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#AIとやってみた

物語【絶望への秒読み】第六話

物語【絶望への秒読み】第六話

明日、隕石が落ちることを父さんはかなり前から知っていた。

「厳密に言うと正確な日時、どの辺りに落ちるかまでは分からなかった。」

それから聞いた父さんの話は信じられない内容で、まるで作り話のように聞こえた

十数年前のある日、世界中の一部の家庭にある手紙が届いた。そこには「数年後、地球に隕石が衝突する」と書かれていた。最初は信じていなかったが、その後手紙の中に書かれていた災害や紛争が現実に起きた

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物語【絶望への秒読み】第四話

物語【絶望への秒読み】第四話

共働きで忙しい両親の代わりに、僕の面倒をよくみてくれたおばあちゃん。

大好きなおばあちゃんが亡くなったのは、去年の夏のことだった。

最後は僕のことも分からなくなっていたけど、笑顔で手を握ってくれた。

僕の口からは自然と『ありがとう』という言葉が漏れていた。

覚悟はしていたのに、大好きな人との別れは本当に辛くて涙がとまらなかった。あとは悲しすぎてあまり覚えていない。

あれから1年。ヤバいこ

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物語【絶望への秒読み】第三話

物語【絶望への秒読み】第三話

世界に終末が訪れたら、人間の本能が生き残りを優先し、愛する家族すらも忘れさせる。

でなければ、この瞬間にあの子の事を考えるはずもない。

僕は終末を前に、家族を差し置いてあの子の顔を思い浮かべてしまった。

自分でも愚かだとは思うけど、生物としての本能が勝ってしまうのかもしれない。

抑えきれない罪悪感と興奮が混じり合い、気づいたら僕はあの子にLINEを送っていた。

世界が終末を前にして混乱し

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物語【絶望への秒読み】第二話

物語【絶望への秒読み】第二話

「今日会えて良かったよ。」と友人は笑った。

その笑顔に僕はとても嬉しい気持ちになる。

「ありがとうな。生きてたらまた会おう。」僕も大きく頷き返す。

友人との別れと終末の恐ろしさが重なり、自然と涙が溢れてくる。

「泣いてんの?」

泣いてねぇ!こっちこそ!

強がりを言いつつも涙が溢れることもある。

「ん?」

ありがとうございます!

「なんで敬語?やっぱ、お前はおもろい。」友人は腹を抱

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物語【絶望への秒読み】第一話

物語【絶望への秒読み】第一話

「明日地球に隕石が落ちる可能性があるみたいだけど、備えとか覚悟はできてる?」

はっ?何言ってんの?

「これ見て、地球が滅びる可能性があるって。科学的に裏付けもあって、非常に高い精度で予測されてる。」

最初は理解できなかったが、友人が言っていることにはかなりの信憑性があるようだった。

昔、ノストラなんとかが言っていたのとは違う。科学が進歩した現代の観測技術はかなり優れていて、その精度にはわず

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