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東京大学/国語/第四問

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2023東京大学/国語/第四問/解答解説

2023東京大学/国語/第四問/解答解説

【2023東京大学/国語/第四問/解答解説】

〈本文理解〉
出典は長田弘の随想『詩人であること』。筆者は詩人。第四問は詩人や歌人の文章からの出題が多く、2020谷川俊太郎、2014蜂飼耳、2012河野裕子、2010小野十三郎、という具合である。
①段落。それぞれに独自の、特殊な、具体的な経験の言葉を、「公共」の言葉や「全体」の意見ときうレベルに抽象して引きあげてしまうとき、そうした公準化の手続き

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2022東大国語/第四問/解答解説(再録)

2022東大国語/第四問/解答解説(再録)

「カーテンを開いて/静かな木漏れ日の/やさしさに包まれたなら/きっと/目にうつる全てのことは/メッセージ」(荒井由美)

武満徹「影絵の鏡」より

問四「そして、やがて何かをそこに見出したように思った」(傍線部エ)とはどういうことか、説明せよ。

内容説明問題。「そこ」とは「何も現れはしない小さなスクリーン」、「何か」とは老人が「何かを、宇宙からこの世界へ返すのだと言った」、「何か」と対応するもの

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2022東京大学/国語/第四問/解答解説

2022東京大学/国語/第四問/解答解説

【2022東京大学/国語/第四問/解答解説】

〈本文理解〉
出典は武満徹の随想「影絵(ワヤン・クリット)の鏡」(『樹の鏡 草原の鏡』1975)。
①段落。私がこれまでに作曲した音楽の量は数時間あまりにすぎない。たぶんそれは、私がひととしての意識を所有しはじめてからの時間の総量に比べれば瞬間ともいえるほどに短い。しかもそのなかで他人にも聴いて欲しいと思える作品は僅か数曲なのである。…
②段落。寒気

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