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したたかに、しなやかに生きていきたいのです。

以前、「強くて優しい人になる」という目標を立てたことを書いたことがある。

この目標について、大まかな方向性としてはこれで違和感はないのだが、もう少し他の言葉で表現できないだろうか、と思ったりもしている。

それは、自分自身が元々持っている人間的特性とのシナジーを考えたからだ。

ひとくちに「強さ」と言っても、色々な強さがある。

「屈強さ」「剛健さ」「頑丈さ」などのフィジカルに関するものや「精神的タフネス」などのメンタルに関するものなどがある。

ここで私が意図していたのは、どちらかというとメンタル的な強さの方だ。

このような強さと、私が既に持っている人間的特性のうち「強さ」に寄与することができそうな人間的特性との関係はどうなっているだろうか。

あるとき、「したたか(強か)」という表現に出会って、思考のきっかけになった。

実用日本語表現辞典によると、以下のように書かれている。

「したたか」は現在ではやや否定的なニュアンスで用いられることが多いが、漢字表記は「強か」であり、本来は「強くて容易には屈しない」といった意味合いがある。「したたか」の肯定的な用法は、「彼は逆境に負けずにしたたかに生きている」というように誉め言葉としてのニュアンスがある。悪口のようなニュアンスで用いられる「したたかな女性」は、「男性に対してしおらしく見せながら、腹の中では常に損得を考えている」といった意味合いになる。「したたかな男」の場合、「ビジネス等において良くも悪くも計算高く賢い」といったニュアンスになる。「したたか者」とは古語では「強く気丈な人」といった意味合いがあるが、現在では「思うように扱えない・一筋縄ではいかない人物」といったニュアンスで用いられる。

実用日本語表現辞典より

現在は否定的なニュアンスで使われることが多い「強か」は、本来はポジティブな意味合いでも使われていた言葉のようだ。

この意味を読んで、私は良くも悪くも、「あ、これは自分のことを言っているようだ」と思ってしまった。

私は簡単には屈しない一定の強さを持つが、それは単なる気合や粘り強さ、愛情などに支えられたものではなく、うまくやる方法をいろいろと計算し、ドライに考えて取り組むことに支えられたものであると思っている。

一方、「優しさ」の要素を持つ言葉の中で、私の人間的特性に関係しそれを表現する言葉として、「したたか」と似た響きの「しなやか」という言葉が浮かんだ。

デジタル大辞泉によると、以下のように書かれている。

1 弾力があってよくしなうさま。「—な足腰」「—な枝」
2 動きやようすがなめらかで柔らかなさま。「—な身のこなし」「—な革」
3 姿態などがなよなよして上品なさま。たおやかなさま。

デジタル大辞泉より

直接的に対人関係の中での優しさを表現する言葉ではないが、「柔らかい」「柔和」といったイメージを表現する言葉である。

これを私は、「周りの人々に柔軟に対応する」「自分自身を柔軟に変形させて人々と付き合う」というイメージで捉えている。

私は情熱的な自分の信念を持っている人間ではなく、人の意見に合わせながら柔軟に対応するようにして生きてきたという特性があるから、この「しなやかさ」という感覚は自分にとって大変しっくりくるのだ。

この「したたか」と「しなやか」という2つの言葉は、響きも似ていてキャッチーな感じもするし、自分の人間的特性にも合っているから、自分の目指す方向性として採用しても良いのではないか、と思った。

そこで、「強く優しく生きる」に改め、「したたかに、しなやかに生きる」を新たな方向性として目指していきたい。

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