転職エージェント10年史を振り返る
こんにちは、ペルソナの金子です。
石の上にも3年ならぬ、転職エージェント歴10年となりました。
もともとはサービス業、教育事業に身を置き、縁あって人材紹介会社に入社し、10年が経ちました。
まだ10年なのか…という気がするぐらい濃密な期間だったと思います。
それもそうです。これまで何千人という方々の人生の岐路である”転職”について悩みごとを聞いているからかもしれません。
業界的にはまだまだひよっこですが、今回は10年前と比べて、何がどう変わったのかを振り返ってみたいと思います。
人材紹介業界として変わったこと
①ATSの普及
10年前は採用管理システム(ATS)導入企業は珍しかったように記憶しています。メールでのやり取りが主流で、書類推薦後は電話で補足説明することが多かったです。
そしてATS各社サービス開始間もないからか、使いにくいUIに苦労した記憶があります。大手企業から徐々に浸透して、中小企業、ベンチャー企業でも導入が進んでいます。
エージェント側からの利便性でいうと便利な半面、企業からすると一斉送信にはハードルがあると思われるため、情報の鮮度は落ちたように感じます。
ただ、結局のところ、企業とはATS以外でのメールやTELでのやり取りが多いのも事実です。
②スカウトサイトの台頭
私が入社した会社は自社HPからの候補者流入がほとんどでしたので、スカウトサイトを使うことはほぼありませんでした。
しかし、徐々にスカウトサイトの台頭が始まり、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、DODA X、ミドルの転職といったスカウト型転職サイトの勢いが増していきました。いまではTV、ネット、SNSで広告を見ない日はありません。
体感では、10年前は転職エージェントを使っての転職活動は密やかに行われていた印象です。様々な媒体による広告効果や、最近では、”転職の魔王様”というドラマも話題になり、転職エージェント経由での転職は当たり前、珍しくないという風潮になったように感じます。
そして、まずはスカウトサイトに登録して、スカウトを待つ、という行動への抵抗感が減ったかもしれません。
人差し指を立てながら、声高々に「ビズリーチ!」と言うCMが大量に流れ、リクルート社がキャリアカーバーから”リクルート”を冠としたリクルートダイレクトスカウトと名称を変えたり、転職ixはDODA Xと名称を変え、パーソルグループが追随しているのも記憶に新しいところです。
③採用手法の多様化
人事の仕事は大きく変わったように思います。
※VUCAの時代と言われるようになったこの10年、人事職を取り巻く環境も大きく変化してきました。昨今のトレンドを踏まえて、人事職のキャリアについてまとめた記事はこちらです。
求人媒体広告で募集し、人材紹介会社も利用する。この2つを主流としていた採用手法から、ダイレクトリクルーティングの活発化・多様化が進んでいます。採用HPを新たに作ったり、X(Twitter)、Facebook、LinkedIn、noteを使ったブログ形式でのブランディング。YouTubeで動画の投稿など。
人事の方がXでアカウントを作成し毎日投稿しているのをみるとKPIで設定されているのかな…と思ったりしています。
人事は、会社の採用広報としての顔、という一面が強くなってきました。
社員紹介の促進のためのリファーラル施策。
社員定着のためのリテンション施策。
コロナでリモートワーク導入、出社とのハイブリット型への移行、ジョブ型雇用など、やることは盛りだくさんです。
スカウトを業務委託に任せたり、エージェントコントロールを外部委託したり。人事業務の選択と集中をする目利き力が求められています。
これから10年、人材紹介業界はどうなるのか
学ぶ組織ペルソナでは、先日のシナリオプランニング研修で3年後、6年後、10年後の未来について考えました。私たちのチームでは、人材業の未来についてワークを行いました。
10年後、というと2033年です。
どんな未来が待っているのでしょうか。
人と企業をつなぐマッチングは、二極化しているのではないかと考えています。
AIが発展し、マッチング精度はより高くなっているでしょう。人が介在しなくても、一定のレベルでの採用・転職活動が可能になっていると想像されます。働き方はより一層多様化し、場所、雇用形態、時間の選択肢が増えると思われます。
そして新たに採用することよりも、リテンション施策が重要視されるようになるかもしれません。
2025年問題と言われている、70歳を超える中小企業の経営者が245万人となり、そのうち約半数の127万人が後継者未定となるであろう事象はもう目の前に迫っています。事業承継ができずに廃業する中小企業は増加するため、地方採用のニーズは高まるのではないでしょうか。
機械的なマッチングを好まず、ピンポイント且つ市場に出回っていないポジションに人材を提案をする転職エージェントは残っていくと考えています。
百貨店の外商のようなイメージでしょうか。ネットショッピングで気軽に商品を購入できるようになっても、優良顧客のもとへ外商担当者が自ら出向き、ニーズを叶える、もしくは想定外の提案を求めるサービスはなくならないのと似ています。
職種としては、アーティスト、エンターテイナーなどイノベーターの価値が上がるかもしれません。テクノロジーが発達し大抵のことは想像の範囲内となるなかで、クリエイティブ性の希少性が高まるのではないでしょうか。
やはり、常に学び続け、先を見据えて投資していくことが大切だと思います。目の前の事をただこなすのではなく、時間、お金、体験などに投資し、どんな時代でも生き残れるような筋肉づくり・準備をしておきたいですね。
さて、簡単ではありますが、転職エージェント10年を振り返ってみました。
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