を見たな、と思いました。

これは全世界共通なんじゃないかと思うのですが、
出る杭は打たれますよね。
発信する人を笑う人は世界中どこを探さなくてもそこらじゅうにいると思います。
そのライブでまさにそれを見せつけられたのですが、発信する人は、発信しない人に笑われるもんなんだなあ、と、思いました。
一生懸命、ドバドバ汗かいて、一生懸命演奏して、こんなに冷え切った客の前で、ようやったよ。
それでも気圧されず、自分を貫いて、偉いし、かっこよかったよ。

そう思ってしまうのは多分、誰かの正直さというものが人を勇気づけるものだから、だと思います。
陳腐ですが、私自身を見ているような気分になりました。
よく言うじゃないですか。なんか戦ってる人とか頑張ってる人を見て、「あの人は私自身のように見えた」とか言う人。まさにそれです。
でも、感じる側と戦う側には雲泥の差がある、というか別物、だと私は強く思います。
発信している人の姿勢に乗っかって、「共感します」とか「すごくわかります」とか「私を見てるみたい」とか色々あると思いますが、
実際に発信するということはリスクを負うということです。
ご意見ご指摘を頂いたり、自分の発言に責任を持つ覚悟が必要(誰でも同じですが)になるかと思います。
それを、そのリスクも取らずに、私も僕も、みたいに同調することで乗っかるだけでは、彼と天地の差があるわけです。
私もステージの上で足震わせながら必死に戦って生きようと思わされました。
前も書きましたが、私が思うに、正直でいることこそが人を勇気づけると思うし、
私は別に誰のことも勇気づけたい、なんて大それたことは思ってないけど(恐れ多すぎる)、正直でいることこそが、一番の助け合いなんじゃない、と私は思うのです。
助け合って生きていきたいから、正直に生きていきたい。

皆にすごいね、この人は天才、最高、素敵、美人、って言われるようになったら、どんな世界が待っているんでしょうね。
思うに、ずっと苦しんじゃないかと思うんですよ。
私はそのライブに、ロックスターとして名を馳せてる友達目当てで行ったんですね。
トリだったんですけど、案の定、友達の出番になったらお客さんがどばーっと入ってきて超満員でした。
そんな人気者の彼らも「生活きついのよ」と言ってました。
ライブ終わった後、レコード会社とか色んな会社の人達に仕事の話めっちゃ持ちかけられてて、それでも「ちゃんと大学卒業して働いてるお前らはすげえよ、俺ももっと金稼げたらとか思うよ」って言ってました。
それでもとんでもない美人を隣に連れて嬉しそうに紹介してくれた時、なんか、多分人生って苦しんだもんがちな気がするなと心のどこかで思いました。
今生活キツくて苦しいわけで、
それでも夢は叶ってCD出せばちゃんと売れて、映画の主題歌の話は進んでる、
でも色んな中毒はやめられない、
春には同居人が出ていくから家賃払っていけるかわからない、、とか。
苦しい人生の中で、大切なもの見つけて、その大切なものに支えられてなんとか生きてるけど、
大切なものって永遠じゃないから、いつか壊れることだってわかってる。永遠を信じていたいけど。
そうやって苦しみに塗れて生きたもん勝ちだよ。
苦しむことというのは生きがいなんじゃないかって最近思います。
むしろ、苦しまないようにして生きることのほうが地獄だよ。

ライブ終わりにお酒を飲みながらその友人が言ってたことがクソ面白かった。
「俺のこの帽子くそかっこよくね?
アメリカのピーーー支持者のおっさんが被ってそうでしょ?
これどこで買ったかって?群馬のウェルシア。
俺、一目見て、これしかねえな、と思ったよ。
こうやってツバの部分を平らにしたらニューエラっぽいっしょ」


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