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短編小説333字 | 変態紳士の華麗なる日常

 今日もわたしは、🗼タワーマンション🗼の最上階で自画像をみつめる。青と黒で描かれたその姿に、惚れ惚れとした気分になる。
 う、美しい。こんな美女はほかに類を見ないだろう。さすがバンクシーだ。私の部屋に風のように現れ、私がよそ見をしている間に名画を描き終えて、またどこかへ立ち去ってしまった。
 自信に満ちた顔のように見える。憂いを浮かべた顔のようにも見える。この絵はどう解釈したらよいのだろう?
 手を顎に当てて、「むむむ」と思索にふける。

「ん?」

 あっ、そういえば、最近ひげを剃ることを忘れていた。近頃、まったく鏡を見ていなかった。まぁ、そんなことはどうでもよい。我が心に宿る女を見事に活写したバンクシーに乾杯しよう。



タイトルだけ決まっていた作品。
物語をつくってみた。

 


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