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タンゴを作曲してみました(神を仰ぐ蛆の栄光を!!)

こんにちは。
葬送のオーケストラ「墓の魚 PEZ DE TUMBA」
作曲家です♪

実は昨日は
タンゴの日という事で、
葬送のオーケストラ「墓の魚 PEZ DE TUMBA」
新作タンゴ動画を
アップいたしました♪
(自作曲したオリジナルのタンゴです)

タンゴの日は、
Día Nacional del Tango
と、アルゼンチンでは呼ばれていて、
有名なタンゴ歌手
カルロス・ガルデルと、
タンゴ作曲家
フリオ・デ・カロ
二人の誕生日が奇しくも
同じ日だった事から
制定された日なのだそうです。

カルロス・ガルデル(左)とフリオ・デ・カロ(右)

ちなみに私は
クラシックだけでなく、
タンゴファドも作曲する
作曲家です(一応(笑))。

恐らく(このテーマの)
日本唯一の作家なのですが、
残念ながら私は、
オーソドックスなスタイルの
タンゴオペラの作曲家とは言い難く、
それこそ
クトゥルフ
ボードレール
ボルヘス寄りの
墓場(LA TUMBA)を専門テーマにした
ラテン作曲家なので、
この通り、全く日陰の道を
歩んでます(笑)

話が逸れましたが
今回アップした
新曲(オリジナル曲)のタンゴは、

「神仰ぐ蛆の栄光を!!
LA GLORIA DE LOS GUSANOS
QUE BUSCAN LA GUÍA DE DIOS」

というタイトルの作品です。

これは、蛆虫(GUSANOS)が、
進行方向を定める時に
迷う様に頭部を上げる様子を
「まるで神(天)を仰いでいるかの様だ!!」
と表現したのが
タイトルの由来。

もうタイトルからして、
普通のタンゴではありませんね(笑)
(VANITAS臭が強いというか・・)

だから蠅がタイトルに止まっている・・

しかし、元来、
濃厚で風刺色の強い
アルゼンチン文学とも言える
タンゴの歌詞というものは、
どんな作品であれ
ボルヘスや、
ボードレールの様なもので、
や、墓地や、増悪を扱う事は
実は日常茶飯事なのです
(良かったら、アルゼンチンタンゴの歌詞を
色々探してみて下さいね)

さてさて、
ここで以下、この作品の
歌詞を掲載しようと思います。

「神仰ぐ蛆の栄光を!!
LA GLORIA DE LOS GUSANOS
QUE BUSCAN LA GUÍA DE DIOS
~墓碑銘のタンゴ~」

作詞作曲・黒実 音子

(Pobreza en la malla de alambre)
(oreándonos el alma agusanada!!)

(mi dios!!
Que estas duquelas que mi cuerpo tenela
se me güervan Alegria.)

ああ!!打ち上げられた
哀れなピエ・デ・カブラ!!
乾酪壊死した肺・・
私の屍衣を這う
不機嫌なエスカラバホ・カローニャ!!

殺されてしまったグラム陰性菌。
肺に刺さり、破傷風を患う情熱!!
社会主義の死粉を吸い込んだ
ああ!! 貧民の宿痾。

私達の無菌室では
沢山のムエルト氏が見過ごされている。
ビバ・レーニン!!
と叫ぶ鰯達は陸に向かい、
海鳥に殺され・・

さぁ、錆びた金網の飢え
(Pobreza en la malla de alambre)
を忘れないで!!
名も無い鰯の悲痛を忘れないで!!
そもそも、
それだけが
生きるという譜なのだから。

強いて言うなら、
この手の込んだ受難の芝居を!!
主のパンを!!
人生の狭間に見る夢を!!
そろそろ幕引きにしたい。

ああ!!
神仰ぐ蛆の栄光を!!
私はサンディニスタ達と分かち合いたい。

そうして何もかも失って、
海岸に打ち上げられた
貝の骨の石灰となるのだ。

◇◇

如何でしょうか?
(冒頭に入っているスペイン語は、
本来は前奏中に呟くものなのですが、
今回の録音では省かれています)

ちょっとだけ解説すると、
ピエ・デ・カブラ(PIE DE CABRA)とは、
エボシ貝
の事で、
貝ではなく、カメノテに近い海洋生物の事。

エボシ貝

エスカラバホ・カローニャ
(ESCARABAJO CARROÑA)
は、
死体に群がる甲虫の仲間で、
いわゆるシデムシの事です。

シデムシ

ムエルト氏と呼ばれているのは
[muerte]
つまり死の擬人化ですね。

大衆の中の貧困を軸に政治風刺し、
文学的
魂の信仰や、
哀しみを歌った作品で、
この作品に関しては、
クトゥルフというより
ボルヘスに近いかもしれません(笑)

私の作品に、この様に
海産物が多く登場するのは、
が、
多くの死が無造作に散乱している場所
である事や、
キリストが漁師と関連した存在である事
など、
ラテン的な感覚が背景にあります
(この辺は、
こちらの記事でも解説しています)

という訳で、本日は
新作のタンゴ
についてのお話でした♪

今回のタンゴの歌詞の
詳しい解説は、
次回の記事で書こうかと思っています。

キリスト教文学と、墓場と、博物誌
作曲家・黒実 音子
これからもよろしくお願いいたします~。




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