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ペルペル
2023年10月2日 12:36
あれから1週間が経った。ドアは相変わらず開くことなく、スマホも繋がらない。さすがに何かあったと僕達は思っていた。せめてもの救いはパールが一緒にいたことだ。たまに変な行動で僕達を笑わせてくれた。「どうなるのかな。。。お父さん達に何もなければいいけど。」さすがに夏陽も不安になってきたようだ。とりあえず、待つしかないか。。。何かないかな、遊べるもの。パールのおもちゃばっかりだな。おっ
2023年10月2日 12:16
僕と夏陽がシェルターに入った直後、父さんとの通話が途切れ、ドアは開かなくなった。外で何か起きたのか。ただの通信障害なのか。隕石の衝突が早まった?僕の脳裏に不安がよぎる。「大丈夫。明日になればドアが開くよ。」夏陽が言った。そうだな。そうだけど。「さすがに隕石が落ちたら、音とか衝撃とかあると思わない?」確かに、そうか。しばらく沈黙が続いたあと夏陽が話し始めた。「お母さんが病
2023年9月29日 12:34
家族全員で食べる最後の食事になるかも知れない。僕はそんなことを考え、食事があまり喉を通らなかった。「おい太洋、全然食べてないじゃないか。最後の晩餐になるかも知れないんだぞ。母さんの手料理もしばらく食えないぞ。」父さんはデリカシーがない。最後の晩餐。思っていても普通は口にしない。「最後になんてなるもんですか!ねぇみんな!」母さんが父さんの頭を叩きながら言った。父さんは頬張っていた唐揚げを吐き
2023年9月26日 13:01
去年おばあちゃんの告別式で、久しぶりに夏陽を見かけたが、おばあちゃんを失った喪失感もあり声もかけられなかった。喪服姿の父さんと母さん、伊賀咲家の二人が集まって話をしている。「おばあさんには僕らも大変お世話になりました。小さい頃から夏陽もよく面倒を見てもらって。。生前にきちんとお礼ができなくて申し訳なかったです。。一言でもありがとうと言いたかった。。。」と夏陽の父親が涙ぐみ父さんに頭を下げている
2023年9月25日 17:19
伊賀咲夏陽。僕が連絡を取ろうとしていた相手だ。同じ年の幼馴染。小中高と同じ学校に通っていた。高校を卒業して別々の進路へ進み、最近は連絡も取っていなかった。この終末が迫った今、なぜ脳裏に彼女の姿が浮かんだのか。その理由は明らかだ。僕は彼女の事が好きなんだ。小学生の時はよく一緒に遊んでいた。中学になるとそれぞれ別の友達ができて、少しずつ距離ができた。高校生になった僕は夏陽の事が好きだと気づいたが、
2023年9月21日 12:18
世界に終末が訪れたら、人間の本能が生き残りを優先し、愛する家族すらも忘れさせる。でなければ、この瞬間にあの子の事を考えるはずもない。僕は終末を前に、家族を差し置いてあの子の顔を思い浮かべてしまった。自分でも愚かだとは思うけど、生物としての本能が勝ってしまうのかもしれない。抑えきれない罪悪感と興奮が混じり合い、気づいたら僕はあの子にLINEを送っていた。世界が終末を前にして混乱し