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英語教育禁止!?教育大転換期を迎える中国のいま

アジアの中でも早いうちから英語教育に力を入れてきた中国。今年9月からは小中学校で英語など海外の教材を使った授業が禁止になり、さらには学校以外の塾も禁止、オンラインゲームも1日1時間など、かなり規制が強まっている印象です。いったいなにがあったのでしょうか。オンライン英会話の教材として、中国の変化について学んでみましょう。

キーワード単語

Marxism【名 】/ˈmɑːrksɪzəm/:マルクス主義

共産主義の基礎となるカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの社会的、政治的、経済的思想

reflect【動】/rɪˈflekt/:反射する
何かを示したり、表現したりする

revolutionary【形】/rɪˈflekt/:革命的

morality【名】/məˈræləti/道徳

ideology【名】/aɪdiːˈɑːlədʒiː/:思想

China Bans Foreign Teaching Materials

中国が外国の教材を禁止した

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China's Ministry of Education has banned using teaching materials from outside the country at its primary and middle schools.

This includes grades one to nine. Foreign teaching materials are also banned in high schools – grades 10 to 12 – except for schools with exchange programs or partnerships with foreign schools. However, in these cases, foreign content is allowed only if "domestic teaching materials really cannot satisfy educational needs," a ministry spokesman said. Schools are also encouraged to use versions translated by Chinese publishers.

exchange=交換する、partnerships=共同、domestic=家庭の、satisfy=満足させる、encourage=奨励する、 ministry=省

中国の教育相は、小学校中学校における外国の教材使用を禁止した。小学1年生から中学3年生までが含まれる。外国の教材は、外国の学校との交換プログラムや提携関係にある学校以外は、外国語の教材の使用は禁止されている。ただし「国内の教材では教育上の必要性を満たすことができない場合に限り、外国のコンテンツが認められる」と、教育省の報道官は述べている。また、学校では、中国の出版社が翻訳したものを使用することが推奨されている。

マルクス主義、中国の伝統文化、革命的価値観の専門家がチェック

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The new rules were published in early January. They say that teaching materials must promote Marxism and "reflect the will" of the Communist Party and the country. All texts must be checked by experts in Marxism, traditional Chinese culture and revolutionary valuevaluess.

A ministry spokesman told People's Daily that the ban was designed to strengthen the Communist Party's influence over the education system.

Communist Party=共産党、 value=価値、 Communist Party's=共産党、Chinese culture=中国文化、revolutionary valuevaluess=革命的価値観

新しい規則は1月初旬に発表された。それによると、教材はマルクス主義を推進し、共産党と国家の「意志を反映」したものでなければならない。すべてのテキストは、マルクス主義、中国の伝統文化、革命的価値観の専門家によってチェックされなければならない。同省のスポークスマンは人民日報に対し、今回の禁止令は教育制度に対する共産党の影響力を強化するためのものだと語った。

中華思想を守るため英語を始め外国の教育とは一線を置く

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Critics say the new rules were designed to control the thinking of the country's young people. Willy Lam of the Chinese University of Hong Kong told CNN that the new rules were another example of how the Communist Party works to stop outside influences from affecting how Chinese people think.

He noted that they were announced around the same time as ongoing protests in Hong Kong and the reelection of Taiwan's President Tsai Ing-wen. Beijing says that Taiwan is part of China, but Tsai insists that Taiwan is independent.

Critic=評論家、Chinese University of Hong Kong=香港の中華大学、affecting=人を感動させる・痛ましい、note【動】=気づく・注目する、ongoing=進行中の、protet=抗議活動、reelectio=再選、insist=主張する

批評家は、この新しいルールは国の若者たちの思想をコントロールするために計画されてたと言われている。香港中文大学のウィリー・ラム氏はCNNに「新しいルールは、共産党が中国人の考え方に外部からの影響が及ばないようにするために働いているもう1つの例だ」と語った。ウィリー・ラム氏は、香港の進行中の抗議活動と、台湾のツァイ・イングウェン大統領再選と同じ時期に彼らがアナウンスしたことに注目した。北京は中国の一部だというが、台湾は独立していると主張している。

約束を守り、礼儀を重んじる"民族の精神を継承する "

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China has been increasing its control over what its people learn and how they think and act. In July 2019, the country's government banned schools from using regional or their own school-based content instead of the national curriculum.

In October, new morality guidelines instructed citizens to study the ideology of the Communist Party and "carry forward the national spirit." The guidelines also asked people to keep promises, be polite and promote "positive content" online.

instead of=かわりとして、morality=道徳、instructed=(特定の分野を)教える

中国は、国民が何を学び考え、行動するのかコントロールすることを強めてきた(統制を強めてきた)。2019年7月、中国政府は、カリキュラムの代わりに、地域や独自の学校独自のコンテンツを使用することを禁止しました。10月には、共産党のイデオロギーを学び、"民族の精神を継承する "ことを指示した新しい道徳指針が発表されました。また、約束を守り、礼儀を重んじ、ネット上で「肯定的な内容」をアピールするよう求めています。

(ニュース記事はここまで)

中国の英語教育はどこに行くのか。教育改革、その背景は?

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2021年7月、中国政府は、義務教育での「体育、文化芸術、科学技術を除いた学科目」の営利目的の私教育を禁止にしました。中国といえば、アジアの中でも早くから英語教育に力を入れていて、親たちの中には、積極的に中学や高校になるとアメリカやカナダなどに子どもを留学させてきた人も多いのに「なぜ突然」という感じです。実際にいくつかの企業では、外国から中国本土に撤退したり、オンライン英会話では中国人の生徒が大量にやめたという話も聞きます。

この背景にあるのは、アメリカとの対立。2008年の北京オリンピックを機に英語教育に一層力を入れていたのに、アメリカからの影響力を脅威ととらえて、今度は英語教育廃止に向かうのでしょうか。振り回される国民はたまったもんじゃありません。

学習塾もゲーム時間も政府が規制。加熱する親と子どもの家庭生活

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中国政府の帰省といえば、2021年9月には「18歳未満の子どもがオンラインゲームをするのは金、土、日曜と祝日の午後8~9時のみとする」という条例まで制定。実は、この条例は2019年からあり、18歳未満のゲームは平日90分、週末は3時間までとなっていたのです。午後10時から午前8時まで全面禁止とまでなっていたのですが、さらに時間を短くしたのです。さらにゲームのログインには、実名でのIDが必要とのこと。

2021年7月には、小中学生向けの学習塾の新設が禁止になり、さらに学習塾は非営利団体に転換するようにとの方針が出されたばかり。どちらの背景にも、受験勉強漬けにする親や、ゲーム中毒になる子どもが続出したからだとか。一人っ子で、過酷な受験戦争を勝ち抜き、または敗北して大人になった親たちが、今度は自分の子どもに同じことをさせる。またはその逆に甘やかしすぎてしまったのか、バランスが崩れてしまっているのかもしれません。

10年前、私の知り合いの中国人のママ友は「日本にいるから夕方公園で遊ぶこともあるけど、中国にいたら朝7時から子どもに勉強させて、小学校が終わったら夜9時まで塾に行かせるのが普通だから、外で遊ぶことはなかった」と言っていたのを思い出しました。

中国の英語教育シャットダウンに思うこと

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What are your thoughts on China's ban on foreign teaching materials?

This is because they will lose the opportunity to learn English and how other countries think through English.

中国のように、英語教育を制限させるのは勘弁してほしいです。というのも、英語教育を受けなかったら海外の人とつながるチャンスは極端に減るし、いくら中国人が多いからと自国の人とばかり付き合っていたら思想が偏ってしまう。なによりも、なんでも間でも中国政府に統制されていたら、たとえ自分にとって都合のわるいことでもいいことだと思い込まされてしまう可能性がある。そうならないためにも、海外の人とつながり、いろんな考えや文化に触れることが大切だと思うのです。

これは中国に限ったことではなく、日本でも同じ。日本にいて、日本人と話して、楽しく生活できて、それはそれでよかったけれど、それだと身の回りのことしか知らないし、ほかの国の情報も知らないまま。ほかの国で起きていることにはまったく興味関心を示さず、半径100メートルの世界でぐるぐるしていることになるので、それだと行き詰ってしまいそう。そういった意味でも、英語を習得し、世界各国のニュースに関心を持ち、いろんな国の人とつながることで、自分事として考えられるようになったほうがいいと、私は思います。

そういった意味では、中国政府の「自国文化を大切にすること」と「英語を排除すること」は、まったく別の話なのではないかと思うのです。もっといえば、英語を習得し、一度海外に出るからこそ自分の国の良さもよくわかるわけです。ただ単に英語をシャットアウトし、中国思想の時間を増やしたところで、目的は果たせいないのではないかと思います。

もしも日本の教育を変えるとしたらどこをどう変える?

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If you were in charge of your country's education system, what changes would you make? Why?

If I were to change education in Japan, I would first increase the number of teachers. Right now, there is one homeroom teacher and one assistant homeroom teacher for every 35 students. I would increase the number of teachers and reduce the number to 20 per class.
Then, I would include volunteerism and other community activities as part of the assessment for middle school, high school, and university exams.
I would also add teacher evaluations by students.

本当のことをいうと、私はこの10年間ほど、日本の義務教育に対して不信感しかありませんでした。私が学生の頃は学校が大好きで、先生も好きで、だから教員になろうと思っていたくらいです。でも、実際に教育実習に行ってみると、先生たちは会議ばかりで、全然子どものことを見ていない。「クラスに気になる子がいて、声をかけたいと思っても会議ばかりでなかなか声をかけるチャンスがなかった」そういっていた担当の先生の言葉を聞き、現場に入るのはダメだと思い、やめました。自分の子どもが小学校に行くようになってからは、先生特有の「決めつけ」や「押し付け」が多くて辟易。授業もまったくおもしろくなく、毎日50分間×5時間も座っていられる子どもたちがすごいと思えるほどでした。

それもあり、ずっと記事では多くの教育者に取材し、いろんなことを直接聞き、記事として直接ママたちに伝えてきました。その中で感じたことは、日本の義務教育は中身だけおみるとよくないところもいっぱいあるけど、フィリピンと違って小学生のうちからほとんどのクラスを英語ではなく、全部日本語で教えるから授業についていけずドロップアウトする生徒もいない。不登校はあっても、中学までは卒業できる。給食もあるし、最近は室内で熱中症にならないようエアコンがついている学校も多い。とりあえず教室きれい。アメリカの学生は自分で汚しても掃除しないけど、日本の生徒は毎日掃除する。庭にビオトープなどもあり、情緒教育にも力を入れている。

今まで当たり前だと思っていたことも、海外の学校事情を知ったことで、改めて日本の良さを知ることができました。中国は、一時的に英語を規制し、ゆとり教育に向かうのでしょうが、また数年後に同じように受験に走りそうな気がします。かつての日本の脱ゆとりと同じように。

先生とのフリートークから始まった自主学習

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今日のオンライン英会話のレッスンは、実はフリートークだったんです。その中で話題に上がった中国の教育改革について、調べてみたらちょうどいい記事が出てきたので復習用にnoteを書いてみました。

最近、こちらのnoteを更新していなかったのは発音トレーニングで復習noteが書きにくかったのと、インタビューをしてそれをもう1つのnoteで書いていたので更新できていませんでした。昨日からTOEICオンラインスクールで専門の学習を始めたので、今度はそちらを記録していきます。

先生からとっても嬉しいコメントをもらったのでここに貼っておきます。

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