見出し画像

第373号『ポケットにパスポートを』

まるで『アルジャーノンに花束を』みたいな記事タイトルになってしまいましたが。

私は基本的に荷物を持ち歩きません。

荷物というのはカバンとかリュックとかという意味です。

東京に行く時も福岡に戻る時も。どこかの県や町に移動する時も基本的に手ぶらです。

なんなら普段から時計もしませんし一切の貴金属も身につけるといった習慣がありません。

つけたくないし持ちたく無い。

自分の身を少しでも軽くしたい、と常に考えているため普段からなんにも持ち歩かないという方針なんです。

ポケットの中にクレジットカードと現金(札のみ)とスマホとタバコだけ、以上です。

よく「着替えとかはどうしてるんですか?」なんて聞かれますが、衣類や靴などは福岡本社と東京スタジオに置いてあります。(社長の特権)

なので必要に応じて(来客など)adidasのジャージからジャケットやスーツにさっと着替えることが可能なんです。

「出張の時はどうするんですか?」

これもよく聞かれますが、同じです。

基本的に手ぶらで新幹線に乗りますし飛行機の時もそうです。

だいたい出張なんて同じ街に滞在するのは一泊程度ですし、日本全国コンビニが無い街なんてありませんからね。

だから行った先の街のコンビニでパンツと靴下だけ買って翌日の朝に着替えます。(寝る時はだいたい真っ裸)

なんて便利な国なんでしょう。日本万歳。

*****


「じゃあ海外は?海外に行く時はさすがに手ぶらじゃ無いですよね?」

これ、なかなか信じてもらえないことが多いのですが、海外に行く時も基本的に手ぶらなんです。

ポケットにパスポートだけ入れて普段と同じように飛行機に乗ります。

だいたい怪訝な顔をされるのは帰国時ですね、明らかに荷物も何も持たない状態で帰ってくるので「何か別の目的を持った人物なのでは?」と入国審査官に根掘り葉掘りと色々聞かれます。(出国時は基本的に普通の人はスーツケースなどを預けてから審査を受けるので私も不自然には見えないのです)

けど面倒なのはそれだけです。

あとは日本国内同様に手ぶらで目的地まで行って仕事をします。

そして必要なものがあれば現地で購入します。

こんなことを言うと周りから「金持ちだ」なんて言われることもありますが、私は別にそういう風には思ってません。(お金があるからこういうことをしているというわけでは決して無いということ)

むしろ逆、というか。

私は無駄な時間が大嫌いです。

そりゃ誰だって嫌いだろ、と思われるかもしれませんが。

たぶんそれが極端なのかもしれません。

スーツケースに荷物を詰める労力と時間、それを空港まで運んで手続きをする時間、到着後にあのレーンでスーツケースが出てくるのをボーッと待っている時間、これら全てが無駄だと思っているだけです。

そんな時間があればさっさと手ぶらで移動してホテルに着いて漫画読んだりアニメを観たり映画を観たりしたいんです。(もちろん人と会って飲んだりね)

自分のためのインプットの時間は全て有意義だと思っていますが、それ以外は全部無駄だって思っています。

だからそういう生き方というか生活をしているのです。

「変わってるなぁ」ってよく言われますが、もう変わっている人でいいです、実際そうですし。

そしてたぶんもうこの生き方も変えないし変えられない、ずっとこういう生き方をしていくと思いますね。

*****

なんでこんな価値観を自分の中に持つようになったのか?と自分の心を探ってみると一つだけ心当たりがありました。

『サンケンロック』という漫画があります。

その漫画に登場する主人公がこんなことを言ってました。

「鍛えた身体や身につけた武術、学んだ知識などは全部自分の身体に刻み込んであるものだ。だから誰にも奪われないし奪うことは出来ない!」

たぶんこの言葉を読んだ瞬間からこういう価値観になったんだと思います。

「その通りだ」って思いましたからね、だから受け入れて自分のものにしました。

思えば幼少期は色んなものを集める子どもでした。

まぁ子どもの時なんてきっとみんなそうでしょう。

キン肉マン消しゴムを集めたり、沢山のガンプラを作って飾ったり。今の子どもたちだとそれがポケモンカードだったりするのかもしれません。

けど、私はそういった荷物もある時から一切持たなくなりました。

会社に置いてある服や靴も定期的に処分してまた新しいものを購入して入れ替えたりしています。

人には執着するけど、モノには執着しない。

自分の周りにあるモノがある日突然無くなっても困らない。

自分の身体一つあればいい。

それだけで生きていける。

モノの代わりはいくらでも効く。

自分は代わりが効かないそんな人間になろう。

『サンケンロック』のボス・ケンのように。

そう思ったのが今から15年くらい前。

それからずっとそんな生活を続けています。

誰にも文句は言われない、自分だけの生き方です。

*****

もう少しだけ自分のことを話しておこうと思います。

普段はあんまりこういうことは話さないんですよ、別にどーでもいーじゃないですか。

私が荷物を持ち歩こうが持たなかろうが。

正直どうだっていい。

けどまぁたまにはこうして私だけかもしれない価値観の話をしてもいいかな、と思ったのでもう少しだけお付き合いください。

家はどこにあるんですか?

ここから先は

1,096字

¥ 300

この記事が参加している募集

私は私のここがすき

良かったらサポートいただけると嬉しいです。創作の励みになります。