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記憶術 | シニアだって若者に勝てるかも。

 記憶力は年をとるとともに衰えると考えられている。
 例えば無意味な数字の羅列を覚えるのは難しくなるように感じる。一度聞いただけで覚えられるのは、せいぜい5桁くらいかな、と思う。

 記憶力のピークは、中学生か高校生あたりで、それ以降は徐々に衰える、というのが通説だろう。

 だから、新しい知識を吸収するには若い頃のほうが有利だと多くの人が思っているに違いない。

 だが、思い起こしてみると、中学生・高校生のときでさえ、覚えの悪い人もいるし、年をとっても記憶力に優れた人もいる。その違いはどこから生まれるのだろう?

 たしかに無意味な数字の羅列や文字列を覚えるのは、若いときのほうが優れていると私も思うが、理屈を付けて覚えれば、年をとっても忘れにくくなるコツはあると思っている。

 例えば、最近、新紙幣が発行されたが、誰がいくらの紙幣に使われているかということも、理屈をつければ覚えやすい。

 旧紙幣では、千円が野口英世、五千円が樋口一葉、一万円が福沢諭吉。
 新紙幣では、千円が北里柴三郎、五千円が津田梅子、一万円が渋沢栄一。

 丸暗記で覚えられればそれでいいが、理屈をつければ、
千円札は科学者から科学者へ、
五千円札は女性から女性へ、
一万円札は実学から実業家へ、
…みたいに覚えれば忘れにくいだろう。


 むかし習った理科的な知識も、共通点と相違点・例外とを比較すると忘れにくい。

 例えば、アルカリ性・中性・酸性を示す試薬は、こんなふうに覚えると忘れにくい。

 基本的にアルカリ性は青色で、フェノールフタレイン溶液だけが例外で、アルカリ性が赤色と覚えておく。

 リトマス試験紙はアルカリ性で青、BTB溶液もアルカリ性で青。

 BTB溶液はアルカリ性で青色で、酸性が黄色だが、青色と黄色を混ぜれば緑になるから中性は黄色になる。

 フェノールフタレイン溶液だけが例外的にアルカリ性で赤(紫)色になるが、試験では、アンモニア噴水と、炭酸水素ナトリウムを加熱する問題くらいにしか登場しない。


 きちんと比較対照すれば、さほど暗記に苦労しないはずだが、暗記の苦手な人はぜんぶバラバラに覚えようとするから、頭の中が混乱してしまうのだろう。


 どうなんでしょうね?

 年をとると記憶力が落ちたことを年齢のせいにする人が多いけど、覚え方を工夫すれば、年をとってからでも記憶できるのではないでしょうか?
 
 学校を何か新しいことを学んでもなかなか覚えられないのは、記憶力の衰えによるのではなく、理屈づけというか、コツをつかんでいないことに起因するような気もする。加えて、学生のように、時間割がなく、また定期テストもないから、覚えようという意志が不足しているだけかもしれない。

 仮に記憶力の低下が、年齢に依るものだったとしても、それですべて説明できるわけでもないし、工夫して何とかなるなら諦めるのはまだ早いだろう。

 とくに語学の場合、例えばフランス語なりドイツ語をマスターしようと考えたとき、若いほうが有利にも思えるが、既に英語を一通り学んだことがあるなら、若者よりシニアのほうが早く習得できるかもしれない。

 まぁ、いずれにせよ、何でも年のせいにして、努力を怠ることのないようにしたいものです。

 

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山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします

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