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エッセイ | 手が冷たい人は心が温かい。

 たまたま運転中に、ラジオ番組で、「手の冷たい人は心が温かい」という表現を久しぶりに聞いた。
 英語にも「Cold hands, warm heart」という、日本語と同じような表現があるという。


 本当に科学的な根拠があるのかどうか調べてみたが、まったく根拠がないわけではなさそうだ。
 いつも冷静な人は、何事にも動じないないので、体温が変化しにくい。
 それに対して、感情が豊かな人は手に汗をかきやすい。そして手に汗をかくと、気化熱によって手のひらの温度が下がる。そういう理屈らしい。 


 「なるほど!」と一瞬思ったのだが、やはり納得できない。
 第一に、「冷静=冷たい心」とは言えないのではないか?、と疑問に思う。
 第二に、もっと根本的なところで、「そもそも心ってなんだ?」という定義を私には言うことができない。

 「心」を「気持ち」と言い換えても同じこと。目に見えるものではない。自分が望む行動をとってくれる人は「心が温かい人だ」と思うが、それはあくまで「私から相手を見た」場合に限られる。
もちろん、多くの人が、ある人物の行動を見て「心が温かい人だ」と思えば、その人は心の温かな人なのだろう。しかし、そうは思わない人もいるだろうし、望ましい行動をする人をもって、「心が温かい」とは必ずしも言えない。普遍性を持つ基準ではない。

 自分自身の「快・不快の基準」で相手を見て、「快ならば心が温かく、不快ならば心が冷たい」と思うのは何か違う気がする。

 心ってなんだろう?、と考えてみると、「なんだか良くわからないけれども、確かにあるもの」としか言いようがない。目に見えない何かを放り込むための言葉に過ぎないのではないか?


 「手の冷たい人は心が温かい」という言葉の科学的な真偽はともかく、この言葉を聞いて思い出すのは、昔の女性たちが、冬の寒い日に冷たい水で洗い物をする様子である。見たことはないけれども。


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